第2回:EVERYDAYS 〜小出祐介&南波一海「小出は明日、昨日の南波と連載する」 〜 連載2回目はEVERYDAYSをきっかけに、若者の配信文化について、小出と南波が語り合う。
小出 祐介
南波 一海
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南波が小出のために選んだアイドル曲を聴いて、2人が気になっていることをフリートークする連載。今回は話題のあの映画や、若者の間で普通に行われている配信文化についてにまで話しが広がった。
南波:
今週はこの曲です。
【EVERYDAYS「ハロー!EVERYDAYS!」】
小出:
誰だろう。あヴぁんだんど?
南波:
たしかにあヴぁんだんどが歌っていても面白いかも。これは、EVERYDAYSというデビューしたばかりのグループのデビュー曲です。アソビシステムとライブ配信アプリ『17 Live(イチナナライブ)』がタッグを組んで生まれたユニットで、サウンドプロデュースはRAM RIDERです。
小出:
マジか。いかにもRAM RIDERって感じの音ではないけど、サウンド的にはみんなが好きな感じのやつですね。アイドルの曲はこういうのを照れずにやるっていうのが大事ですよね。
南波:
EVERYDAYSということで曜日担当があり、毎日メンバーの誰かが17 Liveを通して配信をしていると。このグループ、じつはメンバーに『カメラを止めるな!』の秋山ゆずきさんがいて。
小出:
出たっ! いま話題の! 僕も別でやってる映画の連載で観に行きましたけど、最高と言わざるを得ない作品でした。秋山さん、この映画でめっちゃ有名になるんじゃないですか?
南波:
大ヒットですもんね。グループ的には開始早々バランスが大変なことになっちゃうという。この曲はまだリリース前なんですけど、もしリリイベとかやったりしたらどうなるんだろう。
小出:
でも、突出して有名なメンバーがいるってグループもあったよね。篠崎愛さんのいたAeLL.とか。グラビア界ではすでにトップアイドルだったもんね。
南波:
たしかに。AeLL.好きだったなぁ。で、映画についてはほかに譲るとして、自分が気になったのは、若い人の配信についてなんです。そもそもなんで配信するんだろうという。Tik Tokとか。
小出:
配信文化ね。なにか忘れちゃったけど、生配信のアプリのナンパとか出会い系みたいなのがエグいっていうのは聞いた。あとカップルのイチャイチャ配信とかもあるんですよね。なんでそのプレイにつき合わされているんだ、そしてなんで課金をするんだっていう。
南波:
前回DTMネイティヴみたいな話が出ましたけど、いまの人の動画ネイティヴっぷりには驚きます。
小出:
我々の年齢感で言うと“自己顕示欲すごいな”とかすぐ思っちゃうけど、これもそれ以前のことなのかなと。
南波:
そうそう、自己顕示欲がどうという話でもないんですよ。もっと自然というか。
小出:
僕らの場合は最初にテレビがあって、YouTubeとかニコ動とかが後から入ってきたものだったけど、彼らからしたら動画文化が先にあったから、配信することも当たり前なんですよね。テレビに出ることだけが別にスペシャルではないというか。で、誰でも発信できるけど誰もがリテラシーがあるわけじゃないから……っていう。日本人のほとんどがマイルドヤンキーですからね。
南波:
極論(笑)。
小出:
いやー、結構東京にいるとわかんないだけなんじゃないかとも思うよ?
南波:
でも、TwitterとかInstagramを見てるとプロフィールに恋人のアカウント乗せたりしていますよね。“相方 @***”とか書いてあって。たしかに昔の感覚だとヤンキーっぽいなとは思います。アイドルをやっていた女の子でもプロフィールをそうしていて、一緒に仲良くしてる写真をアップしているのを何度か見かけたし、ごく普通のことなんだろうなと。インタビューをしていても、数年前だったら“YouTuberになりたい”みたいなことを言われたらハハハと笑っていたんですけど、まったく笑うようなことじゃなかったんですよね。自分が古いだけだったという。SNSとか動画を使って発信するのは普通のこと。それこそDTMじゃないですけど、みんな動画編集も早いし、ウマいし。
小出:
ウマいよね。間をカットしてテンポよくするのもよく勉強してるよね。
南波:
EVERYDAYSのメンバーも17 Liveをやっている人のみが参加できるオーディションから選ばれたみたいで。企画モノかもしれないけど、時代を感じさせるというか。
小出:
うん、めっちゃいまっぽい話だね。アプリ単位でオーディションが行われるっていう。インターネットがあって、サイトがあって、アプリっていうのは最近できた感覚だけど、いまはわりと並列になってる。こういうのが使えるかどうかはアイドルにとって大事なんでしょうね。
南波:
Twitterのフォロワーより17 Liveのフォロワーが多いメンバーもいるんですよ。それも面白いなと。
小出:
そうなんだ! Twitterは必ずしも世の中を映してる鏡ではないということだよね。あと母数としてデカいのはインスタ?
南波:
たしかにTwitterからInstagramに移行している人は多い印象がある。機能がどんどん複雑になってますよね。
小出:
ライヴ配信も、そのアーカイヴもできるようになって。
南波:
質問ができるようになって。
小出:
そうそう。もうストーリーズが質問の回答だらけですよ! 見てても質問の回答しか現れなくなっちゃった。
南波:
人はなぜ質問するのか。
小出:
そしてなぜ回答するのか。なんで質問するし答えるのよっていう。僕も一回だけ“質問ある?”ってスタンプを押したんだけど、あえてスクショにしたんですよ。見た目は“質問ある?”なんだけど、タップしても質問できない。
南波:
ひどい(笑)。
小出:
そしたら“なんで質問させてくれないんですか”って非難轟々で(笑)。
南波:
SHOWROOMとかもそうだけど、みんな画面越しに質問してるじゃないですか。質問して答えるっていうやりとりがいいんでしょうね。
小出:
いまの雰囲気なんだろうな。
南波:
というわけで今週はEVERYDAYSでした。
小出:
これ、簡単に小一時間くらい喋っちゃうなぁ。
南波:
僕らがやってるトークイベント『こんばんはプロジェクト』の文字版みたいな。
小出:
それをやるのがいいのかもしれないですね。