BiSH、ヤナミュー、我儘ラキア…Pop’n’Roll編集長と語る「ギターがカッコいいアイドルソング2020」30選[後編]|「偶像音楽 斯斯然然」第47回

BiSH、ヤナミュー、我儘ラキア…Pop’n’Roll編集長と語る「ギターがカッコいいアイドルソング2020」30選[後編]|「偶像音楽 斯斯然然」第47回

BiSH、ヤナミュー、我儘ラキア…Pop’n’Roll編集長と語る「ギターがカッコいいアイドルソング2020」30選[後編]|「偶像音楽 斯斯然然」第47回「偶像音楽 斯斯然然」第47回後編

2021年1発目の当コラムのテーマは、「ギターがカッコいいアイドルソング2020」。昨日の前編に引き続き、後編となる本日もギター&音楽愛が溢れたちょっとマニアックな内容に。冬将軍と当サイト編集長の2人が、今ギタリストやバンドマンに聴いてもらいたいアイドル楽曲について徹底的に語り尽くす。

我儘ラキア「SURVIVE」(冬将軍セレクト)

冬将軍:
当コラム最多出場の我儘ラキアです。これはギターとかサウンド以前に、楽曲強度がすさまじい。そして歌っている本人たちも強すぎる。泣きメロとバンドが捲し立てる感じとラップ入ってくるところ……完全に隙がない。

鈴木:
それでちゃんと“アイドル”を名乗っているところが大きなポイント。

冬将軍:
そう、それ。2月のワンマンの時に、これはYouTubeに映像がありますけど、MIRIさんが“アイドルとかバンドとか関係ない”みたいなMCをしていて。言ってることはわかるんだけど、やっぱり応援してる身としてはちょっと悲しい気持ちもあって。そのあとMIRIさんにインタビューした時に、“ラキアはアイドルだって言い続ける”と言っていて、安心した節があって。この辺はコラムにも書きましたが。

冬将軍:
11月のワンマンも、そのあとの事務所イベント<FEST>もめちゃめちゃ良かったんです。そのイベントの時に星熊さんがMCで“アイドルが何かわからないけど、私はアイドルなんだ”って宣言したんですよ。なんかそれにえらく感動してしまって、その時のステージがめちゃめちゃ良かったのもあるんですけど、これは“星熊さんにご挨拶しなければいけない!”という謎の使命感に駆られて。お会いしたことなかったんです。それこそ、このコラムで“星熊南巫は清春だ”なんて好き勝手なこと書いてますし(笑)。それで、これまでラキアのライブはけっこう観てきましたけど、初めて特典会に参加したんですよ。“冬将軍と申します”“あ、存じ上げております”って、チェキ撮って(笑)。まぁ、そこで何を話したかはまったく覚えてないという……、完全にヲタクの感想なんですけど(笑)

鈴木:
いや、その感覚は大切ですよ(笑)。今のアイドルシーンを本当の意味で知る上で。

冬将軍:
アイドルに関わるライターとして、“最後尾札を持ってドキドキしながら待っている気持ちを忘れてしまっては、いい記事は書けない“と勝手に思ってますからね(小声)。それで家帰って興奮覚めやらぬまま、雑誌『ヘドバン』に“こんなヤバいアイドルいるんだけど、どうですか?”って、誰に頼まれたわけでもなく企画を編集長に送ったんです。実はこれまでも『ヘドバン』に何度も我儘ラキアの名前はコラムなどで密かに出していて、(中略)現在発売中の『ヘドバン Vol. 28』にてコラムを寄稿するに至ったという……、これ、完全に主旨のズレた私の暴走話になってますね(笑)。

鈴木:
熱量がしっかり伝わりました(笑)。

冬将軍:
だいぶ脱線しましたけど(笑)。この落ちサビからラストサビに流れるところなんて、超鳥肌モノで。星熊南巫というボーカリストの恐ろしさをまじまじと感じられる曲でもあります。

鈴木:
声の説得力が段違いですね。

冬将軍:
ゾクゾクします。そうだ、前編でメロコアの話がありましたけど、ラキアもニューアルバム『WAGAMAMARAKIA』でメロコア曲がありまして。Kuboty(ex.TOTALFAT)の曲なんですけど。彼らしくかなり弾きまくった西海岸系の曲ですが、ラキアが歌うとメロコアに聴こえないからすごい。

我儘ラキア - Letting Go | Guitar Playthrough by Kuboty

NightOwl「Feel Alive」(冬将軍セレクト)

冬将軍:
ラキアの妹分、NightOwl。バンドものとは一味違う、打ち込み系に合うギターサウンド&プレイだなって。

鈴木:
これワーミーですかね?

冬将軍:
いや、ゲルマニウムファズか何かで思いっきり潰して、スライドで弾いてるんじゃないかと思います。

鈴木:
なるほど。しかし、今回もちょっとマニアックなギター話をしていて、読者のみなさんが楽しく読めているのか心配になってきました(笑)。でも、ノーカットで載せるのですが。この曲は、ベースもカッコいいですね。

冬将軍:
エレクトロなんだけど、ロックのグルーヴを感じる曲で。このグループの躍動感と瞬発力の高さを表している曲だなって。

Devil ANTHEM.「歪んだ世界がリアリティ」(冬将軍セレクト)

冬将軍:
「ストレライド」はTHE MAD CAPSULE MARKETS「Flyhigh」だ、なんて話を以前しましたけど、これは同じくMADの中期、『MIX-ISM』『PARK』あたりの雰囲気がある曲だなって。サビにおける、キャッチーなフレーズをひたすらに重ねていく手法だったり。何よりギターがISHIG∀KIっぽい。6弦2フレット上でカンカンいわせながら、ハーモニクス気味の空ピックとかもう、たまらんのです。なんてったって、この頃のMADは完コピしていたので、私。

鈴木:
サウンドがクランチ系なので、ピッキングのニュアンスがよくわかります。その分アラが目立つから、演奏スキルが求められるんですよね。

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