第8回:アイドルファンとの対談vol.2|二丁目の魁カミングアウト ミキティー本物の「本物のアイドル論」 ミキティー本物とアイドルファンとの特別対談vol.2
ミキティー本物(二丁目の魁カミングアウト)
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アイドル界のさまざまなトピックを、唯一無二のゲイアイドルだからこその視点で斬り込む連載コラム(隔週土曜日掲載)。前回に引き続き、今回もミキティー本物とアイドルファンとの対談を実施。アイドルファン相手だからこそ飛び出す赤裸々な質問に、ミキティー本物が本音で答えていく。
歌詞の1文字1文字生きているような表現をする
アイドルファンB:
まずはモチベーションの保ち方について聞きたいです。例えば、ライブで同じ曲を何回もやっていると思うんですけど、どうやってモチベーションをキープしつつパフォーマンスをしているのかなと思って。二丁魁さんは、特に古くからの曲を大切にしているイメージがあります。
ミキティー本物:
モチベーションってあまり考えたことないかも。「耳をすませば」や「まるもうけ」は対バンとかでもよく歌うから、多分、何百回とやってるんだけど、その日のコンディションとかによってまったく感覚が違うの。だから、例え3日連続で、その曲をやってたとしても、ほかの人から言われないと3日連続でパフォーマンスしていたことに気づかないかも。観てる側もそうじゃないかな?
アイドルファンB:
確かにそうですね。
ミキティー本物:
同じ歌詞を歌っても、毎回気持ちが違うの。そもそも見えている景色や、ライブを観ている人の聴き方、応援の仕方や楽しみ方、盛り上がり方が毎回違うから、同じ感じがしないんだよね。
アイドルファンB:
アイドルごとに、ライブで毎回やる定番曲ってあるじゃないですか。それを毎回聴いていると、正直飽きちゃうんです。でも、二丁魁の曲は何百回聴いても飽きないからすごいなって思います。
ミキティー本物:
ほかのアイドルグループは、曲や歌詞、振り付けを作る人が別にいて、それを渡されてパフォーマンスすることがほとんどだと思うの。だから3日連続で同じ曲をライブで披露したりすると、見え方が一緒になっちゃうこともあったりするのかなって思う。私たちの場合は、曲や歌詞、振り付けを自分たちで作っているから、表現の方法を誰かに強制されることなく自分たちで表現していて、歌詞の1文字1文字生きているような表現をすることを大切にしてる。そこがほかのアイドルグループと違うなって自分たちでも思ってる。自分たちに嘘もつけないから、日によっては“今日はこっちの曲の方が良いな”って感じる時もあったりして、セトリを変更できる時は急遽変更したりもする。
アイドルファンB:
“今日はこの曲できない”って感じて、セトリを変えることはありますか?
ミキティー本物:
今はもうないけど、例えば「まるもうけ」を歌う時に、昔は嫌なことがあったりすると明るい曲調だから笑顔で歌えないと思ったりとか、そういう時にはしっとりとした曲とか、もっと自分の気持ちを吐けるような曲にしたこともあったなぁ~。
アイドルファンB:
なるほど。
ミキティー本物:
でも、今は自分の気持ちや気分に選曲が左右されることはなくなったの。「まるもうけ」の歌詞には楽しさだけじゃなく、その中に儚さもあって。だから、自分に何か儚いことや切ないことがあった時は、笑顔で歌ってるけど、儚い歌詞の部分により気持ちを込めて歌えるようになってきたかな。反対に、自分が希望に満ちている日は、切ない曲でも希望を込めて歌ったりするようにしていて。だから、私たちのライブは何回観ても楽しいんじゃないかな。
アイドルファンB:
楽しいです!
ライブでは絶対に自分たちに嘘をつかない
キティー本物:
私たちは、ライブをやる時は絶対に自分たちに嘘をつかないようにしようって決めてるの。毎日同じ気持ちになるなんてことはないから、ライブ前の円陣では、毎回絶対違う言葉をかけているの。だから、毎回違ったライブになるんです。
アイドルファンB::
私たちファンも、毎回メンバーみんなのことを気にしてライブを観てますよ。
ミキティー本物:
やっぱりおなカマ(二丁目の魁カミングアウトのファンの総称)も同じことを考えてるんだね。ライブはファンと一緒に作り上げているものだから、どんなに大きい会場でライブをするようになっても、私は1人ひとりのファンのことを気にする人でありたいと思ってる。
アイドルファンB:
よかった。ありがとうございます。最近では、メンバーみんながSNSにも力を入れていますが、ライブではなくて、SNSで発信したことで有名になったとしたらどうしますか?
ミキティー本物:
うわぁ~! それって考えたことなかったなぁ~。でも、実は今までそれを恐れてライブ以外での発信を抑えてたの。やっぱりライブを観たりCDを聴いてほしいし、それ以外のことにも力を注いでしまってメンバーの中の1人だけが有名になってしまったりするのが嫌だったから。でも、最近SNSやほかのことも広げていくようになったのは、メンバーがそれぞれのことをやってどこかで有名になったとしても、そこから二丁魁まで引っ張ってこられるパワーがあるって信頼が置けるようになったからなの。
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