ZONEからSCANDAL、Buono!にサイサイ……世界が羨む日本のアイドルとガールズバンドの共鳴｜「偶像音楽 斯斯然然」第69回

ガールズバンドとアイドルの親和性

前々回、超ときめき♡宣伝部のSILENT SIREN提供曲の話題でも触れたが、ガールズバンドとアイドルの親和性は高い。

超ときめき♡宣伝部「ラヴなのっ♡」Dance Practice

Whiteberry 「夏祭り（JITTERIN’JINNカバー）」、ZONE「secret base 〜君がくれたもの〜」、SILENT SIREN「八月の夜」（2016年）といったガールズバンドの楽曲は、現在に至るまでバンドのみならず、多くのアイドルライブで歌い継がれたりもしている。

アイドルとロックバンドの関係性は、かつて“楽器を持たない至高のロックバンド”を掲げたメロン記念日がBEAT CRUSADERS、ニューロティカ、ミドリ、THE COLLECTORS、GOING UNDER GROUNDらとコラボレーションをしたことで双方の距離をグッと縮め、同じくハロー！プロジェクトのBuono!が、ロックアイドルとしての地位を確立した。Buono!はDolceという女性メンバーによるバンドセットでのライブを展開していたわけだが、楽曲、サウンド、アレンジにおいてガールズバンド感があったかというと、少々違う。個人的にガールズバンドを大きく感じた曲は「初恋サイダー」なのだが、シングルバージョンのアコースティックギターが引っ張っていくアレンジではそう感じるものの、ミニアルバム『SHERBET』（2012年）のエレキギターが全面に出たアルバムバージョンでは、ガールズバンド味が感じられないから不思議だ。

Buono!「初恋サイダー」（2012年）

ガールズバンドっぽいサウンドやアレンジは確実に存在しており、それこそ以前触れたSILENT SIREN「女子校戦争」と、夢みるアドレセンスのKEYTALK首藤正勝提供曲「ファンタスティックパレード」の、同年代バンドによる“ハイテンポ、ダンサブル、オリエンタル”なギターロック解釈を比べてみると面白い。

SILENT SIREN「女子校戦争」（2015年）

夢みるアドレセンス「ファンタスティックパレード」（2016年）