【ソロアイドル対談・後編】寺嶋由芙&里咲りさ「自分を主人公にしたストーリーを作っているような感覚で活動している」

【ソロアイドル対談・後編】寺嶋由芙&里咲りさ「自分を主人公にしたストーリーを作っているような感覚で活動している」 寺嶋由芙&里咲りさソロアイドル対談(後編)

鈴木 健也

Pop'n'Roll Editor in Chief(編集長)

2019.01.23
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寺嶋由芙と里咲りさによるソロアイドル対談の後編。今回は、アイドルにとってタブーとも言える恋愛・結婚話を皮切りに、アイドルとしてのブランドの作り方や1月28日に開催する2マンイベントへの想い、今年の活動について、2人が本音で語り合っている。本対談で明らかになる寺嶋と里咲の葛藤は、アイドルのみならず、すべての人に自分らしく生きることの意味を考えさせてくれるものとなった。

結婚してもアイドルか?って言われたら、やっぱりわかんないです(里咲)

里咲:
最近、地下も地上も年齢も関係なくアイドルって、やっぱり恋愛禁止っていう暗黙のルールがあるじゃないですか。個々のグループで決めごとがあるのはいいですけど、これだけシーンが多様化しているのに全体としてあまりにも行き過ぎてる感覚もあるなと感じることがあって、そこに窮屈さを感じることはないですか?

寺嶋:
ない。結婚願望がないから(笑)。誰かと人生をともにしたいと思わないんです。

一同:
あはは(笑)。

里咲:
完全な天職ですね(笑)。

――里咲はどうですか?

里咲:
個人的に今は強い願望はないけど、この平成の世で年齢関係なくアイドルって名乗ったら、風潮としてなんとなくみんな禁止されてて当たり前ってのは、細かく説明は必要ですけど、感覚的にはなんか変だよなぁって気持ちもあります。でも、そこがアイドルって職業のラインなのかってのもわかるから、結婚してもアイドルか?って言われたら、やっぱり、うーん、わかんないです。

寺嶋:
私も急に何かが変わって結婚したくなったら、アイドルって言わないと思う。

里咲:
ああ、やっぱり。そこがポイントなんですかね。

寺嶋:
たまに長く続けているアイドルグループの子に向けて、ファンの人が“結婚しても続けてほしい”って言っているのを聞くけど、私はたぶんアイドルを続けられなくなると思う。

里咲:
それはどういう感覚で?

寺嶋:
う〜ん……ヲタクとの距離の取り方がわからなくなってしまうんじゃないかなって気がする。あと、私自身が面倒臭いヲタクなので、モーニング娘。OGのみなさんがご結婚されて、インスタとかに旦那さんの写真などを載せていると、ちょっとつらくなっちゃったりするんです(笑)。素敵だなって思う気持ちはもちろんあるけど、なんか“あの(高橋)愛ちゃんが結婚か……”とか少し思っちゃう。だから、みんなはどうやって折り合いをつけているのかなって思いますし、自分がそれをやっている側になっているのが想像できない。

里咲:
もし自分がそうなった時には仕事は続けるにせよ、肩書きは変わるんですかね?

寺嶋:
そうですね。でも、肩書きを変えることよりは、今はアイドルでいたい気持ちの方が強いから。最近「結婚願望がとまらない」って曲を出したり、お仕事で白無垢の写真を撮ってもらったから、結婚へのフラグなんじゃないかってヲタクがドキドキしているようなんだけど(笑)。

寺嶋由芙公式Twitterより

里咲:
私も“まさかフラグ!?”って思いました(笑)。本当にこの流れで結婚発表だったら、最高だなって。

寺嶋:
私もそれができたら超面白いとは思っているんですけど、残念ながらそういうことは全然なくて。逆にないから、そういうことができるのかもしれない。

里咲:
先日、バンもん(バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI)の(鈴姫)みさこさんが、私がMCさせていただいている番組に出てくださった時に、業界に対していろいろな思いがあって、アイドルのまま堂々と結婚して祝福された人がいないから、カウンターとして自分が祝福される結婚をして、前例を作りたいんだって言っていて。やっぱりロックの人だなぁ、カッコいいなって思いました。やはりアイドルって職業では、恋愛がキーポイントになるんですかね。

寺嶋:
なんか昔のアイドルさんだと、けっこうスキャンダラスな方とかいたじゃないですか。だから、恋愛禁止って、最近の話の気がするよね。ただ、私の場合は、自分のモチベーションとか、うちのヲタクに対しても、今の活動の仕方が合っているのかなって思っています。もうちょっと女の子ファンが増えたりとか、バンもんさんみたいなファン層……けっこうイケてる方たちというか。うちのヲタクがイケてないってことじゃないけど(笑)。イケている人たちに支持されている人たちは、恋愛ありでもOKだと思うし、そのやり方の方が支持が集まると思う。でも、うちのヲタクはちょっとそういうのじゃないから(笑)。そこが悩みどころですね。

里咲:
ゆっふぃーさんのファンは、やさしい方が多いじゃないですか。ヲタクさんに思うこともあったりするんですか?

寺嶋:
本当に幸せになってほしいなって思います。本当にやさしい人が多い……やさしいけど、あんまりモテなさそうな人が多いから、なんかウマく行くといいなって思う(笑)。女の子は、けっこう可愛くてしっかりしている子が多いんですけどね。推しに似るじゃないけど、私のヲタクは真面目すぎ。握手会の10秒ぐらいしか話せないし、すごい長文のお手紙とかもらってお返事ができていないけど、めちゃめちゃ心配しています。

里咲:
心配な間は、活動を続けないとですね。

寺嶋:
そういう人たちの拠り所になるじゃないけど、楽しんでもらっている間はアイドルを頑張りたいなっていう気持ちはある。ちょっとでも人の役に立ちたいというか。

里咲:
すでに立っていますよ。ゆっふぃーさんのおかげで、何人の人が明るい気持ちになったのか。

寺嶋:
本当にごく一部かもしれないけど。

里咲:
私のところには、“昨日ひどい失恋をしまして、里咲さんの曲を聴いて号泣してます! 「カタルカストロ」最高です!”って女の子がけっこう来てくれたりして、やっぱり似た感覚を持ってる人のところに似た者が集まるっていうのがあるのかなって。男性の方も似てるとこあるなーって思う人いっぱいいます。

寺嶋:
似た人同士だから、私もみんなのことを応援したいし、味方をしたくなっちゃうというか。ちゃんとやっているのに、なんでこんなことになるの?っていうような理不尽なことは、誰にでも起こるけど、そういう時にうちのヲタクはグレずにちゃんとやっている気がしていて。なので、そういう人がちょっとでも救われるといいなって思う。

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