【インタビュー後編】マジカル・パンチライン 沖口優奈|大きな変革を経てたどり着いたグループの現在地と目指すリーダー像

【インタビュー後編】マジカル・パンチライン 沖口優奈|大きな変革を経てたどり着いたグループの現在地と目指すリーダー像 沖口優奈(マジカル・パンチライン)インタビュー後編

鈴木 健也

Pop'n'Roll Editor in Chief(編集長)

2019.02.11
  • ポスト
  • シェア
  • ブックマーク

マジカル・パンチラインのリーダー、沖口優奈のインタビュー後編。今回は、2月20日にリリースするレーベル移籍第1弾シングル「Melty Kiss」をはじめ、彼女が目指すリーダー像や将来への想いをじっくり語ってもらった。後半には赤裸々なトークも飛び出し、話題は思わぬ方向に。彼女の明るい人柄と、アイドル活動に対する真摯な態度が表れた沖口優奈の“正体”に迫ったインタビューをお届けしよう。

沖口優奈(マジカル・パンチライン)インタビュー後編

初めて聴いた時に、“全部自分が体験したことだ”と思った

――2月20日にリリースするニューシングル「Melty Kiss」は、レコード会社移籍第1弾の重要な作品ですね。

沖口:
リード曲の「Melty Kiss」は私が好きな可愛い感じの曲で、実はマジパンにとって初の恋愛ソングなんです。どんな風に歌えば可愛く聴こえるやろうかとか、今までとは全然違うアイドルらしい振り付けやステップがあるので、どうしたら可愛く見せられるのかとか、いろいろ課題があるんですよね。でも、歌っていて楽しいです。

――すでに定期公演やリリースイベントなどで披露していると思いますが、ファンの方の反応はいかがですか?

沖口:
音源には“ヘイ! ヘイ!”って掛け声が小さく入っているんですけど、リリースイベントをやっていくうちにファンの方も“ヘイ! ヘイ!”ってコールを入れてくれるようになってきたんです。パフォーマンスを重ねていくうちに、ファンの人と一緒に作り上げていくというか、成長していく曲なんだなって思っていて。コールが変化したり、ここにコールを入れてくれたんやなとか、そういうことを体感できるので楽しいです。そういう意味でも重要な曲だなって思います。

――音源とは違う形に成長していくんですね。

沖口:
そうですね。違う雰囲気の曲になってきました。

――シングルのほかの曲はどういう作品ですか?

沖口:
「ONE」はマジパンのメンバーのこれまでの心境を表した曲で、「Melty Kiss」とはまったく違うカッコいい応援ソングです。2018年は、リーダー(佐藤麗奈)が卒業したり、レーベルも移籍したり、マジパンにとっていろんな変化があって、今まで味わったことのない気持ちになることもあって。心機一転となって最初にいただいた曲が「ONE」だったんですけど、歌詞の内容が自分たちにリンクしすぎていて、初めて聴いた時に涙を流したメンバーもいました。今でも歌う時に、いろんな感情が巡ってきます。

――レコーディングはどうでしたか?

沖口:
マジパンのメンバーは、結成して最初にレコーディングには楽曲の世界観やシチュエーションを理解してから臨むようにって教わったんですが、「ONE」はそういうことをイメージしなくてもいいくらい、自分たちと歌詞の内容が重なりすぎていました。つらいこととか悔しいこと、悲しいことを昨年の半年間でいろいろ味わったんですけど、「ONE」を聴いた瞬間、その半年間は別に悪いものじゃなくて、自分たちが成長できるよい期間だったんだなって考え方を変えることができました。

――自分たちの背中も押してくれたんですね。

沖口:
そうですね。自分たちにとっても応援ソングですし、自分たちの想いを乗せて「ONE」を歌うことで、聴いてくださるみなさんにとってもつらい時に救われる曲であってほしいなって思います。歌詞に対して本当に思い入れがある曲ですね。

――グループとして転機となったタイミングにぴったりの曲をいただけたんですね。3曲目はどういう曲ですか?

沖口:
「ハルイロ」っていうタイトルの今までになかったバラード曲です。シングルのリリースは2月ですけど、2月からもうちょっとしたら春になって、みんなそれぞれ進学だったり就職だったりで新しい環境へ旅立つじゃないですか。そういうことをテーマにした歌詞になっています。また違った意味の応援ソングじゃないですけど、私も親元から離れて上京してきた経験があるから、この曲の歌詞の意味がわかるというか。「ONE」は昨年の半年間がリンクしたんですけど、「ハルイロ」は3年前の3月に上京してきたことをパッと思い出させてくれて。初めて聴いた時に、“これ、全部自分が体験したことだ”って思って。この春、卒業したり就職したりして新しい進路に進む人は、この曲を聴くと前向きに歩き出せるんじゃないかなって思っています。

――名曲って、あたかも自分に向けて作られたんじゃないかって思わせることがありますよね。

沖口:
「ハルイロ」は、私にとってまさにそれでしたね。

次ページ