Couleur Clarity［インタビュー］伝説のフィナーレを目指してーー限られた時間を駆け抜ける同人アイドルの挑戦「終わるのが名残り惜しいって思ってもらえる存在になるのが1番の目標」Couleur Clarity結成インタビュー後編

撮影：河邉有実莉
編集協力：村田誠二

私がMVの絵コンテを作る時に、メンバーの実生活とリンクするような世界観にしました（本田夕歩）

――先日「推しに届け」のMVを公開しましたが、衣装同様、MVはどんなコンセプトだったんですか？

本田：
私が絵コンテを作る際に、仮歌を聴いていたら、私たち自身にも推しのような存在がいるし、自分たちも推されているという両方の面を持った人間が集まっていることに気がついて。だったら“推し”をテーマに考えてみようって思ってドラマパートは、よくある“同じ人だけど別次元にいる私たち”っていうコンセプトがいいかなと思って、こっちの次元ではアイドルをしてるけど、こっちの次元ではその子のヲタクをしてるみたいな……ちょっとややこしいんで、どうしようかと思ったんですけど（笑）、それをウマく表すために、例えば、各々（実生活と）リンクするように、いのりだったらOL役だったり、みうだったらお裁縫をやっているとか、いろいろ振り分けて。そこからリップシーン、ドラマシーン、ダンスシーンすべて、歌詞1文ずつの意味に合わせて、“何なにしている人”って検索してヒットした人間のフリー素材を当てはめて絵コンテを作りました（笑）。

――同人アイドルとはいえ、MVの絵コンテまで切っているのはすごいですね（笑）。

本田：
すべて編集アプリでやりました。“この子のリップ、この子のドラマ、この子のダンス”みたいな感じを組み立てていった感じですね。アイドルに注目してMVを観てきてよかったなと思いました（笑）。

――とはいえ、MVを観る時の視点はかなり変わったんじゃないですか？

本田：
めっちゃ変わりました！　あ、この子たち、こんなに頑張ってるんだ！　制作の人、すごい！みたいな（笑）。MVみたいな作品って、本当にセンスの塊だと思うので、やっぱり素人の勘でこれがいいって勢いで作っていると、辻褄が合わないとか、起承転結がおかしいとかあったんです。そこで、実際にMVを作っている方に確認してもらって、ここはこうした方がいいんじゃない？ってアドバイスをもらったところを改善して完成形が出来上がりました。もし次に作ることがあったら、そういうところも活かせたらいいなと思ってます。

――次のMVも楽しみですね（笑）。花宮さんは、ドラマシーンでOLを演じました。

紗愛：
1番、演技頑張ったよね。

本田：
確かにそうかも！

花宮：
私のシーンって、OLの仕事をしてる（PCを使う）シーンと、あと、よく観ていただくとわかるんですけど、（両手に書類を持ちながら歩いて）夕歩とぶつかって“あ、落ちちゃった……”からの“（ため息）ふぅ～”みたいなシーンで（笑）。そんなこと、日常ではほぼしたことないのに（笑）。でも、私の撮影の日は、時間がなかったんですよ。

紗愛：
押してたよね。

花宮：
ダンスシーンの撮影の次の日が私のドラマシーンだったので、疲れもありつつ……本当に疲れたOL役をやりました（笑）。

――会社は休みを取ったのに（笑）。

花宮：
そう（笑）。でも楽しかったです。新境地が拓けました（笑）。

――ダンスシーンの撮影は、千葉のかなり奥まで行ったんですよね？

紗愛：
そうです。だから、メイド役の芽衣のシーンが1番ヤバかったですね（笑）。

芽衣：
ダンスシーンの撮影場所は、ちょっと僻地でした（笑）。で、その撮影には、午前3時に渋谷に集合してみんなで車で向かって。18時くらいに終わってから2時間半くらいかけて東京に戻ってきて、私のドラマパートの撮影を、その日の24時から始めたんです（笑）。

乃街：
3時間寝られるかな、くらいだったよね。

芽衣：
お風呂入って、1時間半〜2時間くらい寝て、また化粧して。

花宮：
何時までやってたんだっけ？

芽衣：
朝5時まで。

――えええー！

紗愛：
その撮影も、エキストラでお客さんがいないと不自然だから、客役としてこの2人（乃街と大河）がずっといたんです（笑）。プラス、そのお客さんを撮るためのカメラマンとしてみうがいてくれて。

円谷：
いつもはリーダー（紗愛）が撮ってくれるんですけど、翌日の昼に撮影だってことで。

紗愛：
なので、さすがにその時間にそこにいるとやばいってことで、みうにお願いして。

円谷：
協力し合いだよね。

――いい話ですね。でも、朝3時に出発してから、ほぼずっと撮影し続けていたということですよね？（笑）

乃街：
3時に東京を出て、18時まで撮影して、その日の24時から翌朝の5時までやって、その後10～11時くらいに集合して、私たちの友人シーンやOLシーンを昼から撮ったんです（笑）。

紗愛：
でも、正直1番キツかったのは、カメラマンとプロデューサーで、そこはフル出勤だったんです。本当にキツそうだったので、本当にありがとうございましたって感じですね。

乃街：
みんな顔パンパンになって死んでたよね。

――その苦労があったからこそ、映像の完成度は非常に高いですね。ドローンも使っているようですが、最後にみんなで部屋で映像を観ているシーンもドローンですか？


紗愛：
あれは違うんです。携帯のカメラで、いったん私たち全体を取り囲むように3Dスキャンしたというか。みんなに動かないでって止まっててもらって。

花宮：
なるべく同じ顔でまばたきもせず止まってて！みたいな（笑）。

――そうなんですか。すごい映像だなと思って。

円谷：
あれはすごいよね。見どころの1つだと思う。

紗愛：
で、テレビの中に入って行っていくっていうね。

大河：
もう“同人”のレベルじゃないよね（笑）。

乃街：
花火とか空のCGもものすごく作り込んでるしね。

紗愛：
ラスサビで、テレビから出て行って空に花火が上がっているシーンとか、全部CGなんですよ。

円谷：
掘れば掘るほどいろんなエピソードが出てくるね。

紗愛：
まだまだ話してないこといっぱいあるよね（笑）。

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