BLACKNAZARENE 南向いずみ[インタビュー後編]躊躇いを捨てて歌う再生の詩「今のメンバーがいれば、これから何が起きても大丈夫」 BLACKNAZARENE 南向いずみインタビュー後編
鈴木 健也
Pop'n'Roll Editor in Chief(編集長)
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“THUG×kawaii”というコンセプトを体現するように、やんちゃで自由奔放な言動をしながらも、ライヴでは生歌にこだわり、音楽に対する強い想いを抱きながら活動を続けるBLACKNAZARENE。3月26日に恵比寿リキッドルームで開催予定だった2周年ワンマンライブ<奇祭2>が、新型コロナウイルスの影響により中止となり、現在活動が制限されている中、彼女たちは“再生”を宣言するかのように新曲「The beginning」のMVを公開。自身が手がけた同曲の歌詞とMV撮影の裏側、BLACKNAZARENEの現在、そしてこれからについて、南向いずみが赤裸々に語った。
編集協力:村田誠二
BLACKNAZARENEは止まりもせず、今まで以上に続いていくので、そういう気持ちを詞にしました
──新曲「The beginning」のMVが公開されますが、作詞は南向さんが担当しています。今回はどんなイメージで歌詞を書いたのですか?
南向:
3月26日の2周年の集大成ワンマンライブ<奇祭2>でやる予定の曲としてデモをいくつかもらっていたんです。ただ、2周年って、勝手に来るものじゃないですか。
──1つの通過点でしかないと。
南向:
それで自分の中では、2周年の集大成というより、そこから先の4人体制のことの方が比重が大きくなっていて。そういう心境の中で歌詞を書いていたら、“4人のスタート!”っていう感じになったので、メンバーに“2周年イベントのために書いてたんだけど、「リスタート」みたいな歌詞ができたから、みんながよかったらこの曲を(新体制の)最初の曲にしてもいい?”って聞いたら、みんなが“いいよ”って言ってくれたので、当初の予定の曲とは変わって、この曲が4人体制の第1弾になりました。
──未来に向けての希望が込められた内容ですよね。
南向:
そうですね。最初に仮の歌詞があって、それは歌い出しの“The beginning”の部分が“The Last Scene”だったんですね。その時点で、仮の歌詞が嫌で。そんな曲を作らねぇぞと思って。その歌詞をまる無視して作詞していたら、4人体制の曲になっていました。3月26日のワンマンはできなかったんですけど、BLACKNAZARENEは止まりもせず、今まで以上に続いていくので、そういう気持ちを詞にしました。
──MVは、いつ頃撮ったんですか?
南向:
3月です(笑)。
──夜の映像で、正直とても寒かったんじゃないかなと思ったんですが。
南向:
むちゃくちゃ寒かったです(笑)。現場に着いた時にはまだ明るくて、“3月とはいえ寒くないじゃん! 余裕~”って思って撮影してたんですけど、だんだん暗くなってきて、海辺で風もすごく強くて(笑)。しかもいろんな事情で、この曲のプロジェクトが動き出してあまり時間が経っていない状態だったので、振り入れもMV撮影の3日前だったりして、みんな完璧に覚え切れないまま、でもこの日に撮らないと3月26日に出せないってことで、もうやるしかないって。
──その方が集中力が高まるってこともあるじゃないですか。
南向:
そうなんです。みんな、極限の寒さに晒されて必死だったので、逆によいものが撮れたと思います。でも、最後に撮った映像を観ると、ずっと海風に晒されてたんだな~って顔してますよ(笑)。
──(笑)。最後の映像って、ラストの朝陽のシーン?
南向:
あのシーンは実は夕陽で、そこから録り始めたんです。で、いろんなシーンを撮って、真っ暗の海で波にあおられるシーンが最後です(笑)。早朝5時過ぎ。
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