前田佳織里[インタビュー]TVアニメ『おにぱん!』でお嬢様キャラ初挑戦「高飛車な中にもナチュラルさを入れて、新しいものを目指しました」
Pop'n'Roll 編集部
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2022年4月より、TVアニメ『おにぱん!』がスタートする。同作は、鬼と人間が共存する世界を舞台に、おにっ子(=鬼の子供)たちが鬼のイメージアップのために奮闘する物語。野崎結愛、根岸実花、野中ここなの3人が声優初挑戦でメインキャストを務め、前田佳織里ら3人の声優陣が脇を固める。今回、メインキャストのおにっ子3人と深く関わる桃園桃役の前田に、同作の見どころや役柄について話を訊いた。
前田佳織里
取材&文:井手朋子
撮影:河邉有実莉
編集協力:吉田藍
バトルシーンは身振り手振りも交えてなるべく立体的になるように
──最初に話をいただいた時、どんなアニメだと思いましたか?
前田:
すごく元気でみんなワチャワチャしていて、楽しい気持ちになるアニメだなって思いました。おにっ子が自分たちのイメージアップを図るために人助けをしたり頑張っていくという、目的がちゃんとしているアニメというのも新鮮だなって。
──そんな中で、前田さん演じる桃園桃ちゃんは桃太郎の子孫と言われている美少女で、実家は岡山一の大金持ちのお嬢様という設定です。高飛車キャラとのことですが、いかがでしたか?
前田:
勝ち気なお嬢様の役は初めてなんですけど、桃ちゃんは最初の登場シーンから周りにマウントを取ったりして素直になれないというか。勢いのままやって周りとケンカになるようなところもあるんです。だけど桃ちゃんのことを知るにつれて、ホントはみんなと仲良くなりたいんだなとか、気持ちがすごく真っ直ぐな子なんだなとか、人として熱いところも垣間見ることができて、目が離せない子だなと思うようになりました。
──今まで演じたことがないキャラということですが、ほかの作品でイメージしたキャラなどはありますか?
前田:
多分自分に似ていないからだと思うんですけど、ほかの作品でもちょっと勝ち気な女の子が好きなんです。だから、そういう意味ではイメージがつきやすかったですね。ただ、やっていくにつれて高飛車なお嬢様というキャラがデフォルメ化してほしくないなとも思うようになって。高飛車な中にも人としてのナチュラルさを入れて、観ている方に“そっちのお芝居に持っていくんだ”って思ってもらえるような、新しさみたいなものにも挑戦したいなと。そこは自分なりにオリジナル要素を考えてやっています。
──それを声だけで表現するのってすごいですよね。
前田:
そうですね。でも、音響監督もディレクションで“こういう風にやったらどうなる?”って言ってくださったり、指示が的確でいつも助けていただいています。喜久子さん(クマ役/井上喜久子)ともご一緒させていただいていて、先輩のお芝居を現場で見て、少人数とはいえ掛け合いでやれているので、難しい挑戦でありながらも本番ではちゃんとできたりもして。周りの方との掛け合いによって、自然と出てくるものがあるのかなと思います。
──では難しかったシーンは?
前田:
桃ちゃんはけっこう声を張り上げるバトルシーンが多いんですけど、そういう時はわりと長ゼリフで大変だったかな。あとは桃ちゃんのお当番回では、自分の中で新しい方向性のお芝居に挑戦させていただきました。それはやり甲斐もありましたし、収録中に思いっきり声を張り上げる楽しさや、気持ちよさもずっとあって。そういうものが作品の勢いにもなっていたらいいなと思います。
──バトルシーンは身振り手振りも交えてやっているんですか?
前田:
声優さんによってやり方は人それぞれだと思うんですけど、私はめちゃめちゃ身体を一緒に動かすタイプなんですよ。動かした方が、“ここで溜めてここで力を出して”っていうのがイメージしやすいので、家で練習する時も実際にやってみるんですよね。戦闘シーンに関しては、アニメを観ながら勉強していても平面でしか捉えられていない情報ってあると思うんです。それをなるべく立体的になるように、平面が立体になった結果がこれなんだっていうのを忘れずにやりたいなと。
──躍動感が出ますもんね。
前田:
そうですね。攻撃している側は攻撃しているだけだと思われがちだけど、実際は自分も衝撃に耐えながら打ち負かしてるじゃないですか。“行けるぞ!”だけじゃなくて、衝撃に耐えながらやることで力が乗ったりするのかなと。だからそのリアルさは大切にしています。でも、たまにノイズが出てしまうことがあって、“服の音が乗ってます!”って言われるんですよ(笑)。収録用のマイクってすごく繊細で、ちょっとした衣擦れの音も入ってしまうので、そこはホントに難しいなと思いますね。これは声優さんあるあるなんですけど、洋服を買う時は服を振ってノイズが出るかどうかを確かめるんです。
──えっ、服を振るんですか?
前田:
洋服屋さんから見ると変な人ですよね(笑)。店頭で服の声を聴いてる人みたいな。でも、ボタンがカチャカチャ鳴る服は絶対着れないし、どんなに可愛くてもそれが第一前提なので、服選びはけっこう難しいですね。外で聴いている音とブース内で聴こえる音がけっこう違って、ツルツルの素材はシャカシャカ音になっちゃったりします(笑)。
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