![大原莉奈(HOT DOG CAT)[ライブレポート]卒業公演当日の舞台で「卒業することを撤回します!!」](https://img.popnroll.tv/uploads/news_item/image/13874/large_Z62_9243.jpg)
大原莉奈(HOT DOG CAT)[ライブレポート]卒業公演当日の舞台で「卒業することを撤回します!!」
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Pop'n'Roll 編集部
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HOT DOG CATが12月30日(水)、渋谷CLUB QUATTROにて最新シングル発売記念公演<楕円形メリーゴーラウンド 発売記念FINALワンマン〜潜れ!潜れ!潜れ!海底1210万マイルへ〜>を開催した。この日をもって創設メンバーの大原莉奈がグループを卒業のはずだったが、ステージではいきなりの大どんでん返しが起きた模様。到着したレポートをお届けする。
写真:本間裕介
取材・文:長澤智典
ライブを始める前に、メンバー全員が舞台に登場。そこで、大原莉奈が告げたのが、“大原莉奈、卒業撤回宣言!!”だった。大原とグループリーダーである白河陽奈の言葉が以下となる。
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大原莉奈:
9月に卒業を発表してから今日まで、HOT DOG CATのために出来ることを模索しながら活動を続けてきました。12月に入ってからは最後のイベント、最後のライブ会場が増えていき、その中で今のHOT DOG CATの状況に悔しくて涙を流している自分がいることに気がつきました。
3年半、様々なことに立ち向かい、乗り越え、ここまで来れたことを誇りに、もうやり残したことはないと卒業を発表しましたが、こんなに悔しくて涙を流せるほどのことがあるのに、ここで卒業してしまって後悔はしないのかという葛藤が生まれました。たくさん悩んで考えた結果、わたしはまだこの6人で、HOT DOG CATで乗り越えられていない壁を乗り越えたいと決断しました。なので、大原莉奈は今日でHOT DOG CATを卒業することを撤回します!!
1年前から卒業を決めていたわたしに、HOT DOG CATとしてまだやり残したことがあることに気付かせてくれたのも、会いに来て、支えてくれたみんながいたからです。これからも今までと同じようにHOT DOG CAT大原莉奈を見守っていて欲しい、応援して欲しい…と、わたしに言うことは出来ません。わたしがみんなにしてしまったことは幻滅させてしまうことかも知れないし、もう顔も見たくないと思われてしまうことなのかも知れません。「卒業発表したんだから、潔く辞めろよ」と言われても仕方がないと思います。それでも人生は一度きりだし、2年半HOT DOG CATとして続けてきたからこそ、3年半I-GETのメンバーとして活動してきたからこそ見つけられた次の目標に向かって、これからもHOT DOG CATのメンバーとして活動をしていきたいと思いました。なので、わたしはHOT DOG CATを卒業することを辞めることにしました。
「あのとき、りなるんが辞めなくて良かった」と思われる存在になれるよう、これからは今まで挑戦してこなかったことにも挑戦し、この6人で乗り越えられていない壁を乗り越えていきたいと思います。この恩は、わたしのこれからの活動に対する姿勢と結果でかならず返していきます。
白河陽奈:
今朝、りなるんから「HOT DOG CATを卒業することを辞めたい」と言われました。一度決めたことを撤回する。人生を選択することは、そんなに簡単なことじゃないと思います。そんな中で、りなるんがこれからもここに残る覚悟を決めてくれたこと、私たちは嬉しく思っています。中には「HOT DOG CATふざけてんのか」って思う人もいるかも知れません。それでも、私たちはこれからもこの6人でステージに立つことを決めました。これからも、この6人でもっともっと上を目指していきたいです。
大原莉奈と白河陽奈が強い決意を述べたあと、HOT DOG CATがライブの始まりに選んだのが敢えての「曖昧me」だった。この日のメンバーたちのライブへ向かうテンションはハンパなく高かった。この6人で未来を勝ち取る決意を示した直後だからこそ、その熱意がライブ姿からダイレクトに伝わってきた。
たとえ、卒業撤回発言によって世間が炎上しようと、気になんかしてられない。なぜなら、出した答えには確かな決意が込められているのだから。6人は、炎上さえも自分たちのエナジーに変えて突き進むんだと宣言するように、「炎上キャンプファイヤー」を力強く歌っていた。6人の熱した意志に触発され、高ぶる気持ちが止まらない。
進む道に、選択してゆくいろんな色があってもいい。その時期、その時に、最前の道を選びながら、HOT DOG CATはこれからも笑顔で走り続ける。今日この日選んだ色がHOT DOG CATの未来を輝かせる色になっていくと宣言するように、6人は気持ちを一つに「イロイロナイロ」を歌っていた。
熱狂を乗せて周り続けようと、HOT DOG CATは最新シングル「楕円形メリーゴーラウンド」を歌いだした。どんなことがあっても自分を見失うなと彼女たちは歌いかける。全身から自信と勇気という光を放つ今の彼女たちの姿が、HOT DOG CATの未来を作っていくのは間違いない。
続いて披露したのが、白河陽奈・黒沢あかり・東條紬の3人で歌ったBilly & The Slutsのカバー曲「DA・DI・DA 魔法の扉開く三つの呪文」だ。メンバーたちはカラフルなペンライトを手に舞台の上で華やか歌い躍っていた。その華やかさをさらに彩るように、ふたたび6人編成でBilly & The Slutsのカバー曲「Believe in your dream」を届けてくれた。
6人は、愛らしさを振りまきながら「オフィーリア~君に会いたくて~」を歌いだした。6人が気持ちを一つに作り上げる美しくも力強いハーモニーに触れ、自分の気持ちまで色づいてゆく。
鈴本りんの煽りを受け、フロア中から熱いクラップが飛び交う。その声を東條紬や桐谷ひとみが、いつしかメンバー一人一人が変わり変わりに煽りだす。“大原ふざけんなよと思ってる人はクラップ”の煽りで、メンバー5人が全力でクラップする場面も。その楽しさを受け、「凸凹フレンズ」へ。互いが互いの良いところも悪い面もわかったうえで同じ夢に向かって走っている。そんなデコボコな6人の姿を彼女たちは舞台上で見せていた。
“ここからはエモエモセトリだから盛り上がっていきましょう!!”(白河陽奈)の言葉に続いて飛びだしたのが、HOT DOG CATの活動初期からライブに熱を生み出してきた「青春18キック」。メンバーたちのテンション高い歌声が、ビシバシ胸を蹴りあげる。6人の気持ちのアクセルは全開状態。その勢いを受け、フロア中の人たちが無言で、力強く拳やペンライトを振り上げていた。
一人一人を熱狂と一緒に輝く世界へ連れだすように、HOT DOG CATは弾けた笑顔と晴れた声で「キラキラ☆ポジティブ」を歌いだした。キラキラな自分にこの歌が塗り上げてゆく。くしゃくしゃの笑顔が、気持ちを輝かせる。メンバーらの「キラキラ☆ポジティブ」の声に合わせ、フロア中が無数のペンライトの光によって輝きの波を作っていた。
HOT DOG CATの歌う「イツモノヨウニ」が、観客たちを眩しい青春時代に連れ戻してゆく。メンバーたちの熱量満載のアクションにやられ、嬉しい目眩を覚えていた。
ライブも終盤戦へ。胸をキュッと鳴らすような恋心を、「純情アイスティー」に乗せて歌いだす。「好きだ、好きだ」の言葉を耳にするたびに、ハートがドキドキしてゆく。いつも以上に大きなアクションで歌う彼女たちのグイグイせまる勢いに押され、ハートが騒ぎっぱなしだ。「このときめきは止まらない」。
ふたたび気持ちのテンションをマックスまで上げるように、HOT DOG CATは「オリンピック・ハイテンション」を熱く歌いだした。沸き立つ気持ちを全力でぶつける姿がとても輝いている。この楽しさこそが、生で味わうライブだからこその醍醐味。こんな「ワンダフルライフ」なら何回だって 、何十回、何百回だって味わいたい。フロア中の人たちが、メンバーを真似てワンニャンポーズをしてゆく様も愛らしい。
最後にHOT DOG CATは、ふたたび「楕円形メリーゴーラウンド」を届けてくれた。自分を見失わずに進む先には、信じた想いが叶ったときの景色がきっと待っている。大原莉奈が出した卒業撤回の決意。6人で夢をつかんだとき、この日舞台上で宣言した気持ちが正しかったと思えるはずだ。それを信じて、今は走り続けて欲しい。