撮影:Maho Korogi

アイナ・ジ・エンド[インタビュー]ブロードウェイミュージカル『ジャニス』初主演!「⽣きがいが歌、みたいな」

Pop'n'Roll 編集部

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2022.05.26
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BiSHのアイナ・ジ・エンドが、8月23日(火)・25日(木)・26日(金)に東京国際フォーラム ホールAにて上演されるブロードウェイミュージカル『ジャニス』で、ジャニス・ジョプリン役としてミュージカル初主演を務める。

その他、アレサ・フランクリン役にUA、ニーナ・シモン役に浦嶋りんこ、オデッタ&ベッシー・スミス役に藤原さくら、緑黄色社会のボーカルを担当している長屋晴子がエタ・ジェイムス役にて出演。UA、藤原さくら、長屋晴子はアイナ・ジ・エンド同様にミュージカル初出演となる。総合プロデューサーには、亀田誠治を迎え最強の布陣で開催される。

本記事では、オフィシャルインタビューをお届けする。

アイナ・ジ・エンド 扮装写真(Photographed by Leslie Kee)

ーー⻲⽥さん推薦の元、ミュージカル初主演。お気持ちお聞かせください。

アイナ・ジ・エンド:
⻲⽥さんが選んでくださったっていうのは、⾔葉にするのが難しいくらいうれしいですね。私、中学1年⽣から2年⽣くらいまで、ミュージカルスクールに⾏っていて、中学⽣の時の夢はミュージカルスターだったんですよ。ミュージカル『アニー』のオーディションとかも受けたくてオーディション紙書いたりしたんですけど、⽗に“お前は顔で落ちるからやめとけ”って⾔われて、オーディションを受けなかった過去があったり。宝塚歌劇団もその理由で受けなかったりしていて。だけどなんか⼩さい時から“⾃分は歌って踊る”、それをステージでやりたいと思っていたので。もちろんいまBiSHとしてライブで⾃分を表現できているのはすごく幸せですけど、ミュージカルっていうのは⼩さい時の夢なので、うれしい、やってみたいって思いました。

それこそ「NHK紅⽩歌合戦」とか、すごい緊張感のあるステージの裏とか、どっかのライブの番組の裏とか。⻲⽥さんとお会いするたびに、決まって話題に上がるのがジャニスで。“これ送っとくよ”とか。“こんな資料送っとく”とか。本当にちゃんと送ってくださるんですよ。だからもう、“これいただいたから勉強しよう”って。そんなやりとりをここ半年くらいやらせていただいてます。⻲⽥さんは、ものすごく真⼼があるっていうか、なんかこう、温かいし、全部を包み込んでくれるような、柔らかさがあるのに、すっごい鋭いんですよね。⻲⽥さんはすごく覇気があるんですよ。⻲⽥さんの⽬を⾒てお話していると、私は脇汗が⽌まらなくなる時があって……。あの強い覇気ってのは愛のパワーなのか、それとも⾳楽への熱⼼なパワーなのか、私はわからないんですけど、とにかく覇気がすごい。だから、それに影響されて、“⻲⽥さん、⻲⽥さん”って近づきたくなる⼈がいっぱいいるのもめちゃくちゃわかるし、私もそのうちの1⼈ですね。

アイナ・ジ・エンド(撮影:Maho Korogi)

ーーベースを⻲⽥さんご⾃⾝で演奏しますし、その他豪華バンドメンバーとの共演。お気持ちは?

アイナ・ジ・エンド:
リアルに戦国時代を⽣き抜いた武将たちの集まりだと思うんですけど。⾃分なんかが⼀緒にステージに上がるなんてと思うほどの⽅々なので、ちょっと構えてしまいそうですけども、そこを突き破っていきたいですし、そうさせてくれるのがいつも⻲⽥さんなので。穏やかな愛で⾒つめてくれるので。私は精⼀杯やるしかないです。

ーージャニス・ジョブリンのイメージは如何でしょう︖

アイナ・ジ・エンド:
27歳で亡くなったという割に名⾔がすごく多くて、⾃分もはっとするような⾔葉が多いです。⽣き⽅がかっこいいなーみたいなのを、めちゃくちゃ思います。「あなたはあなたの妥協したものになる」って、よくわからないけどいろんな意味に捉えられるじゃないですか。“⾃分を安売りするな”っていう意味にも聞こえるし、“あなたはあなたがしたことがすべてだから、すべてをあなたの思うようにしなさい”みたいな意味にも聞こえる。だから、まだジャニスの⾔葉の本⼼はわかってないんですけど、私は“⾃分を安売りするな”って受け取っています。

アイナ・ジ・エンド(撮影:Maho Korogi)

ーージャニスとの共通点はありますか︖

アイナ・ジ・エンド:
知れば知るほどあるんですが、さみしがりやだったのかなって思っています。ドキュメンタリーとか、友達と電⾞で移動してツアー回っている映画を⾒たりすると、すごく楽しそうですけど、どっか空っぽな⽬をしていて……。その時間があるからこそ、歌で発散する、だからあのソウルフルな歌が歌えているのかなって思ったりして。そこはちょっと似ているのかなって。⼈に⾔葉で伝えるのでなく、そのエネルギーを歌に持っていくみたいなところはちょっと共通点なのかなって思ったりしていますね。⽣きがいが歌、みたいな。

ーーレスリ・キーさんとのビジュアル撮影はいかがでしたか︖

アイナ・ジ・エンド:
集中⼒が途切れたら終わりっていう緊張感のある撮影で、とても楽しかったです。あのテンポ感で、⾵がいっぱい当たる撮影とかも初めてで。緊張してないけど、緊張感があるみたいな。なんかこう⾃然体でいるんだけど集中⼒は必要、みたいな。初めての経験でした。おこがましいかもしれないですけど、波⻑が合った気がします。レスリーさんが、私がなにげない仕草をしたときに、“そのままいこう”と⾔ってくださったおかげで、“あ、私このままでいいんだ”と思えたので……。さらけだしていけばいくほど、それを受け⽌めてくれたし、それに味付けをしてくれたんですよ。“もっとカメラのほう向いて”とか、“あっち向いて”と。その化学反応みたいなところがすごく楽しくて、“波⻑が合っている、今”って思ったりしました。

ーー今回のビジュアル撮影を経てジャニスに近づいている実感はありますか︖

アイナ・ジ・エンド:
おうちでジャニスのことを考えていたら、なんか辿り着く答えが全部悲しくなっちゃうんですよ、今はまだ。それがポジティブになる⽇が、たぶんいつかくると思って、家で向き合っています。今回の撮影で、メイクしてもらったり、⽻つけてもらったり、⾐装着せていただいたり、ライティングでかっこいい「J」っていう光を当ててもらったり。ジャニス・ジョップリンというのになったときに、あ、もしかしたらジャニスって、こんなに考えて考えて考え抜いてないのかもと。だからこそ、あんなソウルが歌えるのかも、と思ったり。

アイナ・ジ・エンド 撮影オフショット

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