【インタビュー前編】劇場版ゴキゲン帝国 白幡いちほ「まだ誰もやっていないことがあるし、自分なら面白いことに特化したことができると思った」劇場版ゴキゲン帝国 白幡いちほロングインタビュー前編

ポスト

歌いながらオリジナルの歌詞を作って歌ってました

――結成当初は、やはりパフォーマンスの練習もかなり詰めてやっていたのですか？

白幡：
そうですね、練習は今も変わらずしてますね。最初のメンバーもそうだし、あとから入ったメンバーもそうだし、私以外みんな経験のない子たちばっかりでしたので。ダンスも歌も習ったことないみたいな子だったんですけど、紹介してもらった時やオーディションを受けてくれた時に“なんかいいな！”って思えるところがあって、それプラス、ダンスができるようになったり歌が歌えるようになったら、もっとよくなるだろうなって思って。なので、知り合いのダンサーさんにお願いして、定期レッスンを週に1回とか入れている感じです。それとは別に、新曲の時は振り入れがあります。あと、去年の10月くらいからは、ボイトレにも行っていますね。

――それは、個人練習とグループ練習の両方ということ？

白幡：
そうですね。ぶっちゃけ（歌やダンスが）できなくてもいいっていうアイドルグループもいると思います。定期レッスンがないところや、ダンス未経験なのにグループに入ってからもレッスンを受けさせていないところもあるようですし。ただ、アイドルのダンスだから、そういう子たちにもできる振り付けになっていることもあって。ゴキ帝も初期の頃は、ダンスのスキルがなくてもできるような振り付けにしてたし、運動神経が悪い子でもそれなりに見えるような振り付けだったんです。だけど、ずっとそれでいるわけにもいかないじゃないですか。2年後もその振り付けだと引き出しもなくなるし、観てる側もつまらない。今はできなくても全然構わないけど、1年後、2年後にできるようになってたらいいなって願いも込めて定期レッスンを入れています。そこに投資するお金とか時間は惜しまないでいたいなって思っていたので。

――セルフ運営も最初からやると決めていたのですか？

白幡：
やろうと思っていたというか、それしかなかったっていう感じですかね。私みたいなやつが立ち上げるグループの面倒を見てくれる人なんていないので（笑）。自分でやるしかないよなって感じでした。

――活動資金はどうしたのですか？

白幡：
お金がすごいかかることは当然わかっていたので、“これくらいがグループの活動資金で”みたいな感じで貯金してました。それこそ誰が急にやめたりするかわからないじゃないですか。ダンスレッスンとかで、けっこう投資してたりしてもいなくなっちゃったら回収できないとか、この子のグッズを作ったのに売り切れる前にやめちゃったとか。そういうこともあるので、活動資金はけっこういるなって思ってたので、月にこれくらいは貯金しようって決めてやってました。

――それはゴキ帝を始める前から？

白幡：
始めてからですかね。ゴキ帝を始める前は、このイベントは貯金のためのイベントにしようと思って、私のポケットマネーで主催イベントやオフ会を開いていました（笑）。

――2016年9月に結成して、2017年1月1日には早くも新宿club SCIENCEでワンマンライブを開催していますね。

白幡：
なんかそのあたりのスピード感が当時はわからなかったので、結成して3、4ヵ月後には大きなイベントとかワンマンやりたいよなって思ってて。よく会うイベンターさんに相談したら、“1月1日、箱空いてるよ”って言われて。“1月1日かぁ、でもこれぐらいの規模の時しか1月1日にワンマンできないよなぁ”って思って、やろうかなと。多分最初で最後の1月1日ワンマンですね（笑）。

――これも準備など大変だったんじゃないですか？

白幡：
本当にやめておけばよかったって思いましたよ（笑）。年末はただでさえ忙しいのに、そのワンマンの準備が重なって。その時はスタッフも全然いなかったので、自分たちだけでステージの装飾も作ってたし、グッズの発注もしたし、ワンマンで初披露する曲も作ってたし、すっごい忙しくて。お正月なんで衣装を和風にしたり、注連縄をステージにかけたり、紙を折って垂を作ったりとかして装飾しました。Tシャツの発注も2日前とかだったんですけど、工場の方が間に合わせてくれて（笑）。あと、メンバーに1曲歌詞を書いてもらおうとしたのですが、みんな全然書けなくて、当日の朝に歌詞が上がるっていう（笑）。

――ええ!?　ギリギリでしたね。

白幡：
今思うと、本当にあり得ないんですけど（笑）。その曲をやらないと曲数が足りないからやらざるを得ないし、オケはあるので歌詞を朝までに上げて、“みんな、自分のパートだけ覚えて！”って言って（笑）。でも、結局みんな覚えられないから、歌いながらオリジナルの歌詞を作って歌ってましたよ（笑）。

――あはは。フリースタイルですね（笑）。

白幡：
フリースタイル（笑）。それっぽい歌詞を当てはめて乗り切ってました。

――対応力が半端ないですね。しかも、その日に9月の東京キネマ倶楽部でのワンマンも発表したんですか？

白幡：
しましたね。キネマなんて絶対埋まらないと思ったんですけど、その時よくしてくれたイベンターさんが交渉してくださって。じゃあ、やろっかなって。

――挑戦ですね。

白幡：
だいぶ挑戦でした。今だったら絶対やらないですもん（笑）。

――キネマ倶楽部では、何曲かバンドセットでパフォーマンスしたのですよね？

白幡：
そうですね。それはスタッフのアイディアで。

――白幡さんの中では、バンドセットでパフォーマンスすることは、そこまでイメージを持っていなかった？

白幡：
最初は全然なかったですね。バンドの入れ方もわからないし、知り合いもいないし。バンドセットってカッコいいなっていうのはありましたけど、やり方がわからなかったので。【後編に続く】

↓↓↓合わせて読みたい↓↓↓

ポスト