まなみのりさ[ライブレポート]13年の歴史と四季を巡りながらエモーショナルな情景を描いたホールワンマン
Pop'n'Roll 編集部
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まなみのりさが、12月13日(金)にヒューリックホール東京にてワンマンライブを開催した。本記事ではオフィシャルレポートをお届けする。
まなみのりさは、今年で結成13年目のキャリアを持つアイドルである。
結成10年目の2017年に前所属事務所との契約を終了し、それまでの持ち曲をすべて失った彼女たちは、現在の事務所に移籍。まさにゼロからのスタートとなったが、今年8月8日には渋谷duo MUSIC EXCHANGEを満員にし、移籍後初となるベストアルバム『breath』をリリースするまでとなった。
そんな彼女たちにとって今回のライブは、東京では自身最大の1,000人規模でのホールワンマンライブ。しかし、開演前のフロアはすでに空席が見当たらないほどの完全満員の状態であった。
開演が近づくにつれて会場の熱気は高まり、OPが流れ始めると歓声とともに熱量はさらに増す。ステージ上の巨大なLEDスクリーンには、ステージへ歩き始める本番前のメンバーの姿が映し出され、その背中を見届けるとステージに3人が登場し、ライブの幕が上がった。
1曲目から新曲となる「君の心」を初披露。幻想的な光に包まれた3人は、見事な3声のコーラスワークで一気にまなみのりさの世界観へ観客を誘う。
2曲目に入る間奏では、全曲の振り付けを担当するまなみによる、しなやかさと強さを出しながらも、儚さをも感じさせるようなコンテンポラリーダンスを披露。3人は、アイドルとしての枠を超え、美しく魅せた。
「花びら」「相合傘」と、現在のまなみのりさを象徴する新曲たちで、フロアが一言も発せないほどの圧巻のステージを構築した。
MCにて、今回のライブが四季を感じる演出になっていることが明かされ、春の幻想的な空気から熱く、激しい夏のステージへと変化していった。
夏の場面では、ライブ定番曲の1つである「waveびーと」で観客のボルテージも一気に上がり、熱い盛り上がりを見せた。
ライブ中盤、冬のクリスマスをイメージさせるSEが流れ、ポジティブな歌詞で人気な「LUCK SONG」のイントロが始まると、サンタの衣装を着たメンバーが客席に飛び込んだ。しかし、メンバーのりさだけ、恐竜の衣装が用意されており、フロアは笑いで溢れた。このようなライブ中の脱力感も彼女らの持ち味の1つだ。
ライブ終盤では新曲「黄昏とは」をアクト。3人の力強く、エモーショナルな歌声は、アイドルとしての苦悩や挫折などを経た13年の歴史を感じさせた。
最後に披露されたのは「かかとを鳴らして」。マイクスタンド2本のみを使用する変則的なフォーメーションで歌われるこの曲は、ベストアルバム『breath』の中でも最も挑戦的な1曲である。
すべての曲が終わると、スクリーンには雪山や草花が映し出され、険しい冬を乗り越えた先には必ず春が来るという想いを伝える幻想的な映像で、この記念すべきワンマンライブの幕を降ろした。
なお、終演後には、東京・広島のクアトロ2デイズ公演が発表された。
勢いを止めることなく、謙虚に、そして全力に、ファンとともに走り続けることを表明したまなみのりさの3人からこれからも目が離せない。