第6回:アイドルのファンサービス|二丁目の魁カミングアウト ミキティー本物の「本物のアイドル論」

第6回:アイドルのファンサービス|二丁目の魁カミングアウト ミキティー本物の「本物のアイドル論」 ファンサービスへの想いを語る

ミキティー本物(二丁目の魁カミングアウト)

2019.07.06
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アイドル界のさまざまなトピックを、唯一無二のゲイアイドルだからこその視点で斬り込む連載コラム(隔週土曜日連載)。第6回目のテーマは“アイドルのファンサービス”。距離感の近いアイドルとファンだからこそ起きる問題について、ミキティー本物が考えていることとは?

すべてを平等にするのではなく、ありのままを大切に

アイドルファンの人たちって、好きなアイドルにどれだけ好かれているか、認知をもらえているかどうかを気にしがちですよね。

よりアイドルに好かれているファンの人のことを“推されヲタ”と言うアイドル用語がありますが、その言葉の意味が、私たちはいい意味でわからないんですよ。だって、私たちに会いに来てくれるファンの方はすべてが愛しいから。そこに優劣をつけるのは違うなって感じています。

私たち自身はファンの人とありのままの自分で接しているんです。アイドルもファンも人だから、そこに生まれるのは人間関係で、この人と話す時はこういう自分になるとか、それぞれのファンに対して私たち自身にも変化があると思うんです。そういった変化って私たちがありのままの自分で活動しているから起こることであって、悪いこととは思っていません。

もしかしたら、そういう場面を見てほかの人は推されヲタとか優劣をつけられているって思っちゃうかもしれないけど、私たちは1人ひとりとの関係を大切にしているので、みんな特別なんです。私たちは活動において“平等”というのをテーマにしているのですが、1人ひとりの対応まで何もかも平等にしてしまったら、そこには何の味も残らなくなってしまうと思います。特典会の時間も1人ひとり人と人とで創り上げていくものなので、それを仕事と割り切って平等にするのではなく、逆にありのままの自分として接することを心がけています。

私がテーマにしている“平等”というのは、アイドル活動をする上での運営的な面やシステムの面です。

周りを気にせずに楽しむことの大切さ

普段、いろいろなアイドルファンの人たちを見ていると、“なんでそんなに周りのことを気にするんだろう”って感じます。周りの人たちと比べて、自分がそのアイドルにどれだけ推されているのか意識することをやめた方がいいんじゃないかなって思うんですよね。

私たちにとっては、“どれくらいお金を使ってくれているか”“どんなプレゼントをくれたか”ということは一切関係なくて、 “私たちの曲にどれくらい心を動かされたのか”ということの方が大事なんです。なので、ファンの人たちが間違った応援の仕方にならないように、私たちはCDやグッズに特典を付けてたくさん買わせるようなことはしないし、高価なプレゼントは禁止などのルールも設けています。

ライブ中も、その場にいてくれている全員に向けて本能のままにパフォーマンスしているので、特定のファンにだけレスを送ることはありません。だから、ファン同士で私たちからレスをもらうことを競い合うようなことはしてほしくないですね。

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