【連載】沖口優奈×『GoodMorning』代表取締役社長(後編)「自分にも何かできるかなと考えてもらえるような場に育てていきたい」 マジカル・パンチライン 沖口優奈「ここの責任者、出してください❤️」第5回:『GoodMorning』代表取締役社長・酒向萌実(後編)
沖口 優奈(マジカル・パンチライン)
Pop'n'Roll Chief Discovery Officer
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マジカル・パンチラインのリーダー沖口優奈と『GoodMorning』代表取締役社長の酒向萌実さんによるリーダー対談の後編。今回は、酒向さんがリーダーとして気をつけていることやストレス発散法、また『GoodMorning』が目指していることなどに、沖口が迫った。今回、酒向さんが語った言葉の数々に感銘を受け続けた沖口。初対面にも関わらず意気投合した2人の対談は、温かい人柄でチームを引っ張る両者のキャラクターが表れたピースフルなものとなった。
マジカル・パンチライン 沖口優奈「ここの責任者、出してください❤️」第5回:『GoodMorning』代表取締役社長・酒向萌実(後編)
できないことを正直に言えば、みんなが助けてくれます(酒向)
沖口:
酒向さんが、リーダーとして心がけていることはありますか?
酒向:
なんだろう……わからないことをわからないと言うことかな(笑)。でも、それが大事だと思うんですよね。私はまだ社会人経験が4年なので、自分よりも経験がある人も、もちろんいるわけです。1つの業務に関して、自分よりもできる人が社内には必ずいるはずで、そういう方々は、私がぶつかっている壁なんて、とっくに乗り越えているんですよ。だから、わからない、できないと思ったら、リーダーだから全部自分でやらなくちゃみたいなことは考えずに、まずは、誰かに聞いてみることにしています。
沖口:
リーダーだからって自分で全部やろうとしなくてもいいんですね。このリーダー対談をやっていて、こんなに心に刺さる言葉は初めてです! 私、これから頑張っていけそうです!
酒向:
できないことってめっちゃありません? 私、本当にたくさんあって、例えば、Slackというツールを使って、社内では連絡を取り合うんですけど、毎日、“どうしよう、これができなくて死にそう”って送っています(笑)。そうすると、みんなが“死なせるわけにはいかない”って手伝ってくれて。タスク管理ができないとか、社会人だったら当たり前にできそうなことでも“できない”って正直に言えば、みんなが助けてくれます。本当にありがたいなと思っていますね。助けてくれる仲間は、大事にしないといけないですね。
沖口:
めちゃめちゃ素敵な会社ですね! でも、助けてもらえるようになるには、信頼関係が大事だと思うんです。信頼関係の築き方は、どうしていますか?
酒向:
自分が大切にしていることって、ほかの人には見えないし、それぞれ違いますよね。だから、相手のことはわからないし、基本的には違うんだという前提で話をしようということは、チーム内で共有しています。“みんなもこう思っているはずだ”という勝手な期待はしないようにすることが大事だと思いますね。私はすごく仕事が好きで、ずっと仕事をしていたいんですよ。でも、みんなはそうじゃないかもしれない。ある人にとっては仕事よりも、定時に帰って、家でご飯を作ることが大事なことかもしれない。そういう生活と仕事の細かなバランスも、自分の当たり前とほかの人の当たり前は同じではないんですよね。私は、そういう風に考えていますということは、めっちゃ言うようにしていますよ。“私は仕事がめっちゃ好きですけど、仕事がそれほど好きじゃない人もいると思っています”って私が言うことで、“私は違います”って言いやすい環境になればいいなと。
沖口:
すっごく勉強になります! 私も、自分と相手は違うんだということをちゃんと意識していきたいと思います。メンバー同士で価値観が違うことで、勝手にがっかりしちゃって、ウマくいかなくなることってありがちじゃないですか。でも、違って当然なんですよね。
酒向:
そうですよね。勝手に期待するのはよくないなと思います。“私はこう思っています”としか言わないようにしています。
沖口:
“あなたは違うかもしれないけど”ってことですよね。
酒向:
そうなんです。主語は自分だけにしようと思って。“うちのチームはこうだよね”って言うのは、よくないなと。これは代表になって気づいたことかもしれないですね。やっぱり、ウマくいかないこともたくさんあったので。“そんなに働きたいのはお前だけや!”って言われたことが何度もありました(笑)。
沖口:
もし、クラウドファンディングを酒向さん自身がやるとしたら、どんな企画を立ち上げますか?
酒向:
何がしたいかなあ……めっちゃ難しい質問(笑)。私、保健室が欲しいんですよ。中学生の時、私は保健室登校だったんです。授業に出ていなくて、保健室に通っていました。保健室って、生徒の憩いの場だったし、保健室の先生は、私が相談したことを誰かにバラしたり絶対にしなくて。だから、生徒も安心して相談ができたんです。大人になると、自分が弱っているところを見せられる場所や相手って、減ってくるじゃないですか。それって、多くの人が抱えている悩みなんじゃないかと思うんです。少なくとも私は保健室が欲しい。社会人のための保健室みたいな場所があったらいいなと思うので、クラウドファンディングをやるなら、そういう場所を作るためにお金を集めたいですね。
沖口:
私も保健室、欲しいです。
酒向:
欲しいですよね! つらいことは、ツイッターとかに書けないですしね。
沖口:
そうですよね。メンバーに話すわけにもいかないこともあるし。もう、お母さんくらいにしか……。
酒向:
それも、誰にでも安心して話せる家族がいるわけじゃないですよね。友達だって仕事が忙しかったりして、なかなか相談に乗ってもらえなかったり。仕事で向き合っている人たちには、“リーダーとして元気な姿を見せたい”なんて思ったりもするし……疲れた時、私はどうしたらいいんだろうって思うことがあるんですよ。だから、“疲れていてしんどい”ってことを、こっそり相談できる場所があるといいなと思いますね。
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