アイドルかロックか ＼ヲタグルイ！／ 合間はノーサンキュー｜「偶像音楽 斯斯然然」第2回PassCode、BiSH、爆裂女子-BURSTGIRL-、xoxo(Kiss&Hug) Extreme、Buono!、ロック系アイドルを考える

Buono!って、いろんな意味でとんでもなかった

アイドルシーンではさまざまなロックを掲げるグループが増えている一方で、バンドシーンではガーリーなポップ感を全面に出している女性バンドが多いことも興味深いところ。彼女たちは“ガールズバンド”とも呼ばれているわけだが、女性バンドであればそれに当てはまるかといえばそういうわけでもなく、そこに括られることを嫌うバンドもいたりする。尤も、どこか男性社会だったロックシーンでは“男勝り”であることが求められたり、はたまた“ヘタウマがカワイイ”なんて言われたり。かつて80年代バンドブームでは多くみられた“ギャルバン”も、90年代には女性Vo＆男性メンバーという構成が流行になり激減。現在のようなガールズバンドのスタイルが一般化したのはここ十数年のことであり、それはアイドルブームとリンクしていたようにも思う。

SCANDAL「少女S」

バンドとアイドルで“バンドル”を掲げたZONEと、制服を着たロックバンドSCANDALの存在は、女の子が演る音楽、という可能性を大きく拡げた

アイドル、ガーリー、ポップス、ロック……とそれぞれの美味しさを内包しながら、ロックアイドルというよりも、“アイドルがロックをやる”という絶妙なバランスのスタイルを貫きながら、アイドルファンもロックファンも巻き込んだBuono!って、いろんな意味でとんでもなかったなと、あらためて思う今日この頃である。

Buono!「初恋サイダー（Live at 日本武道館 2016/8/25）」