中川悠介×木村ミサ[インタビュー]代表とプロデューサーが描くアソビシステムKAWAII LAB.の未来図「ライブアイドルの垣根を越えて、ジャパニーズアイドルが通用することを世界に知ってもらうために頑張ってます」

中川悠介×木村ミサ[インタビュー]代表とプロデューサーが描くアソビシステムKAWAII LAB.の未来図「ライブアイドルの垣根を越えて、ジャパニーズアイドルが通用することを世界に知ってもらうために頑張ってます」

中川悠介×木村ミサ[インタビュー]代表とプロデューサーが描くアソビシステムKAWAII LAB.の未来図「ライブアイドルの垣根を越えて、ジャパニーズアイドルが通用することを世界に知ってもらうために頑張ってます」中川悠介(アソビシステム代表)&木村ミサ(KAWAII LAB.プロデューサー)インタビュー後編

アソビシステムがアイドル文化を世界に向けて発信するプロジェクト『KAWAII LAB.』は、2022年2月の始動後、FRUITS ZIPPERの躍進、後輩グループ・CANDY TUNEの急激な成長など、アイドルシーンの中で存在感を一気に高めている。しかし、順風満帆のように見える活動も、舞台裏では数々の困難に直面し、試行錯誤の日々だったという。彼らは、いかにしてその壁を乗り越え、また今後どのようなアイドルエンタテインメントを届けようとしているのか? 同社代表の中川悠介と、KAWAII LAB.プロデューサーの木村ミサに、『KAWAII LAB.』の現在地、そしてこれからの展望について、たっぷり語ってもらった(全2回/後編)。

編集協力:村田誠二

KAWAII LAB.
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KAWAII LAB.

■KAWAII LAB.
日本のポップカルチャーを牽引するアーティストを擁するカルチャープロダクション、アソビシステムが、日本で成長を続けてきたアイドル文化を世界に向けて発信するプロジェクト。総合プロデューサーは元むすびズムのリーダーでモデル・タレントの木村ミサ。“原宿から世界へ”をコンセプトに、世界で活躍できるアイドルの発掘・育成・輩出を目指し、活動していく。

危機感はめちゃくちゃ持ってます(中川)

――FRUITS ZIPPERはデビューから1年半が経ち、これまで順調にステップアップしてきた印象があります。その中で困難な局面はあったのでしょうか?

木村:
いっぱいあります(笑)。本当にいっぱいあって、そのたびにメンバーからもいっぱい意見も言われるし、こっちからも言ったりとかで、やっている側とプロデュース側の意見がいつも一緒なわけはないし、メンバーもそれぞれ考え方が違うから、意見が合わないことはあるんですけど、その時は本当にめっちゃ話し合いをします。“あなたはどう思ってる?”って。もともとは、意見を言ってきた子と私を含めたマネジメント側で話してたんですけど、やっぱり1人ひとりと話さないとこのグループはダメかもしれないって思って、その話し合いのあとに1人ひとりと電話したり会ったりして話して、それぞれにちゃんと納得してもらってから次に進む。それを経て次のステップに行くと、みんなが強くなるっていうか、意識が1つ高くなる感覚があって。すごく大変なんですけど、やらなきゃいけないことなのかなってすごく感じていますね。メンバーも、グループが大きくなればなるほど自分たちがウマくいってるという感覚もあると思うし、一方で、今のままじゃダメだって思ってるとも思ってて、だからそれぞれ葛藤があると思うんですけど、それをどう乗り越えさせるか……私はそれをサポートするわけじゃなく――乗り越えるのは自分自身なんで、それに対して私が何かできるわけではないんですけど――自分自身で“ヨイショ!”ってステップアップする、そこに行くまでの過程をちょっと支えてあげるみたいなことはしなきゃいけないなって……大変なんですけどね(笑)。

中川:
木村ミサも含めて目の前のことを一生懸命やってきて、その積み重ねが広がっていったという感覚があります。だから、マネージャーたちもスタッフも、プロデューサーも、本人たちも、その中ですごく成長した。もちろん問題だらけでしたけど、蚤の原理に似てて、蚤って、コップの中に閉じこめたら、いつしか飛ぶことを辞めてしまうんですけど、僕らにはそんなコップは存在しないっていう感覚。アイドルにすごく精通している人と、精通していない人がいてよかったと思うんですよ。アソビシステムって、常識とかルールとは違ったやり方で、自分たちに合ってるやり方は何か?を導き出すのが“らしさ”だと思っていて。“このアイドルはこうだからこうなる”じゃなくて、僕たちが方向性を作っていった結果が今のFRUITS ZIPPERに還元されていると思うんです。当たり前だって思っていることや成功体験が1番邪魔をすると思ってて、FRUITS ZIPPERが出来上がって、伸びてきた時には、そこを日々壊していく作業みたいな感覚だったのかなと思います。さっき言ったように、話し合ってぶつかって、次のステップに成長して戻ってくる、それをくり返しながら、各々の思う形ができてきているのが今なのかなと思うし。まだまだゴールは決まってないし、まだまだ上を目指していかなきゃいけないし、でも常にみんなが上を目指してて、“まだまだだよね、まだまだだよね”って自分たちに言い聞かせている感じはすごくしますね。

FRUITS ZIPPER
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FRUITS ZIPPER

■FRUITS ZIPPER
グループ名は、“実を結ぶ”という意味を持つ FRUITに、“元気を与える”という意味のZIPを組み合わせ、FRUITS ZIPPERと命名された。“原宿から世界へ”をコンセプトに、多様なカルチャーの発信地、個性の集まるファッションの街“原宿”から“NEW KAWAII”を発信していく。

――常に危機感やプレッシャーを感じながら、日々、目の前のいいことを1つずつ乗り越えていく。

中川:
危機感はめちゃくちゃ持ってます。やっぱり努力はし続けなきゃいけないし、自分たちが頑張りを止めた瞬間に何かが崩れることって絶対あるじゃないですか。だから、常に追われている感覚というか……やっぱりいいライブをしなきゃいけない、1人でも多くの人に観てもらわなきゃいけない、お客さんの期待している曲を出さなきゃいけない、ってことは常に意識してます。会議とかは、みなさんが想像する以上に緊張感があると思うし、“本当にこんなに詰めてやってるんだ?”ぐらい、いろんなことを全力でやってる自信はありますね。

――それだけやっているからこそ、自身を持ってアウトプットができるわけですね。

中川:
そうですね。“僕らがこれを作ったんだぜ!”じゃなくて、作った作品がどんどん育っていくってことに僕らはワクワクするし、ファンのみなさんにもワクワクしてもらってるのかなと思う。さらに、それを本人たちも楽しんでくれてるということなのかな。超根本の話ですけど、エンタテインメントって楽しくなきゃダメじゃないですか。でもいつしか、ビジネスとエンタテインメントとのバランスが崩れてくるタイミングが絶対あるなと思っていて、そうならないようにいかに楽しんでやるか、ってことはすごく大切だと思ってます。

――すごくいい話ですね。ここまでFRUITS ZIPPERの話が中心でしたが、やはりCANDY TUNEが活動を始めたこともKAWAII LAB.の大きなポイントでした。今の話を聞いてると、FRUITS ZIPPERの方法論は活かしながらも、CANDY TUNEでは安に同じ方法論を採用する気はないという意識だったのでしょうか。

中川:
それこそ、木村ミサのプロデュース能力とか、メンバーそれぞれの個性はやっぱりバラバラじゃないですか。それはマネージャーにも言えて、同じことをやってもそれぞれの個性が出る。実はそれが1番大切なんじゃないかと思っているんです。木村ミサの個性、CANDY TUNEのメンバーそれぞれの個性、FRUITS ZIPPERのメンバーそれぞれの個性、それが伸びていくことが結果につながると思うので、同じことをしようって感覚はまったくないですね。

CANDY TUNE
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CANDY TUNE

■CANDY TUNE
KAWAII LAB.の掲げる“原宿から世界へ”を胸に、多様なカルチャーの発信地、個性の集まるファッションの街“原宿”から“NEW WAY”を突き進んでいく。グループ名には、フレーバーも形もさまざまな“CANDY”のように、好きなものも性格も違う個性豊かなメンバーが集まり、彼女たちのポップな“TUNE(旋律)”を奏でていってほしいという想いが込められている。

――そもそもCANDY TUNEを始めようと思った理由は?

木村:
最初からKAWAII LAB.をどんどん大きくしていくためにどんどんグループを作っていこうという話があったので、CANDY TUNEもその過程の1つではあったんですけど、全然違うものを作ろうっていう意識というよりは……私自身のやり方なんですけど、やっぱり個々を見てそれぞれがちゃんとステージで輝けるようなやり方がしたいって考えると、人間が違うので当たり前にやり方が変わる、生かし方が変わるという感じなのかな。

――FRUITS ZIPPERの時も、最初にグループコンセプトを決め込むことをせずにメンバーを見てからこういう形にしたと発言していたので、CANDY TUNEもその延長線上で作られたのかなと。

木村:
そうですね。CANDY TUNEとFRUITS ZIPPERで、いろいろ見え方は違うようにはしてますけど、根本はあまり変わってないです。

――人ありき?

木村:
そうですね。

木村ミサ、中川悠介
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木村ミサ、中川悠介

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