欅坂46[ライブレポート]初の東京ドーム2デイズで描き切った圧巻の光景

欅坂46[ライブレポート]初の東京ドーム2デイズで描き切った圧巻の光景 欅坂46<全国アリーナTOUR 2019>|東京ドーム(2019年9月18日、19日)ライブレポート

Pop'n'Roll 編集部

Pop'n'Roll 編集部

2019.09.20
  • ポスト
  • シェア
  • ブックマーク

欅坂46が、9月18日、19日の2日間にわたって東京ドームでのワンマンライブを開催した。

欅坂46<全国アリーナTOUR 2019>|東京ドーム(2019年9月18日、19日)

撮影:上山陽介

全国4都市で開催された<夏の全国アリーナツアー2019>全公演完売を受けて追加公演として行われた本公演。デビュー4年目で挑んだ大舞台で彼女たちは、ドームならではの仕掛けやこれまでの集大成とも言える熱のこもったパフォーマンスで、集まった10万人の観客を楽しませた。

使われなくなったジェットコースターの破片やいくつもの車が無造作に積まれたメインステージに最初に登場したのは、怪我のためツアーへの参加は一部楽曲のみとなっていた平手友梨奈。歓声が広がると同時に彼女が歩き出すと、道端の電飾に明かりがつき始める。一挙一動を見逃すまいと観客が見守る中、平手はステージ上段に置かれたピアノの前へ。彼女が1音を鳴らしたのを合図に「OVERTURE」がドームいっぱいに鳴り響き、5万人の大合唱とともにライブの幕が上がった。

欅坂46<全国アリーナTOUR 2019>|東京ドーム(2019年9月18日、19日)

真っ赤な衣装に身を包んだメンバーがステージ上段にゆっくりとせり上がってくると、1曲目「ガラスを割れ!」がスタート。炎が吹き上がる中、グループ屈指のロックチューンで序盤から場内の熱気を急上昇させる。

気迫のこもったダンストラックを挟み、レーザービームが飛び交う「語るなら未来を・・・」をクールに披露したあとは、スクリーンに表示されるさまざまな交通標識とシンクロしたダンストラックのパフォーマンスで観客を引き付けていく。

朝、目覚めてから学校や会社へ行き、帰宅するまでのありふれた日常のルーティンをダンスで描き出していた彼女たちだが、時計の針が24時を指すと、メインステージから伸びる花道へと一斉に駆け出した。そのまま十字に広がった花道で「Student Dance」を歌い出すと、場内に怪しげなムードが満ちていく。スクリーンには平手が手にしたスマートフォン越しに見えるステージや客席の様子がリアルタイムで映し出され、花道の中心に設置されたセンターステージではメンバーを包囲するように噴水が高く上がり、楽曲の世界を彩った。

欅坂46<全国アリーナTOUR 2019>|東京ドーム(2019年9月18日、19日)
欅坂46<全国アリーナTOUR 2019>|東京ドーム(2019年9月18日、19日)

続くダンストラックでは平手がソロで登場し、ピアノの上で軽やかに跳ねたり寝そべったりと繊細な表現を紡いでいく。鍵盤を踏みつける強烈なラストから「エキセントリック」につなげると、メンバーは曲中にメインステージからセンターステージへと一瞬で移動するパフォーマンスで観客を驚かせた。

MCではキャプテンの菅井友香が“ついにツアーも千秋楽、欅坂46が東京ドームにやってまいりましたー。本当にありがとうございます! こうしてみなさんの姿を見させていただくと、これだけの人がライブを観たいと思ってくれてるんだなと、今実感して本当にありがとうございます”とドーム公演開催の喜びとファンへの感謝を述べた。

続いて佐藤詩織は“昨日待ちに待った東京ドームに立って改めて実感しています。おみたて会から始まってこうしていると感慨深くて、恵まれているなと感じました”、副キャプテンの守屋茜は“本当にこうした場所に立てるなんて感無量ですし、「ガラスを割れ」の時の目の前が真っ赤な感じを見て、初めて実感が湧いてきて本当にありがたいです”とそれぞれの想いを述べた。

二期生のメンバーも、田村保乃は“全部出し切るので、観てくださると嬉しいです”、森田ひかるは“(欅坂46のメンバーとなって)1年経って東京ドームでライブができるなんてすごいこと。一生忘れられないことだと思うので、みなさんと思い出を作って楽しめたらと思ってます”、山﨑天は“サイマジョを見てからこうなりたいと思ったけど、今は入った後の方が欅が好きです”、松田里奈は“たくさんいろんなことを経験させてもらってます。応援してくださるみなさん、一期生、スタッフさんのおかげですけど、まだまだ未熟なので、みなさんのお力を借りるかと思いますが、よろしくお願いします!”と想いや意気込みを語った。

疾走感たっぷりの爽やかなナンバー「世界には愛しかない」では、歌詞にも登場する歩道橋のセットが舞台に現れる。白を基調とした楽曲のオリジナル衣装に身を包んだ彼女たちは、MVで披露した傘を使ったダンスを再現してファンを喜ばせた。

ユニット曲「青空が違う」では菅井と渡辺梨加、守屋茜、渡邉理佐がそれぞれ気球に乗り込み、観客の近くへ。コールを煽ったり手を振りながらスタンドを1周した彼女たちは、“ありがとう!”と笑顔を弾けさせた。

欅坂46<全国アリーナTOUR 2019>|東京ドーム(2019年9月18日、19日)
欅坂46<全国アリーナTOUR 2019>|東京ドーム(2019年9月18日、19日)

続く「バレエと少年」では、学業のため休業し、7月にグループに復帰したばかりの原田葵を中心にファンタジックなステージングで観客を魅了。

スクリーンいっぱいに青空が映し出された「制服と太陽」では、スカートをはためかせて穏やかな歌声を届けた。

イントロから会場が色めき立ったのは「二人セゾン」。微笑みながら花道を颯爽と歩く彼女たちに大きな歓声が上がり、平手のしなやかなソロダンスに会場中が沸いた。

噴水に包まれた幻想的なセンターステージでは「キミガイナイ」が切なく歌い上げられ、ファンは欅坂の多彩な表現を楽しんだ。

欅坂46<全国アリーナTOUR 2019>|東京ドーム(2019年9月18日、19日)

水滴の落ちる音とともに、メインステージのスクリーンには巨大な森が浮かび上がった。メンバーがおもむろに舞台上に座りこむと、「もう森へ帰ろうか?」が流れ始める。スモークが焚かれる中、無機質な表情で一糸乱れぬダンスをくり広げる彼女たち。客席のコールは自然と止まり、会場中が楽曲の世界に没頭するかのようにシリアスなムードに包まれた。

「僕たちの戦争」で再び観客のテンションをぐっと高めると、「結局、じゃあねしか言えない」では自転車に乗ってアリーナの客席間を疾走し、温かな空気を生み出す。

欅坂46<全国アリーナTOUR 2019>|東京ドーム(2019年9月18日、19日)

MCコーナーには、再び二期生が登場。武元唯衣が自分たちにとって欅坂46はどういう存在かと投げかけ、関有美子は“欅の儚さがすごい好きで、強い曲ももちろん背中を押してくれる曲もあるなって思います。「二人セゾン」が1番好きです”。

続いて松平璃子は、“今回のツアーで「エキセントリック」に出させてもらって変わり者でもと前向きな言葉があって、その言葉に勇気をもらったり元気付けられたりしてます”

井上梨名は“メッセージ性が強くて支えてくれる。パフォーマンスも組み合わさって大好きなグループです”

最後に武元は“「世界には愛しかない」が好きになったきっかけの曲です。すごい前向きになれて、聴きながら背中を押されて毎日学校に行ってました”と、それぞれ欅坂46愛を語り、最後に加入して1年が経った心境を武元は“この1年だけでも少しは成長できたかなと思います! 何よりみなさん、スタッフの方、一期生の方が支えてくれました。二期生は前まではすぐ不安になって泣いたりもしていたけど、ネガティブなことだけじゃなくて、前向きな気持ちで活動できています。チーム欅坂の力になれるようにこれからも頑張っていきます。よろしくお願いします!”と意気込んだ。

スクラップ工場のさまざまな破片が落ちていく映像がスクリーンに映し出されると、ライブも後半戦へ。緑色の照明が場内を照らし、重厚感のある新制服に着替えたメンバーは、デビュー曲「サイレントマジョリティー」を披露する。5万人のファンを前に力強く前を見据えて踊る彼女たちに、客席から盛大なコールが送られた。

直後ステージが暗転すると、落雷の音とともに「避雷針」へ。さらに早着替えから「アンビバレント」を畳みかけると、バルーンが客席を飛び交う中、コール&レスポンスで会場を1つにまとめ上げていく。

その後も間髪入れずに「風に吹かれても」を投下し、ラストスパートをかけていくメンバー。

アッパーなキラーチューン「危なっかしい計画」では、小林由依が“もっと声出せるだろ!? 私たちも全力で楽しむから、お前らもついてこいよ!”と不敵な笑顔を見せ、それに応えるように観客がドームを揺らした。

本編最後に届けられたのは「太陽は見上げる人を選ばない」。巨大なミラーボールが場内に光の粒を降らせる中、盛大なシンガロングが響き渡った。菅井が“欅坂46で本当に良かったと思ってます。また全員でここに戻って来たいと思います。私たちに期待しててください”と真摯に想いを伝え、メンバーはステージをあとにした。

欅坂46<全国アリーナTOUR 2019>|東京ドーム(2019年9月18日、19日)

次ページ