第5回:ファンの移り変わり|二丁目の魁カミングアウト ミキティー本物の「本物のアイドル論」 ファンがアイドル活動を応援することの意味を語る
ミキティー本物(二丁目の魁カミングアウト)
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アイドル界のさまざまなトピックを、唯一無二のゲイアイイドルだからこその視点で斬り込む
連載コラム(隔週土曜日連載)。第5回目のテーマは“他界”。アイドル界においてファンを辞めることを“他界”と言うが、ファンの移り変わりについて、ミキティー本物が考えることとは?
他界という概念がない
今のアイドル界では、ファンが離れちゃうことを“他界”って言ったりするじゃないですか。ほかのアイドルが楽屋で“◯◯さんが他界した”って話をしてるのを聞いて、“他界”という言葉を知ったんだけど、その時はそんな言葉ができちゃったことに衝撃を受けたし、あまりにも悲しい言葉だなって感じたから、私たちはその言葉を使わないようにしています。
アイドルのライブに行ったりCDを買ったりしていても、仕事や学業や趣味がすごく忙しくなったりしてしまうと、追えなくなってしまうこともあると思うんです。でも、いろんなことに少し余裕が出てきて、またライブに来たり、追えていなかった期間のCDを聴き直したりして、そのアイドルのよさを改めて感じることもあるじゃないですか。
私たちは一度好きになってくれたらファンだと思っているので、例え一時期ライブに来られない間があっても、その人がファンを辞めたという考えにはならないですね。自分の人生を楽しんでくれて、その日常の中に私たちのCDがあって曲を聴いてくれている。それだけで“一緒に生きている”という感覚になるんです。
ライブに来られなくても繋がっていられる
ライブに来られなくなっちゃう理由は人それぞれだろうから、“他界”って言葉でひとまとめにしてしまう今のアイドル業界を、私は冷たいなと感じます。
ライブに来られなくなっちゃった理由を直接伝えてくれる人もいるけど、私たちはその人たちに向けて“離れてても私たちのCDを聴いてね。それだけでも応援に繋がるし、私たちも励みになるから”って声をかけるようにしてます。
アイドルの中にはファンが離れていく時に、そのことを伝えなくてもいいって言う人たちもいるけれど、私たちは伝えてくれてもいいし、伝えられない場合は何か事情があるんだろうなって思ってます。
来られなくなったからって、何かを言うことは絶対にない。来られなくなる事情なんて人それぞれ数え切れないくらいあるだろうし。
だから、私たちは来られなくなる理由を追求しないようにしてますし、私たち自身もそれで落ち込まないようにしてます。