【新連載】26時のマスカレイド 江嶋綾恵梨「これを機に大和撫子を目指します!」茶盆点体験編

【新連載】26時のマスカレイド 江嶋綾恵梨「これを機に大和撫子を目指します!」茶盆点体験編 26時のマスカレイド 江嶋綾恵梨「えじのお茶会体験記〜大和撫子になっちゃうよ?〜」第1回

江嶋綾恵梨(26時のマスカレイド)

Pop'n'Roll Chief Gourmet Officer

2021.08.20
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昔から和に関するものが好きで、茶道にも興味があったという26時のマスカレイドの江嶋綾恵梨。今回、江嶋のたっての希望で、新連載「えじのお茶会体験記〜大和撫子になっちゃうよ?〜」がスタートした。記念すべき第1回目は、“初めてのお茶”ということで、お菓子とお茶のたしなみ方から茶盆点体験、帛紗のさばき方までを習得。遠州流茶道師範で日本茶アンバサダー、着付け師でもある近藤あやさんを講師に迎え、楽しみながら茶道のイロハを習得していく。

取材&文:井手朋子

26時のマスカレイド 江嶋綾恵梨「えじのお茶会体験記〜大和撫子になっちゃうよ?〜」

26時のマスカレイド 江嶋綾恵梨「えじのお茶会体験記〜大和撫子になっちゃうよ?〜」第1回より

こんなに気軽にできてしまっていいものなんですか!?

今回のメインは、茶道初心者が習得するお盆を使ったカジュアルな点前“茶盆点(ちゃぼんだて)”の体験。茶盆点は最も簡略化した手順でお茶を点(た)てる点法の基本中の基本で、初心者が教室に通うとまず習うという、どの流派にもあるお茶の点て方だ。今回は会議室で行なったが、茶道と言えば、和室でしかやらないものだと思っていた江嶋は、“足のしびれも心配することなく、こんなに気軽にできてしまっていいものなんですか!?”と驚いた様子。茶盆点を体験する前に、まずは先生がお手本を披露する。

“お茶を一服差し上げます”という先生の挨拶のあと、1つ目のポイントである“帛紗(ふくさ)のさばき方”についてサラッと説明が。茶器のセッティングや片付けの際に使う帛紗は、何通りもさばき方が存在する。その方法についてはあとでじっくり説明を受けるということで、まずは使う道具をお清めするという作業を。茶巾(茶碗を拭くために使う麻の布)とお湯を使い、茶筅(ちゃせん)やお茶碗などを次々と清めていく。すると、“ここからもうお茶を点てるので、江嶋さんにはお菓子を先に召し上がっていただこうと思います”と先生。“まだ何もしてないのに!(笑)”と言いつつ、嬉しそうな江嶋。そこでここから、本日2つ目のポイントである“お菓子とお茶のいただき方”についてもレクチャーを受けることに。

茶道では、濃茶の時は主菓子(生菓子)、薄茶の時は干菓子や落雁(らくがん)、有平糖(ありへいとう)をいただくことが多いのだが、この日の主菓子は、『青野総本舗』の生菓子。茶道の世界では、お菓子をいただく時はお懐紙(かいし)を半分に折ってその上にお菓子を置くとのこと。お箸でお菓子をお懐紙の上に置いていざ実食となるのだが、江嶋はお菓子が滑って落ちてしまうのではないかと不安でいっぱいの様子。

『青野総本舗』の生菓子|26時のマスカレイド 江嶋綾恵梨「えじのお茶会体験記〜大和撫子になっちゃうよ?〜」第1回より
26時のマスカレイド 江嶋綾恵梨「えじのお茶会体験記〜大和撫子になっちゃうよ?〜」第1回より

そこで先生から、“夏はお箸で掴むのが難しい水羊羹などが出てきますが、その時は躊躇せずに刺すようにとるといいです”というアドバイスが。怖がってしまうとかえってお菓子が崩れてしまうため、スライドさせるように刺すのがポイントだという。細かく切ってしまうとどんどん崩れて食べにくくなり、懐紙の上にカスが残るという悪循環に陥ってしまうため、食べにくい場合は半分カットぐらいでパクッと食べてしまう。

ちなみに、上品に食べないといけないと思ってより小さく切ろうとする人もいるそうだが、それは逆効果。練り切りと呼ばれる餡子のお菓子を切る時も大きさにもよるが3分割ぐらいで、逆にダラダラと食べている方がツッコまれてしまうのだそう。そうは言われても、なかなか思い切れない江嶋。お箸の先の方を持っていると力が入りにくいので、短く持って手のひらで切ってしまった方がいい、食べにくい場合はお懐紙を口元に運ぶといったアドバイスを受けて、いよいよ主菓子を口の中へ! 先生も思わず“いった!”とリアクションをしていた(笑)。

お茶の醍醐味は季節のお菓子を味わえることだが、開始5分ほどでお菓子を口にし、すでにご満悦の江嶋。以前茶道体験をした時は挨拶の練習ばかりで、弓道を体験した際も射るまでの歩みが難しく、“楽しい部分まで行き着くのが難しくて、緊張しすぎて習ったことを全部忘れちゃうんですよ(笑)”と話す。“それなのに今日はこんなに最初にお菓子を食べられるなんて!”と表情を緩ませながら語り、とにかく嬉しそうであった。

26時のマスカレイド 江嶋綾恵梨「えじのお茶会体験記〜大和撫子になっちゃうよ?〜」第1回より

いよいよここからお茶をいただくことに。先生がお茶を点てるまでの大まかな手順を説明したのち、お茶が振舞われる。お茶碗は、自分にその正面を向けた状態で出されるが、そのまま正面からお茶を飲むのは良しとされていないため、まず時計回りに90度回して正面の位置を変えることになる。そして、お茶をいただくわけだが、なんと3、4口で飲み干したほうがいいという。ここで“え、やばい! 1口目の配分を間違えた!”と焦る江嶋。目安としては、喫茶店でコーヒーを飲むように少しずつ飲むというよりは、茶碗を持ったまま何口かに分けて飲み干すというのが正解。“3、4口でいけるのか!?”と不安そうな江嶋だが、最後は思い切って一気に飲み干す。本来であれば、美味しく飲み干しましたという意味を込めて最後の1滴は“ズッ”と音を立てて飲むそうで、最後に残った泡を吸い込むように飲むと“ズッ”と音がするとのこと。

飲み方まできっちり習ったところで、片付けへ。お茶碗に残ったお抹茶を軽くゆすぐなど、準備を巻き戻しするように最初のセッティングに戻していく。茶杓の先に残っているお抹茶を帛紗で拭くなどして、流れるように片付けていく先生。すべての道具をもとの位置に戻したところで、片付けは終了。

26時のマスカレイド 江嶋綾恵梨「えじのお茶会体験記〜大和撫子になっちゃうよ?〜」第1回より

ここからは、江嶋が実際にお茶を点てていく。“さぁ、やってみましょう!”という先生のハツラツとした掛け声とは裏腹に、“全然覚えられてない……やばいよ〜(笑)”とちょっぴり及び腰な江嶋。すべての行程が不安だと言うが、“間違えることはたくさんありますし、どんな先生でもお茶会では緊張していろいろなアクシデントも起きます。だけど、最後はお客さまにお茶を点てて出して、茶碗が自分のもとに戻ってきたらそれでもうバッチリ!”と先生。

26時のマスカレイド 江嶋綾恵梨「えじのお茶会体験記〜大和撫子になっちゃうよ?〜」第1回より

お茶を点てる際、重要になってくるのが帛紗の扱い方ということで、まずはそこからレクチャーしてもらうことに。帛紗をこく“こき帛紗”と、帛紗を畳む“畳み帛紗”の2種類を覚えたら、帛紗の扱いについてはマスターしたも同然とのこと。のちのち苦労しないためにも帛紗の扱い方をじっくり習って、その上でお茶を点てることに。

26時のマスカレイド 江嶋綾恵梨「えじのお茶会体験記〜大和撫子になっちゃうよ?〜」第1回より
26時のマスカレイド 江嶋綾恵梨「えじのお茶会体験記〜大和撫子になっちゃうよ?〜」第1回より

お茶はたくさん手数があるように見えて実は削ぎ落とされていて、“お茶を点てるまでに至る手数は少ない”と先生。お茶を淹れるために茶器の中に入ってるものを出さなくては、という風に考えた方がわかりやすいかもしれないという助言も。

また、お茶を点てるポイントとしては、腕だけでやろうとするとどうしても疲れてしまうので、“どちらかと言うと手首のスナップを効かせて”と先生。お茶碗からこぼれそうだと怖がってしまう人も多いが、“意外とこぼれないのでもっとシャカシャカやっても大丈夫”とアドバイスを受ける。ちなみに、先生はお茶碗の左右に当たるぐらいシャカシャカとやっていたが、お茶碗の縁が立ち上がっていればこぼれ出ることはないのだそう。

26時のマスカレイド 江嶋綾恵梨「えじのお茶会体験記〜大和撫子になっちゃうよ?〜」第1回より

お茶の教室に週に1回通っている人の場合、習得までに2ヵ月ほどかかるという茶盆点。基本の帛紗のさばき方も覚えられるなど、汎用性が高いことから、先生は“ミニマムのこれさえ覚えておけば、次のステップに進みやすい”と語っていた。

その言葉を胸に、人生2度目のお茶に挑戦。ひと通り終えると、ホッとした表情で先生と一緒に拍手! “美味しいのかなぁ、先生の味とは相当違いそう”と言いながら、飲んだ感想は“苦っ!”。“だって先生とは泡の質が違いますもん……”と言いながらも、憧れの茶道体験は充実していた模様。片付けの手順もみっちり習ったところで本日のレッスンは終了となった。

26時のマスカレイド 江嶋綾恵梨「えじのお茶会体験記〜大和撫子になっちゃうよ?〜」第1回より
26時のマスカレイド 江嶋綾恵梨「えじのお茶会体験記〜大和撫子になっちゃうよ?〜」第1回より
26時のマスカレイド 江嶋綾恵梨「えじのお茶会体験記〜大和撫子になっちゃうよ?〜」第1回より

今回のお抹茶
「八女抹茶」

株式会社健祥「八女抹茶」

江嶋綾恵梨の出身地である福岡県の南部に位置する日本有数の高級茶の産地 八女市で、お茶の生産を行なっている株式会社健祥。“ぜひ地元のお茶を味わってほしい”ということで、玉露やかぶせ茶などと同じように茶畑に覆いをした1番茶の茶葉のみを使用したお抹茶をご提供いただきました。

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