まねきケチャ[ライブレポート]これからと未来に向けての深い想いを届けた結成7周年記念公演

まねきケチャ[ライブレポート]これからと未来に向けての深い想いを届けた結成7周年記念公演

Pop'n'Roll 編集部

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2022.10.10
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まねきケチャが、10月9日(日)に東京国際フォーラム ホールCにて、結成7周年記念公演<7th ANNIVERSARY LIVE>を開催した。本記事では、オフィシャルレポートをお届けする。

まねきケチャ<7th ANNIVERSARY LIVE>東京国際フォーラム ホールC(2022年10月9日)

撮影:Masayo

2015年8月の結成時からのオリジナルメンバーである中川美優、宮内凛、松下玲緒菜の3人は、2023年春頃にグループからの卒業を発表している。彼女たちが参加する周年ライブは今年が最後とあって、会場には大勢のファンが集結し、急遽、生配信も決定した。

会場が暗転すると、どん帳が上がり、ステージにはゴールドやシルバーのバルーンで作られたオブジェとともに、巨大なバルーンがお目見えした。オープニングVTRが終わると同時にバルーンが割れ、新衣装を身に纏った5人がキュートなポーズで登場。センターを務める松下が“まねきケチャ7周年、盛り上がっていくぞー!”と発し、初期から歌い続けている鉄板曲「冗談じゃないね」でライブは賑やかに幕を開けた。カラフルなレーザー光線がフロアを行き交い、盛大なスモークが焚かれる派手な演出の中でメンバーが“うりゃおい”という掛け声で煽ると、観客はサイリウムを掲げてジャンプで応戦し、「SPLASH」でもメンバーが回すタオルに合わせてサイリウムを振り回し、冒頭からフロアの熱気は最高潮に達した。

イントロから自然とクラップが沸き起こった「一刀両断」では、メンバーもサイリウムを持って、剣道の素振りのようなフリで盛り上がり、「妄想桜」では中川が《あなたが好きなの》、篠原が《もう迷わないよ》というセリフで観客を沸かせ、「あたしの残り全部あげる」では、松下がパワフルかつすごみすら感じる激情的な歌声を響かせると、森が抜けのいいミックスヴォイスをくり出すなど、メンバーそれぞれが自身の個の魅力を発揮した。

MCでは、自己紹介の後に、中川が“美優と玲緒菜と凛ちゃんが最後の周年ライブになるので、想い出に残したいです”と語ると、宮内は“みんなで最高に楽しい1日にしたいです”と笑顔で挨拶。ここから、チャーミングな告白ソング「カクカクシカジカ」、《君の全てを愛している》とくり返す「ありきたりな言葉で」、6周年記念ライブで発表した、めんどくさがり屋の女の子が主人公の「めんどくせー」という色や温度の異なるラブソングを連発。中川の写真集の発売や恒例となっている新年ライブの発表を経て、松下が“みんなが常識や当たり前と思ってることの裏側には、新しい心理が隠れているかもという曲になってます。難しい意味だけど、曲を聴いたら、まねきケチャいち馬鹿みたいな明るい曲です”と紹介し、新体制では初となる新曲「なんのこっちゃ」を披露。宮内が“みんなが振りコピしやすいはず”と断言したキャッチーなダンスで会場を盛り上げたあとのMCでは、2018年12月に加入した4年目の篠原葵が、今年6月に加入したばかりの新メンバーである森ふう花が加入から4ヵ月ですでに40曲を覚えていることを明かすと、場内からは大きな拍手が湧き上がった。

アニメ『RPG不動産』のEDテーマ「Awesome!」と代表曲「きみわずらい」では、キャリア初となるライブ中のカメコタイムを導入。場内にシャボン玉が舞い、多彩な光と交差する幻想的な雰囲気の中で、メンバーは投げキッスやウィンク、指ハートを観客に送ってアピール。そして、現体制での活動があと約半年と迫った現在の心境を吐露したインタビュー動画をはさみ、寸劇から始まるハロウィンソング「モンスターとケチャ」から後半戦へと突入。まねきケチャの代名詞となったエモーショナルに歌い上げるロックバラードの系譜に位置する「昨日のあたしに負けたくないの」「どうでもいいや」では新メンバーの森がセンターポジションと歌い出しを務めるなど、これまでの歩みを振り返る集大成という意味合いだけではなく、グループのこれからの未来にも視線を向けたステージをくり広げた。

そして、ラストナンバーを前にメンバーそれぞれが7周年を迎えた感謝を観客に伝えると同時に、卒業までの想いを吐露。中川が“我々は最後の周年ライブなんです。あと半年くらいかな。寂しいね”と宮内に語りかけると、宮内は“寂しいけど、寂しいと思いたくないかな、今は”と返答。まだ明確な卒業の日程や公演が決まってないこともあり、“正直、まだ実感が沸かないんですよ。周年ライブなので、おめでたいことなので、みんなにはできれば楽しく笑顔で帰ってほしい。最後の最後のって言っちゃうと、悲しませちゃうんじゃないかなって最近、思ってて。周年は周年として、楽しく終われたらいいなと思います”とコメント。松下は、この日の会場に今年5月に卒業した深瀬美桜が足を運んでいることを明かし、“7年間、私たち3人はまねきケチャとして頑張ってきました。いろんなことがあったんですけど、私はどのまねきケチャも大好きです”と胸を張った後、家族や友人、スタッフやファンの支えに感謝の気持ちを述べ、涙を堪えながら“卒業ライブまで泣かないように頑張ります。あと半年間、よろしくお願い致します!”と決意を表明。卒業していく先輩たちの言葉を受けた篠原は“先輩として成長していかないといけないと思ってます。みんなから任されるような先輩になれるように頑張っていきたい”と意気込みを見せ、まねきケチャ結成5周年記念ライブ<パシフィコ横浜 de まねきケチャ>で発表した出会いの奇跡を綴った「難攻不落」を晴やかな表情でパフォーマンスし、観客がサイリウムを右に左に大きく振る中で本編を締めくくった。

アンコールでは、のちのMCで森が、“春夏秋冬、何に触れても、思い出してしまうあの人に、伝えられなかった想いや言えなかった一言を改めて伝えることで、新しい一歩を踏み出す勇気と愛の歌となっております”と解説した新曲「恋霞」を初披露。この日の舞台上に飾られたゴールドやシルバーという色に加えて、メンバーカラーも連呼する歌詞には、言いたくても言えなかった“好きだよ”という言葉が随所に盛り込まれており、最後に松下が無音の中で《君が好きだよ》と告白するエモーショナルなラブソングとなっていた。さらに、元メンバーである深瀬の新たな旅立ちに向けて中川が作詞したエールソング「あの花」と未来の自分に向けて書いた手紙が過去の自分と交錯する自分応援ソング「タイムマシーン」という明日への一歩を踏み出す曲を続けて感動を誘うと、最後にシャボン玉とともに銀テープが華やかに発射。5人はステージの中央で円となって、しっかりと手を繋ぎ、3人のメンバーにとっては集大成となる7回目の周年ライブは温かなムードの中で幕を閉じた。

なお、まねきケチャはこの日のMCで、2023年1月14日(土)にLINE CUBE SHIBUYAにて、ワンマンライブ<謹賀新年まねきケチャ 新春招福ワンマンライブ〜笑門来福〜>を開催することを発表。

また、<7th ANNIVERSARY LIVE>の配信チケットは10月16日(日)17:59まで販売され、10月16日(日)23:59までアーカイブ視聴が可能となっている。