【ライブレポート】26時のマスカレイド、グループの強固な絆で挑んだネクストステージへの第一歩「これからもみなさんと一緒に階段を登っていきたい」 26時のマスカレイド<ニジマスワンマン公演ニジマスストーリー第5章〜26時のオープニングセレモニー〜>東京公演ライブレポート
鶴岡 舞
Pop'n'Roll Editor(編集者)
-
ポスト
-
シェア
-
ブックマーク
26時のマスカレイドが、2019年5月12日に東京・品川ステラボールにて<ニジマスワンマン公演ニジマスストーリー第5章〜26時のオープニングセレモニー〜>を開催した。2016年10月30日にデビューし、翌年の<TIF2017メイン争奪戦>で優勝を果たすと、その勢いを加速させてきた26時のマスカレイド。8月7日にメジャーデビューを控える彼女たちが、自身最大キャパであるにも関わらずソールドアウトさせ、新たなスタートを切ったこの品川ステラボール公演の模様をお届けする。
26時のマスカレイド<ニジマスワンマン公演ニジマスストーリー第5章〜26時のオープニングセレモニー〜>品川ステラボール公演写真
“最高のオープニングセレモニーにするぞ!”という来栖りんの影アナの後、定刻ぴったりにステージにオープニングムービーが映し出される。映像では、オルゴール楽曲に合わせ、江嶋綾恵梨、大門果琳、吉井美優、来栖りん、森みはるの順に、それぞれのお気に入り衣装で所縁の土地を巡る。順風満帆な道のりではなかったその歴史を、この舞台で振り返ることは今までの想い出を抱えて、次のステージへと進む意志を示しているようだった。映像の中でリボンを手繰り寄せて集まった5人は、“咲き誇れ”とセットの扉を開いてステージに登場。「七色のツボミ」から新しいニジマスストーリーの一歩を踏み出した。虹色の照明に照らされながら、江嶋が作詞した楽曲を歌い上げていく。続けて、「B-dash」、「チャプチャパ」とキラーチューン2曲をドロップ。歌のリズムを変えるなど、ライブならではのアレンジを加え、より自由なパフォーマンスを披露した。
このセレモニーに合わせて新調された衣装のスカート部分には、5人が横並びになるとリボンがつながるという仕掛けが施されていた。これは、デビュー当時に雑誌の企画でメンバー同士をリボンでぐるぐる巻きにしてアーティスト写真を撮影したということに由来している。江嶋は“ニジマスの歴史みたいなものを感じていただければいいな”と、衣装とオープニングムービーへの気持ちを語る。
「ベールの夜明け」、「仮面に隠れたセレナーデ」では、初めて導入されたプロジェクションマッピングを活用して楽曲とリンクした空間演出で彼女たちの魅力を最大限まで引き出す。聴覚的にも視覚的にも観客の高揚感を誘うステージングが頼もしい。
吉井がファルセットを響かせる「スノウメモリー」で酔わせ、初めてMVを制作した「ワスレナグサ」へと繋ぐ。花言葉の意味も込められたこの曲では、江嶋が“歌って”と呼びかけ、 “ららら”のシンガロングを会場に響かせた。「ハローハロー」、「GoWay」と初期の楽曲を立て続けに聴かせる。5人は歌詞に込められた想いを1つひとつ丁寧に歌い紡いでいく。
今回のライブで一見して明らかだったのが、彼女たちのグループとしての結束の強さ。それが本公演最大の見どころであっただろう。このワンマンに懸ける彼女たちの真摯な想いは、ステージ上でアイコンタクトを取るにこやかな表情や、見事に調和したパフォーマンスに現れていた。5人の一体感はこれまでのライブと比べても別物であった。
MCでは、来栖が“ニジマスは曲の振り幅がすごくて。盛り上がるロックチューンの曲とかしっとりしたバラード曲だったり、いろんな方に気に入っていただける曲がたくさんあるので、みなさん楽しんでいただけたかな〜と思います”と、セットリストへの想いを語る。“みはる(森)のこと好きな人? もっと手を挙げてよ、挙げてない人なんなの!”、“美優(吉井)のこと好きな人?” という森と吉井の掛け合いは、いかにも彼女たちらしい楽しませ方であった。バリエーション豊かな楽曲に合わせて多彩な表情で魅せるステージパフォーマンスと、キュートで美しいルックスを持ちながら、時に無邪気な一面を見せるギャップ。そういったところにニジマスの魅力は詰め込まれている。
“ニジマスくん(魚のマスコット人形)持ってる人ー? そのニジマスくんを思う存分に振り回していきましょう”と「マスカレイドは眠らない」へ。フロアには大量のニジマスくんが現れる。メンバーの“ニジマスくんを持ってきて”というSNSでの呼びかけにファンが応えたことによって実現したこの壮観な光景は、彼女たちとファンの絆が強固であることを象徴しているようだった。
ポップな「ビタースイート」、切ない等身大の恋愛ソング「ゼンキンセン」と後半戦でも多彩な楽曲で強烈なラストスパートをかける5人。妖艶なビートを刻むロックチューン「ハナイチモンメ」での真っ赤なライティングの中、ストロボを光らせる演出はクライマックスを予感させる。そして本編最後は、「COLORS」。イントロでは“ラストの曲です、みんな声出すよ”と江嶋が声を上げる。2016年10月30日から時を経て、彼女たちは品川ステラボールをソールドアウトさせるまでに成長した。“October 30th よく晴れた日に僕らは虹色の夢を見た”というフレーズが入ったメモリアルな楽曲をファンに届けて、メンバーはステージを後にした。
次ページ