誰もシラナイ。[超NATSUZOME2022ライブレポート]五者五様の怒涛のステージングで証明した圧倒的ポテンシャル 誰もシラナイ。<超NATSUZOME2022>ライブレポート
Pop'n'Roll 編集部
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アイドルイベント<超NATSUZOME2022>が、2022年7月2日(土)&3日(日)に海浜幕張公演Gブロックにて開催された。完全野外というシチュエーションの中で、数多くのアイドルたちがオーディエンスの心をたかぶらせる熱量の高いパフォーマンスを披露。本記事では、同イベントの中から7月2日(土)にZOMEステージに登場した誰もシラナイ。のライブレポートをお届けしよう。
誰もシラナイ。<超NATSUZOME2022>海浜幕張公演Gブロック(2022年7月2日)
取材&文:冬将軍
フューチャーベース調のSE「Chops!」に合わせて登場した5人。“NATSUZOME、私たちと一緒に楽しんでいきませんか。今日は一緒に音楽を楽しんで行こう”と桃瀬シオンがクラップを煽る。“誰もシラナイ。始めます、どうぞよろしく!”と軽快にハネたリズムのピアノロック「ババイ」から、誰もシラナイ。のステージは始まった。湊が凛々しく強い声を響かせれば、猫守 ぼうがしゃくりとがなりを交えたボーカルで聴く者を圧倒してく。
スライサーのような切れ味抜群のカッティングギターが爆走するイントロが鳴り響いた。誰もシラナイ。を完全に新しいフェーズへと導く、恐ろしいほどの楽曲強度を持った「Ye-Yo」だ。ハンサムな歌い出しの湊からの、しゃくりとがなりにフェイクまで加えていく猫守の声色の使い分け、スポーティで機敏な動きを見せる桃瀬のタフでパワフルなボーカル……そうした強打者揃いの中、しなやかな動きで色香を放ちながら艶っぽい歌声を響かせる愛狩ノアは美しく、よく通る真っ直ぐな声のこはくが、誰もシラナイ。のアイドルとしての輪郭を整えていく。スリリングな展開とテンション感の高いステージング、まさにキラーチューンというべき曲である。
和洋折衷のホラーロック「うらめしや」は、言葉とリズムの妙味がたまらない曲。遊び心ある平歌の低音と甲高く突き抜ける高音のサビでボーカルグループとしての実力を見せる。桃瀬の人を喰ったようなボーカルと、下から上まで音域を自在に行き来する猫守の声の使い方に惑わされそうだ。
“NATSUZOME、まだまだそんなもんじゃないでしょ? ラスト2曲、一緒に暴れて行こうか!”
桃瀬がそう叫ぶと、掛け合い的なメロディで始まる「バランスブレイカー」へ。伸び縮みするリズムに合わせて躍動感あるステージングに目を奪われる。90’ミクスチャーロックを現代的なダンスミュージックで昇華していくようなリズムとサウンド、それでいてどこか懐かしいポップスライクなメロディが次々と舞い降りてくる。桃瀬、湊のエッジィさと、愛狩、こはくのコケットリーなコントラスト、そしてそこを繋ぐ猫守、といった誰もシラナイ。のボーカルの面白さが際立っていく。
桃瀬がセンターに来て歌い出した。ラストは感謝も痛みもそのすべての感情を歌にしていくナンバー「恩楽」だ。ロックなビートに乗せて、大きなメロディが、陽も落ち始めた空に響いていく。“Wow Wow〜”と拳を高く上げ、オーディエンスに手を差し伸べていくステージの5人。不意にハイトーンをキメるこはく、あでやかに歌を引き継ぐ愛狩のCメロ、そこから落ちサビを猫守が紡いで湊がキメる、そしてラスサビの桃瀬、そこから5人のユニゾンへという流れに会場は一気に惹き込まれ、多くの手が挙がった。
そのすべてが怒涛のようであっという間でありながらも、濃密な20分のステージであった。