フェンダー新製品を手にしたわーすた三品、エフェクター自作からタトゥー、キリンまで ロックファンの心を揺さぶるアイドルたち|「偶像音楽 斯斯然然」番外編 「偶像音楽 斯斯然然」番外編
冬将軍
音楽ものかき
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アイドルがロックバンドのTシャツを着ていれば、反応してしまうのは中年ロックファンの性。本人が意味を知らずに着ていようが、そんなことは関係ない。勝手に想像を膨らませる、それだってアイドルファンとしての愉しみ方の1つである。
とはいえ、アイドルの音楽性も多種多様になっている昨今。アイドルのマニアライクなロック趣向も珍しくはない。そんなピンポイントでおっさんホイホイしてきた最近の注目アイドルをまとめてみた。
三品瑠香(わーすた) それFender新シリーズじゃないですか
まずは、わーすたの三品瑠香。弾き語りで何気にスリーフィンガーをサラッと弾いていたり、アコースティックギターの腕前は申し分ない彼女が“my new gear…”として手にしているのは、Fenderの新シリーズ“Made in Japan Hybrid II”のテレキャスター。
最初にステージで手にしていたエレキギターは、泣く子も黙るSuhrで驚いたものの(借り物だと判明)、その次はFender(Squire)のサイクロン。いいセンスしてます。それで今回のテレキャスター、何がすごいって、こちら3月25日に発表されたばかりの新モデルをその日のうちに手にしているってこと。
それにしても、メイプル指板のホワイトブロンドのテレキャスターなんて、20歳の女性にしてはシブい選択。彼女、最初の頃に手にしていたアコギはヤマハの銘器Lシリーズだし、最近はタカミネのスロテッドヘッドの400シリーズ。女子が選ぶ楽器じゃない。インスタによれば、ヤマハはポジションマークが気にいってるそうで。そうそう、おじさん世代は昔カタログを眺めながら、あの桜やらの象嵌(ポジションマーク)に憧れたもの。当時10万円クラスのギターにしか入ってなかったんだよ。南こうせつとか長渕剛モデルとかすごかったもんなぁ。というか、ヤマハのLにタカミネの400(「浦安の黒ちゃん」モデル)、メイプル+ホワイトブロンドテレキャスター(「TIME GOES AROUND」でお馴染み)とくれば、完全に長渕剛じゃないか!と勝手に興奮する。
先頃20歳になった彼女は初のソロ楽曲「さよなら、わたし」をリリース。作詞&作曲も手掛けたということで多才を見せる。“三品節”と呼ばれるトレードマーク、“がなり”、“しゃくり”を抑え気味にしたストレートな楽曲だ。
三品瑠香「さよなら、わたし」Music Video
作曲の定義は“主メロ(歌メロ)を作った人”であるので、アレンジャーなりがいろいろ手を加える場合が多いのだが、同曲に関していえば、バンド感はもちろんであるが、若さと勢いが迸るいい意味で荒削り感が出ている仕上がりである。初の作詞&作曲ということで、三品瑠香の素、メッセージといった等身大を存分に感じることができる良曲となっている。
弾き語りでいえば、先日NEO JAPONISMの滝沢ひなのがTwitterでBO GUMBOSの名曲「トンネルぬけて」(1989年)を、“保育園の時親とよく一緒に歌ってた曲です!”とギターで弾き語っていた(大人の事情で埋め込めない)。シングルにもなっていない1stアルバム『BO & GUMBO』収録曲を知っているとは……。親御さんがロック好きだと耳にしたことがあるのだが、これはかなりのロック一家と見た。
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