AKIARIM[ライブレポート]2周年バンドセットワンマンで見せた6人の絆!1stフルAL&リリースツアーも決定
Pop'n'Roll 編集部
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AKIARIMが、自身の2周年記念ワンマンライブ<AKIARIM 2nd ANNIVERSARY【MOST EMOTION GIG】>を2月24日にSHIBUYA Spotify O-WESTにて開催した。到着したオフィシャルレポートをお届けする。
<AKIARIM 2nd ANNIVERSARY【MOST EMOTION GIG】>
昨年の1周年ワンマンはコロナ禍により4ヶ月の延期開催となったが、今回は昨年同様の<MOST EMOTION GIG>を冠したバンドセットワンマンとなりエモーショナルなライブが期待された。コロナウイルス後遺症の喘息が発症し休止中のmeeは不参加となり、Kotono・Reina・Ruka・Chinatsu・Sayaの五人での出演となる。開場中、昨年のライブの映像が映し出され、思い出に耽るオーディエンス。
暗転されお馴染みのSEが流れるとGt.井手上誠・Key.西村奈央・Dr野崎真助・Mani山下智輝・Ba.中村泰造と精鋭揃いのバンドメンバーが登場した。
SEの終わりと同時にステージに浮かび上がるAKIARIMのロゴに、一斉にバンドの音が鳴る。ライブ・セッションからスタートしリアルな音が飛び交う中、オーディエンスの身体が揺れ出す。代表曲“アリム”のギターリフに突入すると、スポットライトの中順次登場メンバー。
その勢いのまま“ライブハウスO-WESTへようこそ!“と恒例のフレーズをKotonoが叫び、オープニングナンバーは「アリム」。本来はmeeが歌う部分もChinatuが激しく歌い上げる。続く「NO ANSWER」は本来イントロのギターがピアノに代わり、西村が鍵盤を叩くと井手上の歪んだギターが絡んでくる。続く「Help me!!」もkeyがアグレッシブに奏でると激しく頭を振るメンバー。
Rukaが一言“全ての始まり…”と呟くと、音源よりもテンポを格段に落とし壮大さが増した「beginning」へ。前回同様ワンマン時のバンドメンバーに今回は新たにKey西村が加わり、バンド陣の演奏はグルーヴを増し、アレンジ面でも随所で音源とは違うアレンジが組み込まれてくる。サポートとは言えないほどの一体感は“AKIARIM”というバンドに5人のVoがいる様にさえ感じる。
改めて“AKIARIM 2nd ANNIVERSARY【MOST EMOTION GIG】へようこそ!楽しんでいきましょう!”と挨拶すると、不在のmeeの事にも触れる。
そして、SNSにて事前告知されていた新曲「D.N.A」を早くも披露。Chinatsuが初作詞を務め、SayaとReinaで振り付けを担当した楽曲となる。疾走感溢れるギターに跳ね上がるリズム。AKIARIMにとって大切なポーズが組み込まれたダンスと少しセンチメンタルな歌詞はメンバーのDNAに刻まれているものだろう。
そしてRukaが作詞を務めた「NEXTORY」から、“変えていけるだろう 今度こそ誇れるだろう 世界は 思うより自由だ 窓は開いてる さぁどうする 僕らは”と爽快な曲調に乗って自らの未来を前進していく「向かい風ファンファーレ」と続く。向かい風の中、刻まれたDNAが次の物語へ進んでいく。二周年を記念したライブとしては終盤にあってもよさそうな流れを序盤で惜しげもなく披露していく。
ステージにはマイクスタンドが設置され、六人体制になってからは初披露となる青春群像劇「HEART BEAT」、包み込む様な歌声の「全部抱きしめるよ」と続くと会場内も優しさに包まれた。
ちょうど中盤となるブロックには、ファンクなアレンジにセクシーさが際立つ歌声とダンスで大人な表情を魅せる「エッフェル」、ロカビリーやガレージロック、ポップスなど様々な要素が融合された「Mr Daling」と毛並みの違う曲が続いた。
「エッフェル」では通常ホーン隊の音色で始まるイントロもシンセサイザーの音に変わったり、「Mr Daling」ではバンドセットではお馴染みとなってきたBa中村のソロから始まる演出、間奏では各セクションのソロパートもあったりとバンドセットならではの遊びが組み込まれる。
おもむろにChinatsuが“私とSayaが加入してからも一年が経ちます。順風万端な一年ではなかったけど、これからもみんなと季節を超えて。”と歌い出したのは「春夏秋冬」。“不安や迷い 悲しみ痛み 全て抱きしめて君といこう この道の先 何があっても 君となら乗り越えていける I’ll be there for you”とここまで共に一緒に歩いてくれたオーディエンスへラブソングを贈る。
そしてまたも久々の披露となる「北風と太陽」へ。ミディアムロックな曲調にヴォーグダンスを取り入れたダンスとエモーショナルな歌は、稀にしか披露しないものの名曲としてファンの人気も高い楽曲だ。
心に訴えかける様な曲が続く中、そんなブロックを締め括ったのは「生きる」をテーマに書かれた「ALIVE」。メロディとセリフが交互し、ダンスもドラマチックに展開されるシリアスな楽曲。
“まだまだいけますか?”“ダメだ、まだまだ盛り上がっていけますかぁ?”と煽るSayaに堪えるオーディエンスの拍手。ここでもう一つの新曲「日常GRAPHIC」へ。PassCodeに電撃加入した有馬えみり作詞のこの楽曲も、歪んだギターにリフレインされる歌詞がボルテージを上げていく一曲となっており、今後のライブでもテンションが上がる重要な役割を担う曲になることが予想される。
ここからストレートなロックサウンドでエモーショナルに歌い上げる「FLOWER」、Sayaのラップが炸裂する「イキって生きろ!」、EDM調なサウンドに会場全体が拳を振り上げ跳び上がりオーディエンスとの一体感が増す「カウンターアクション」。そして究極キャッチーな「ミライト」と新旧織り交ぜながら全力のパフォーマンスを見せていく。
本編ラストはRukaが真摯に「二年間色んな事があったけどここからまたAKIARIMを始めてください」と言葉を綴り、KotonoとKey西村にスポットが当たり歌とピアノで始まる特別verの「One」。
AKIARIMの代表曲と言え、王道とも言えるストレートなロックサウンドに、タイトル通り“私自身、あなた自身がそれぞれ唯一の存在”というメッセージが詰まった「One」で会場を一つにして本編を締め括った。
アンコールで登場したメンバー、バンドメンバーを紹介し全員が登場すると、スタッフより本日休演となったmeeとテレビ電話が繋がったスマートフォンが見せられる。meeも含め全員で、再度降りてきたプロジェクターに目をやり映像が始まる。
それはこの二年間のコロナ禍での苦しみや葛藤が詰まったものだったが、レギュラーラジオ番組のタイトルや様々な場面でAKIARIMがテーマにした「ALL IS WELL」という言葉が浮き上がると、1stフルアルバム『ALL IS WELL』のリリースが発表された。
そして、リリースツアーの告知の文字に知らされていなかったメンバーも“知らない”“これ初めて見てる!”と驚く。ツアーファイナルは8月31日(水)恵比寿LIQUIDROOM。
meeにとってはAKIARIMの加入のきっかけとなったとても大切な存在となるアーティストのラストライブを見た場所であり、目標の一つとしていたステージ。Sayaがmeeに“一緒に行こうな”と問いかけると泣きながらmeeが“行く…”と伝え、会場はmeeのメンバーカラーの水色のサイリウムで染まった。
そして、アルバムタイトル、ツアータイトルにもなった「ALL IS WELL」へと続いた。
普段一番泣かないReinaが感情のあまり泣き崩れる場面もあったが、メンバーが寄り添い、力を残す事なく全力で歌い、踊る。この二年、当たり前の活動ができなくて苦悩や葛藤もたくさんあったが、メンバーが支え合い、ファンが見守り続けてくれた二年間だった。それを象徴する様な場面であり、そんな一曲だった。
「ガムシャラカーテンコール」「自画自賛歌」とハッピーに満面の笑みが溢れる二曲でを立て続けに披露し<MOST EMOTION GIGS>は幕を閉じた。
本編20曲、アンコール3曲の計23曲を披露し、ただただ音楽と向き合って歌とダンスで魅了した二時間だった。
AKIARIMはまだまだひよっこなグループだが、サカノウエヨースケや見田村千晴や織田かおり、大柴広己、森翼などが多くのシンガーソングライターが作詞し、琴線に触れるメッセージの詰まった楽曲が多い。そして集まった経緯やメンバーのヒストリーには一つ一つドラマがあり、そのライブの熱量には“感動”がある。オーディエンスも感情を重ねる部分が多いのは魅力の一つかもしれない。
LIQUIDROOMという自身最大キャパでのワンマンライブも決定し更なる苦悩も待っているかもしれないが、ユニット名の由来となっている“記憶に有り続け、夢が有るユニット”を邁進するAKIARIMのドラマに注目したい。