26時のマスカレイド衣装製作 宮本美優［インタビュー後編］とびきりの愛情と感謝を込めて手掛けたニジマス衣装への想い「積み重ねてきた歴史を何種類もの生地で表現してみました」26時のマスカレイド衣装製作 宮本美優インタビュー（後編）

編集協力：竹内伸一

サイズは変えていないんですよ

――いろいろなアイドルの衣装を作られてきた中で、ニジマスとは特に深い関わりがあったと思います。個人的に「トルマリン」の衣装が気になっているんですよ。

宮本：
これはデビュー時の衣装をリメイクしたんです。なので、文化服装学院の1つ上の代の先輩が作った衣装を、平松先生と一緒にリメイクしました。私は森さん（森みはる）と中村さん（中村果蓮）の衣装をおもに担当しました。

――そもそもなぜリメイクすることになったんですか？

宮本：
デビュー当時の衣装って肌見せの部分が多かったんですけど、メンバーも成長して、雰囲気が違ってしまう感じになっていたんです。でも、想い出の衣装だから、もう着ないというのも寂しいので、じゃあ布を増やしましょうということになりました（笑）。初期衣装は思い入れのある大切な衣装だと思うので、えじ（江嶋綾恵梨）の袖とか、特徴的な部分は残しつつ、その時の彼女たちに似合うものに変えていったんです。

――メンバーのみなさんも大人になって、デビュー当初の衣装をそのまま着ると、何だか違和感が出るんでしょうね。

宮本：
でも、サイズは変えていないんですよ。

――それはすごい。そういえば、江嶋さんは“「トルマリン」の衣装はエモい”という話をされていました。

宮本：
「トルマリン」はえじが作詞した曲なんですけど、歌詞を書いている時に“衣装のチェック柄って、名前があるの？”って聞かれたのを覚えています。

――そんな裏話もあるんですね。中村さんは後から加入しましたけど、加入前の衣装を着る時はどうするんですか？

宮本：
4着しかない衣装は改めて作りました。生地を追加で買ったりして作るんですけど、でももう手に入らない生地もあるので、残っている生地を頑張って縫い合わせたりもしました。本当はここに縫い目はないんだけど、よく見ると入っているみたいなことはありましたね（笑）。