安本彩花(私立恵比寿中学)[インタビュー]ありのままの自分を愛することで生み出した渾身の1st写真集「自分の素直な気持ちを表現できてよかった」

安本彩花(私立恵比寿中学)[インタビュー]ありのままの自分を愛することで生み出した渾身の1st写真集「自分の素直な気持ちを表現できてよかった」 安本彩花(私立恵比寿中学)1st写真集『彩aya』インタビュー

鶴岡 舞

Pop'n'Roll Editor(編集者)

2021.11.01
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私立恵比寿中学の安本彩花が、悪性リンパ腫公表からちょうど1年となる2021年10月29日に1st写真集『彩aya』を発売した。セルフプロデュースで作り上げた渾身の一作となった同作には、ファンへの感謝をはじめ、今の彼女が抱くさまざまの想いが込められている。制作時のエピソードや現在の活動について、出来上がったばかりの写真集を前に語ってもらった。

安本彩花(私立恵比寿中学)

取材&文:井手朋子
撮影:曽我美芽(インタビューカット)

写真集を通じて誰かの自信になったら嬉しいなって想像しながら作りました

――今回の写真集はどの写真も作りこまれていて、本当に綺麗でアーティスティックで、相当考えを巡らせて作り上げたんじゃないですか? セルフプロデュースということで難しくなかったのかなと。

安本:
自分で言い出したのはいいけれど、出したいっていう気持ちだけで進んで、いざ自分が頭に描いてるものを形にするとなったら、やっぱり難しいことだらけでとても悩みました。でも普段からお世話になっているスタッフのみなさんと制作させていただいたので、わからないことは素直に相談して、何とか形にすることができて。もう大満足してるんです(笑)。

――どんなことに1番時間がかかって悩みました?

安本:
伝えたいこと、やりたいことがたくさんありすぎて、1冊にまとめるのにアイディアが多すぎて、そこを絞っていくのが難しかったというか。1冊の写真集として、ストーリーや流れを作るのが大変でしたね。いろいろなトピックがありすぎると取っ散らかっちゃうじゃないですか。そのあたりのバランスが難しくて、写真もいいのがたくさん撮れたので、セレクトするのも時間がかかりました。

――最初に全体のテーマを決めて衣装や撮影場所を決めていったんですか?

安本:
そうですね。自分が伝えたいことをまず絞って、打ち合わせが始まってからは、どう表現しようかって1つひとつ決めていきました。

――“伝えたいこと”として、最初に浮かんだのは?

安本:
まず1つすごく大事にしていたのが、今まで私のことを信じて待ってくれていたファンのみなさんに、感謝を伝えて恩返しができるような1冊にしたいなと。それから、ありのままの自分の姿を受け入れることで、今がすごく楽しいんだよって心の底から思えたので、その2つは表現したいなと。その2つを大事に、写真集を通じて誰かの自信になったら嬉しいなって想像しながら作りました。

――前半はカッコよくて、後半は生き生きとした表情が見られて、元気になったということが伝わる1冊に仕上がっていますよね。そもそもセルフプロデュースにしようと思った理由は?

安本:
今回、写真集を作るというのは自分の意志で始めたことだったので、周りは“伝えたいことをストレートに伝えるべきだ”って言ってくださって。マネージャーさんも“俺は何も言わないから好き勝手やっていいぞ”って言ってくれたんですけど、アイドルでなかなかそういうことってないじゃないですか。自分の中でもせっかく出すなら意味のあるものにしたいと思っていたので、こうしてセルフプロデュースという形でできてすごく嬉しかったですね。

――中でも気に入ってるカットやこだわったカットを教えていただけますか?

安本:
まずこの写真集を出すにあたって1番やりたかったのが、黒いドレスのカットなんです。治療の影響で髪が抜け落ちてしまった時に、勇気を与えてくれたのが海外で自ら髪を剃り上げてドレスを着てレッドカーペットを歩いている女優さんやモデルさんたちで。本当に心の底からそのファッションを楽しんでるし、むしろ“髪の毛を剃ってからの方が自分を好きになれたの”って自信を持って立ってる姿がとてもカッコよくて、その姿にすごく勇気をもらったんです。私も頑張ればああいう風になれるんだって自信を持たせてもらったので、その頃からずっとそういう写真を撮ってみたいなと思っていて。だから、黒いドレスのカットは1番魅せたいですって伝えました。

安本彩花1st写真集『彩aya』収録カット(©SDP)

――ドレスの色を黒にするか白にするか、色でも迷いませんでした?

安本:
とても迷いましたね。赤いドレスもいいなと思ったし、真っ白もそれはそれで真っ直ぐなイメージがあってカッコいいし。でも女性としての強さや生命力を表現したかったので、いろいろ考えた中で黒が1番強さをアピールできるかなと思って。生命力という意味では、最初の方に森の中でフワフワしたドレスを着ているカットを入れたんですけど、最初はそのカットを撮る予定はなかったんです。黒のドレスを選んでいる中で、やっぱり森って力があるよねって話になって、急遽これも入れました。

――そういうことを1番に相談していたスタッフさんは?

安本:
カメラマンさんと1番お話ししました。最初に自分がやりたいことを伝える時も、カメラマンさんと編集さんと3人で話して、カメラマンさんも“自分にもたくさんアイディアはあるけど、これは彩ちゃんの作品だから彩ちゃんのやりたいことをどんどん意見して”って言ってくれて。困った時は手助けしてくれたんですけど、基本的には“彩ちゃんが思う方を選ぼう”とか“思うことをやろう”って尊重してくださったのでやりやすかったですね。ホントに自分の素直な気持ちを表現できてよかったなと思います。

――実家でリラックスしているカットも収められていて、この実家編は最初から入れる予定だったんですか?

安本:
2回目の打ち合わせで実家を入れたいということを伝えたんですけど、ドレスのカットでは強さを見せたけど、一方でやっぱり少し弱い自分もいるじゃないですか。実家は治療していた場所ということもあって、よくも悪くも思い入れが強くてセンチメンタルな気持ちにもなってしまう空間だったりもして。でもギャップというか、カッコよく綺麗に着飾る自分だけじゃなくて、本当の素の姿の自分も見てほしかったので、その対比は大事にしたいなと思って入れました。

安本彩花1st写真集『彩aya』収録カット(©SDP)

――普段使っているであろうゴミ箱も普通に置かれていて(笑)、プライベートの安本さんを垣間見れた感じがしました。

安本:
そうです(笑)。ゴミ箱に近所のスーパーの袋をかけてるんですけど、全部そのまんま(笑)。こんなに大事な写真集で、なかなかありのままを出すっていうのはないかなと。でも、そういうのも、もともと抵抗がないというか。そこまで素の自分を出すというのもあまりないので、面白いからやっちゃおうって感じでやってました。

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