NEO JAPONISM&ニューロティカ[ライブレポート]リスペクトの想いを届け合ったアイドルとロックバンドによる奇跡の共演「最高の日になりました」

NEO JAPONISM&ニューロティカ[ライブレポート]リスペクトの想いを届け合ったアイドルとロックバンドによる奇跡の共演「最高の日になりました」

NEO JAPONISM&ニューロティカ[ライブレポート]リスペクトの想いを届け合ったアイドルとロックバンドによる奇跡の共演「最高の日になりました」

NEO JAPONISMとニューロティカによる2マンライブ<ネオロティカ -ウチらいつでもロックバカ->が、2月25日(土)に渋谷Spotify O-WESTにて開催された。

ニューロティカへのリスペクトを公言していたNEO JAPONISMの滝沢ひなのの熱い想いにより実現した今回のライブ。アイドルとベテランロックバンドという普段交わることがない2組が、お互いへの熱い想いをぶつけ合いながら、躍動感あふれるステージを展開した。

本記事では、その模様をお伝えする。

<ネオロティカ -ウチらいつでもロックバカ->Spotify O-WEST(2023年2月25日)

撮影:真島洸

2023年2月25日(土)、渋谷Spotify O-WEST、ついにこの日がやってきた。ニューロティカとNEO JAPONISMの2マンライブ<ネオロティカ -ウチらいつでもロックバカ->。今の時代、ロックバンドとアイドルの対バンは珍しくはないが、この2マンは特別だ。なんといってもNEO JAPONISMの滝沢ひなのが両親共々大リスペクトする、伝説のパンクバンドとの共演なのだから。

バンドマンの両親を持った滝沢は、物心つく前から子守唄のようにニューロティカの楽曲を聴き、ニューロティカの歌に励まされながら上京してきたというのだから筋金入りである。そんな2人の邂逅は、昨年夏に東京都八王子市にあるATSUSHIが店主を務めるお菓子屋『藤屋』に滝沢が初訪問した対談企画である。感動のあまり滝沢が号泣してしゃべれなくなるガチ具合いと、ロリータ18号・石坂マサヨとの奇跡の再会エピソードをはじめ、次から次へと出てくる逸話の豪華さも相まって、双方のファンはもちろん、多くの関係者やニューロティカをリスペクトする氣志團・綾小路翔に至るまで、大きな反響を呼んだ。

その後も滝沢の生誕イベントにATSUSHIがお祝いコメントを寄せるなど、交流を深めていく中、滝沢自らこの2マンライブを交渉して実現した(?)のだからその喜びは何よりも大きいのである。

【緊急突撃】滝沢ひなのがニューロティカに2マン直談判!?

どこか優しく笑顔に包まれたステージ

NEO JAPONISM<ネオロティカ -ウチらいつでもロックバカ->Spotify O-WEST(2023年2月25日)
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NEO JAPONISM<ネオロティカ -ウチらいつでもロックバカ->Spotify O-WEST(2023年2月25日)

“めちゃめちゃ楽しみにしてきました! みなさん、最高の1日にしようぜー!!”

先攻はNEO JAPONISM。SE「NEO START」が響くと、嬉しそうに声を上げる滝沢を筆頭に威勢よく入場する5人。ステージ後方に大きく掲げられた『ネオロティカ』のバックドロップを背に「GAN GAN HERO!!!!!」でステージはスタート。

“さあ、始まりました「GAN GAN HERO!!!!!」!! 果たしてこの会場にいる全員で<ネオロティカ>を成功させることができるのでしょうか!?”

滝沢がイントロでの煽りをバッチリ決めると、いつも以上に気合い十分の5人は、軽やかにコミカルなステージ展開をキメながら、バッチリと力強い歌声を聴かせていく。続けざまに「rewind the story」へと突入した。

“やったぁ、やったぁ、待ちに待った<ネオロティカ>だぁぁぁ!! いい1日にしような、みんな! オイ! オイ!”

滝沢の煽りにフロアも拳を上げて全力で応えていく。声出しOKということで、熱気溢れたオーディエンスの掛け声の大きさを前に“すごいじゃんっ! 最高じゃんっ!”と滝沢は満足げな表情でグイグイとライブのボルテージを上げていく。間髪入れず、先日リリースされたばかりの新曲「BLACK JAM」へ。音の高低差が激しい複雑なメロディとパンキッシュなバンドサウンドが、性急なリズムとともに襲いかかってくる。野太い滝沢のボーカルは言わずもがな、キュートなボーカルの瀬戸みるかも、舌足らずに甘い声の朝倉あいも、それぞれキャラ立ちしたボーカルが映える、新たなNEO JAPONISMを提示するアッパーチューンだ。

滝沢ひなの(NEO JAPONISM)<ネオロティカ -ウチらいつでもロックバカ->Spotify O-WEST(2023年2月25日)
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滝沢ひなの(NEO JAPONISM)<ネオロティカ -ウチらいつでもロックバカ->Spotify O-WEST(2023年2月25日)
瀬戸みるか(NEO JAPONISM)<ネオロティカ -ウチらいつでもロックバカ->Spotify O-WEST(2023年2月25日)
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瀬戸みるか(NEO JAPONISM)<ネオロティカ -ウチらいつでもロックバカ->Spotify O-WEST(2023年2月25日)
朝倉あい(NEO JAPONISM)<ネオロティカ -ウチらいつでもロックバカ->Spotify O-WEST(2023年2月25日)
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朝倉あい(NEO JAPONISM)<ネオロティカ -ウチらいつでもロックバカ->Spotify O-WEST(2023年2月25日)

続く「Fight For The Right」は“闘う”をコンセプトに掲げるNEOの真骨頂。真っ直ぐに攻める辰巳さやかが、エッジの効いたパワフルボーカルを轟かせる福田みゆが、お立ち台の上から扇動し、オーディエンスの士気を一気に昂らせる。

辰巳さやか(NEO JAPONISM)<ネオロティカ -ウチらいつでもロックバカ->Spotify O-WEST(2023年2月25日)
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辰巳さやか(NEO JAPONISM)<ネオロティカ -ウチらいつでもロックバカ->Spotify O-WEST(2023年2月25日)
福田みゆ(NEO JAPONISM)<ネオロティカ -ウチらいつでもロックバカ->Spotify O-WEST(2023年2月25日)
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福田みゆ(NEO JAPONISM)<ネオロティカ -ウチらいつでもロックバカ->Spotify O-WEST(2023年2月25日)

“ウチらいつでも、ロックバカー!!”

ニューロティカのキメ台詞をアレンジした、サブタイトルを挨拶代わりに5人が息ぴったりに叫ぶ。滝沢は胸の高鳴りを抑えきれない様子で、ステージ後方のドラムセット、ATSUSHIのピエロメイクをモチーフにしたバスドラムのヘッドを見ながら、“こういうの見て、「本物や!」ってなる”と興奮気味。話題は本公演を記念して、1週間前に滝沢が藤屋で1日店長を務めた話題へ。朝10時から夕方5時まで、一切の休憩なしだった労働環境を“すごいブラックやったけど、もう1回やりたい”とご満悦な表情で語る。閉店したあと“2人疲れきってお互い無言で。自分は値札書いて、その横であっちゃんさんがほうきとちりとりで掃除してるっていう。こういう疲れっていいなと思った”と、普段味わえない貴重な体験を振り返った。

さらに、NEOのファンだけでなく、ニューロティカのファンもたくさん来てくれたこと、アットホームな会場の雰囲気に“めちゃくちゃあったかい”と、感謝の意を述べた滝沢。そこから彼女が作詞作曲した「すすめ」を披露。飾らない言葉が小気味よいビートに合わせて軽快に躍るシンプルなメロディ。滝沢の実直な人間性をそのまま表していると同時に、ニューロティカや、関係者席から見守っていたロリータ18号といった、滝沢が影響を受けた80’s日本語ロックのルーツを存分に感じられる楽曲であることを改めて感じた。

NEO JAPONISM<ネオロティカ -ウチらいつでもロックバカ->Spotify O-WEST(2023年2月25日)
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NEO JAPONISM<ネオロティカ -ウチらいつでもロックバカ->Spotify O-WEST(2023年2月25日)

“BLUE BOYS, COLOR BOYS, DRINKIN’ BOYS!!!!!”

滝沢の雄叫びで始まったのは「DRINKIN’ BOYS」。言わずもがなニューロティカのカバーだ。辰巳によるオリジナルの振り付けで、原曲のコミカルさを軸にNEOらしさ、アイドルらしさで昇華。《ヤーヤヤ ヤーヤヤヤ》のコーラス、オーディエンスとの掛け合いもバッチリで、“これがやりたかった!”と嬉しそうな滝沢。NEOファンはもちろん、ニューロティカのファンも両手を挙げての大合唱。実は、滝沢が初めて触れたニューロティカ曲がこの「DRINKIN’ BOYS」であり、今回の共演にあたり、彼女自らカバーさせてほしいと打診したのである。ニューロティカ側が快諾してくれたことはもちろん、さらには楽曲データまで提供いただき、それを基にNEO JAPONISM用にリアレンジしたという本家公認のコラボアレンジオケによる「DRINKIN’ BOYS」ならぬ、「DRINKIN’ GIRLS」だった。

そんな、大きな夢を1つ叶えた滝沢が口を開いた。

子供の頃から(ニューロティカ)を聴いて育ってきた身としては、こうやってステージで共演させてもらって、みんなの前で歌わせてもらって。そんな夢みたいなことでも追いかけ続けたら、本当に叶ったりするんやなって思いました。これも応援してくださるみんなのおかげやし、ロティカのファンのみなさんもこうやって来てくださって、一緒に盛り上がってくださって。みんなで本当に、こうやって楽しいライブを作れてマジで夢みたいに楽しかったです、ありがとうございます”

大きな温かい拍手に包まれた。

“次の曲を今まで出会ったすべての方に、今日の日に感謝を込めて、みなさんに届けたいと思います。最高の日になりました。ラストの曲ではないんですが……っぽいですよね、っぽい、わかるわかる、ラストに向けて”

そうやって、フロアいっぱいに挙がった両手がクラップに変わる。滝沢の作詞作曲「幸せなんだ」を披露する。

滝沢の素のままの言葉が大きなメロディに乗る。普段は“闘う”を掲げながら他を圧倒するライブで攻めるNEO JAPONISMだが、この日ばかりは気合いを感じながらもどこか優しく笑顔に包まれたステージをくり広げていた。それは滝沢の喜びをNEOメンバーが、ニューロティカのメンバーが、そしてフロアのファンも優しく見守りながら楽しんでいたからに他ならない。ラストは「sky」。初期から歌ってきた名曲を優美に歌い上げ、5人はステージを去っていった。

NEO JAPONISM<ネオロティカ -ウチらいつでもロックバカ->Spotify O-WEST(2023年2月25日)
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NEO JAPONISM<ネオロティカ -ウチらいつでもロックバカ->Spotify O-WEST(2023年2月25日)

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