【連載】寺嶋由芙「ウチにしかできない警備をして、次の世代が目指せる会社にしたい」|BONDS(後編) 「寺嶋由芙の推しごと訪問記」第4回:株式会社BONDSグループ編(後編)
寺嶋 由芙
Pop'n'Roll Chief Idol Officer
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「寺嶋由芙の推しごと訪問記」株式会社BONDSグループ編の後編は、寺嶋由芙がBONDの隊員に必要なことや<TOKYO IDOL FESTIVAL>での想い出、さらに同社の今後の展望について迫った。BONDSと言えば、どうしてもその屈強な見た目に注目が集まりがち。しかし、この寺嶋由芙と隊員たちのインタビューを読めば、彼らがアーティストとファンが心から楽しめる空間を作るために“裏方”として全力で仕事に取り組んでいること、また警備活動に対する志の高さを感じ取ってもらえるだろう。
何も起きないことが1番の成功(小松)
寺嶋:
私はゆるキャラが好きなんですけど、ゆるキャラが出るようなイベントの警備をしたことはありますか? 子どもが多い現場の警備は大変ですか?
中村:
ゆるキャラのイベントの警備はやったことがないですが、幼稚園のイベントや、盆踊りの警備はやりました。
伊勢野:
お子さんが多い現場は面白いですよ。僕らが警備についていると、子どもたちは必ず反応しますから。“ねえ、パパ、あの人は何?”って(笑)。その時にお父さんが“あの人はセキュリティだよ”って説明していたことがあったんです。“警備員”ではなく“セキュリティ”だと言ってくれたんですよ。僕らがやってきたことが認められたような気がして、嬉しかったですね。僕はBONDSの仕事を、子どもたちがなりたいと思えるものにしたいんですよね。
寺嶋:
BONDSの隊員さんってカッコいいですもんね。子どもたちも憧れる仕事だと思います! では、どんな人ならばBONDSさんに入れますか?
小松:
やる気があれば大丈夫です!
寺嶋:
なんだかアイドルと一緒ですね(笑)。アイドルもやる気があればなれます(笑)。
中村:
そうなんですね(笑)。BONDSも、まずはやる気。実は、体格はあまり関係ないんです。
寺嶋:
格闘技やスポーツの経験はどうですか?
中村:
それも関係ないです。
小松:
格闘技やスポーツの経験も、ほかの警備会社での就労経験も、実は必要ないんです。BONDSの仕事というのは特殊なので、イチから覚えてもらわないとできないんですよ。ほかの警備会社で働いた経験があるからといっても、すぐにウチの現場に出られるわけじゃない。ウチの講習やセミナーをちゃんと受けてもらった上で、ある程度できるようになったと判断されてようやく現場に立てるんで、そういう意味で、やる気が大切。
寺嶋:
研修でBONDSイズムを教えていただけるわけですね。なるほど。では、アイドルイベントの警備をやっていて、印象的だったエピソードはありますか?
伊勢野:
<TIF>に関していえば、“暑くて大変でしょう?”って、いろいろな方が気を遣ってくださるってことですかね(笑)。
小松:
自分自身は、印象的なことってないかも。先ほども話に出ましたけど、先入観を持たないようにやっているんで、どの現場だからということはないんですよね。何かを気にしてしまうと、そこばかりに注意が向いちゃうんです。同様に、アイドルに興味を持ちすぎないようにも心がけています。例えば、好きなアイドルがいて、その会場の警備を担当したら、絶対ステージばかりを観ちゃいますから(笑)。それから印象的なエピソードとは違うかもしれないですけど、<TIF>はお客さまのバイタリティがすごいなと感心しますね。熱量がすごいです。その熱量をほかのことに向けたら、彼らはものすごいことをやりそうな気がします。
寺嶋:
私も、悪い意味ではなく、本当にそう思います。あの熱量とバイタリティがあれば、きっとどんなことだってできるはずって。
中村:
それと、統制が取れていますよね。どこのグループのお客さまがとか、どの会場がというのではないですけど、みなさん、一体になっているというか。
寺嶋:
ホント熱量がありますよね。今後も、<TIF>をはじめ、いろいろなアイドルイベントでお世話になると思うんですけど、アイドルイベントのセキュリティを担当するにあたって、どんな現場にしていきたいと思いますか?
小松:
お客さまが暴れすぎちゃって、ライヴが止まってしまう、もしくは暴れすぎてしまって、お客さまが会場から出されてしまう。それってお客さまにとっても出演者にとっても良いことではないですよね。まずは、そういうことが起きないようにしたいです。私たちからすると、何も起きないことが1番の成功なんです。なので、そこを目指したい。トラブルがなくて、お客さまが楽しかった、また来たいと思ってもらえるようにしたいですね。まずは、私たちの存在が抑止力になって、トラブルが起こらない現場にすること。それが、私たちのミッションだと思います。そうなれば、寺嶋さんのような演者の方も、気持ちよくライヴができるでしょうし。
中村:
お客さまとちゃんとコミュニケーションを取ることで、私たちの要望と、お客さまの要望がウマくまとまるようなイベントにすることですよね。今はまだ、“あ、BONDSが来た!”みたいに思われているところもあるんです。それだと、お客さまもこっちに意識が向いてしまって、イベントを楽しめないですよね。実際、ステージよりも私たちの方を観ているお客さまもいたりするんですよ(笑)。それはよろしくないですよね。主役は演者さんであり、お客さまなので、自分たちが目立たないようになることが1番。それはつまり、トラブルがないイベントだということなんだと思います。