NEO JAPONISM サウンドP・Saya［インタビュー前編］クリエイターとしてのアイデンティティ「加藤颯と松隈ケンタ、この2人がいなかったら今の自分はない」『偶像音楽 シン黒子列伝』第1回前編

颯くんのことスゲー好きなんだけど、けっこうケンカもするんですよ

ーー先日、加藤さんにお会いした時に“今度、Sayaさんにインタビュー取材するんです”と言ったら、“最初相場がわからなくて「1曲××円でお願いします」って言ってたんですよ”とおっしゃってました（笑）。

Saya：
そうそう、そうなんですよ！（笑）　その予算で寝る以外、制作してました。でも、この人おかしいから、相場とか教えないで暴走させておこうと思って（笑）。暴走させたらここまで来た感じです。まぁ、偉そうに言ってるけど俺も彼にたくさん助けられてるから。今は彼に頭上がらないです。

ーー完全に加藤颯という人間自体に惹かれたんですね。

Saya：
ちょっとおかしいヤツが好きなんですよ（笑）。俺、バンドマンで、ギタリストなんで。バンド組むならボーカルはおかしいヤツがいいじゃないですか。そんな感じです。まぁ、俺もおかしいから（笑）。“金じゃなくてバンバン曲作って面白いことやろう！　どうせ音楽やめるつもりだったし、やってこう！やってこう！”って。

ーーそういう始まりで、ここまで来たというのも運命ですね。

Saya：
颯くんのこと、スゲー好きなんだけど、けっこうケンカもするんですよ。年に4回くらい、1シーズンに1回はキレ合いしてますね。でも、それで縁が切れることはないし、安心してブチギレ合えるのかなって。2人とも、いいものを作りたい気持ちはもちろんなんだけど、メンバーのことを第一に考えられるんですよね。俺らがめちゃくちゃになって、メンバーの人生を狂わせるようなことになったらダメだろって。そんなこと言ったことはないけど、颯くんも絶対そう思ってるはず。そこが、ブチギレ合いながらもやれてるところ。理不尽なこと言われたこともあれば、逆に俺がめちゃくちゃ迷惑かけたこともいっぱいある。

ーー信頼し合っているからこそ、言い合える。

Saya：
だから、いいもの作るにもすり合わせが必要なんです。颯くんは言っちゃえば、めっちゃ相当ミーハーなんで（笑）。俺もミーハーなんですけど、俺がカッコいいと思うものと、颯くんがカッコいいと思うものの合わさる部分がめちゃくちゃ少ないんですよ。ただ、それが合わさった時に最高の曲ができる。

ーーSayaさんと加藤さん、話を聞けば聞くほどものすごくいい関係ですね。

“ここは俺が得意だけど、そこは颯くんの方が長けてるよな”っていう関係性。颯くんのことは信用してるから、外側の部分は全部任せてる。どういうお皿で届けるのか、どう盛り付けるのか。その代わり、中身の料理の質は任せろって。だから「バタチキ伝説」っていう変なタイトルでもいいし（笑）。

NEO JAPONISM 「LEGEND OF BATACHIKI 〜バタチキ伝説〜」（2020年）
作詞：syosyosyosyosyo
作曲：Saya, Hayato Yamamoto

ーーあの曲、いろんな意味で衝撃でした（笑）。タイトルの破壊力すごいですよね。

Saya：
「バタチキ伝説」って、俺がつけたデモの仮タイトルなんですよ。インドっぽい曲作って「バタチキ伝説」っていうタイトルつけて送って。あの曲、syosyosyosyosyo（ショーゴ）が詞を書いてちゃんとした英語のタイトルがあったんですけど、最終的に“「バタチキ伝説」で行きます！”って連絡が颯くんから来て“ええ〜!?”って（笑）。

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