第10回:EMPiREとGANG PARADE〜小出祐介&南波一海「小出は明日、昨日の南波と連載する」〜

第10回:EMPiREとGANG PARADE〜小出祐介&南波一海「小出は明日、昨日の南波と連載する」〜 SCRAMBLESが作り出すサウンドの考察から、南波の衝撃告白へトークは急展開をみせる……

小出 祐介

南波 一海

2018.10.27
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南波が小出のために選んだアイドル曲を聴いて、2人が気になっていることをフリートークする連載。今回はEMPiREとGANG PARADEの楽曲からSCRAMBLESが作り出すサウンドを考察。後半には南波の衝撃告白もあり、いつにも増して振り幅高め。

小出:
今回はインタビュー砂漠の話をします?

南波:
なんでもう1回掘り返すの(笑)。

小出:
砂漠ってつらいからさ。砂漠の話はいくらでもできるよ。

南波:
もう曲かけますよ。今週は2曲まとめていきたいと思います。

【EMPiRE「EMPiRE originals」】

小出:
え、何語?

南波:
日本語、日本語。

小出:
デンマークとか北欧のロックみたいに聴こえる。

南波:
WACKのグループEMPiREの曲です。

小出:
ああ、たしかに松隈(ケンタ)さんらしいメロディだ。

南波:
BiS時代からこういう響き重視で日本語にハメた曲をやっていて。

小出:
本当に響き優先だね(笑)。なんて言ってるの? “帝国からの祈りです”って言ってるんだ、EMPiREだから。すごいな。

南波:
SCRAMBLES以外では聴けないタイプの変わった曲だなと思って。この流れでWACK~SCRAMBLESワークスからもう1曲。

【GANG PARADE「CAN'T STOP」】

南波:
こっちはGANG PARADEの新曲です。

小出:
なるほどね。このチームは、まずはオケがいいからどういうメロディが来ても大丈夫っていうのがあると思う。この曲で言ったら、ギター中心のバンドサウンドで、ここまで聴きやすいオケを作れているっていうのはノウハウがあるんだろうなぁ。ここ数年、ロックテイストのアイドルって増えているじゃないですか。去年、アイドルソングの年間ベストを考えるためにおさらいしてたときに、ラウドな感じのロックとかデジタルっぽいサウンドのロックの人たちって、なんでこんなに多いんだろうって思って。そういうイントロが始まった瞬間に飛ばしちゃうこともけっこうあって(笑)。

南波:
“あ、これは好みじゃないな”っていうのはすぐにわかりますよね。

小出:
そのあとなにが起きるか大体わかるからスキップしちゃうんだけど、やっぱりこのチームにはスキルも美学もある気がするというか。ギターでおいしいメロとかリフを組み立てるのが本当にウマいですよね。バンドでもこんなにいいオケを作れる人はあんまりいないと思うよ、いま。

南波:
トラック作りに関しては本当に円熟味を増していて。それこそ昔は町の小さなリハスタでマイク立てて録ったりしていたのが、いまではどれを聴いてもめちゃくちゃ立派なサウンドになっているのがシンプルにすごいなと。昔の、BiSの「My Ixxx」の音とかもそれはそれで好きなんですけどね。

小出:
ギターの使い方がウマい。ギターはただでさえピッチを安定させにくいし、間を埋めがちな楽器なので、そこにさらにシンセを混ぜたりすると、ごちゃっとなっちゃうし、そうなってる人っていくらでもいるわけ。

南波:
わかる。自分はアイドルソングならなんでも聴くと思われがちなんですけど、正直、ロック系は苦手なのがほとんどで。録りからしてつらいものもけっこう多い。

小出:
でも、この曲はシンセの存在感もギターの存在感も棲み分けが考えられているし、オケのピッチ感がいい。そもそもギターがウマいですね。派手なことはやってないけど、この曲のアルペジオだって下手な人が弾いたらいくらでも台無しになるフレーズだもん。ほかの激しめなギターサウンドのところを聴いてて思うのは、まずはギターがウマくないことが多い。その上で、ギターの中高域とシンセがごちゃごちゃになっていて、さらにシンバルとかも乗ってきて、全体がぐしゃっとなってしまう。ラウドというよりも、ただうるさいだけと感じてしまう。

南波:
リズムとかピッチが気になることも多いけど、定位とか音域の問題もある。

小出:
めっちゃある。そういう意味で、松隈さんのは近年になればなるほど棲み分けがどんどんウマくなっていて。昔は歌ももっと奥にいってたよね。BiSとか。

南波:
初期のBiSなんかは本当に引っ込んでましたよね。

小出:
EMPiREのストリングスはかなり前に出てるけど、やっぱりちゃんと歌を聴かせてるし、定位の棲み分けもすごくいい。GANG PARADEのこの曲もタイトで聴きやすい。

南波:
SCRAMBLESはスクールもやっていて、才能ある作曲家とかプレイヤーはフックアップされていくんですよね。

小出:
それもすごいな。いろんな人が関わっても最終的にこうやって仕上がるっていうのはすごいシステムだと思う。

南波:
agehaspringsみたいに、あそこに頼んだらよい仕上がりになるだろうという信頼のブランドになりつつありますよね。

小出:
もうちょっとでagehaspringsだ。プロデュースをお願いするバンドマンとかがいてもいいのかもしれない。

南波:
たしかにそれは面白そう。

小出:
ギターの録りとかウマそう。

南波:
WACKもの以外だと、スターダストとかジャニーズに曲提供をしたりして広がっているけれど、普通にバンドをがっつりプロデュースする可能性もあるのかな。間違いなくウマいだろうし。

小出:
“そんなギターは我慢できない!”って乗っ取られちゃうかもしれないよね(笑)。

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