かみやど[インタビュー前編]初めてのCDに刻んだ成長の証「私たちの歌を聴いて“自分も頑張ろう”と思っていただけたら嬉しい」 1stアルバム『HRGN』リリースインタビュー前編
鈴木 健也
Pop'n'Roll Editor in Chief(編集長)
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かみやどが、8月12日(水)に1stアルバム『HRGN』をリリースする。彼女たちにとって初めてのCD作品となる本作には、神宿新メンバーオーディションのテーマ曲であり、彼女たちの原点と言える「はじまりの合図」をはじめ、ライブの定番曲「スーパーヒーロー」「color」、カバー曲の「冷凍みかん」「ココロのちず」、さらに未発表曲の「I believe…」などの9曲を収録。彼女たちの成長と実力の高さを感じさせる充実作に仕上がっている。デビューから1年間の活動の集大成と言える本作のリリースに合わせて、今回、メンバー6人に前・後編にわたるインタビューを実施。前編となる本日は、この1年での自身とグループ成長、そして『HRGN』の推し曲についてじっくり語ってもらった。
編集協力:村田誠二
少しずつちゃんとアイドルができるようになってきた(石綿なこ)
──デビューからちょうど1年経ちました。先日(7月6日)出演いただいた配信ライブ<おうちでぽぷろないと>ではリハーサルから観させていただきましたが、ライブをたくさん経験してきたグループなんだと改めて思いました。みなさん自身は、この1年間での自分たちの成長をどう感じていますか?
桜木こと:
今こういうご時世なので6月に予定していた1周年ライブもできなかったし、1周年を迎えるまでもあまりライブができなかったので、なかなか実感が持てなかったですけど、今回アルバムを出したり、みんなで“1周年経ったね”って振り返りをやったこともあって、“ああ、1周年経ったんだな”って改めて思ったんです。(萩田)ここちゃんと(石綿)なこちゃんと一緒に、豊洲PITでオーディションを受けた時の映像を観たんですけど、もう自分が自分じゃないみたいで(笑)。髪形もまったく違って、あの時は前髪ものり弁で“こけし”だったこともあるんですけど(笑)、やっぱり中身も変わったなと思いました。その時の映像を観て、自分でもイライラしたんですよ(笑)。当時はホントに自信がなくて、オーディションのインタビューで“ほかの候補生に勝てる要素はありますか?”って聞かれた時も、私だけ“ないです”って答えていて、自分で観てイラつくぐらい自信がなさすぎで。今、自信を持ってできているかと聞かれたら“はい!”って即答できるくらい自信があるわけじゃないですけど、この6人で頑張ってきた1年間があるからこそ、今だったら同じ質問をされたら、何かしら答えられるくらい、ちょっとは成長したんじゃないかなって思いました。
辻ゆか:
自分では気づかないことがたくさんあって、さっき言っていただいたように、1年前は私もリハのやり方なんてまったくわからなかったなって本当に思いましたし、振りを覚える時間なんかも短くなったって他人に言われて、初めて私たち1年経って成長したんだなって思いましたね。個人的には、1年前のオーディションの時は“これが最後のチャンス”って自分に対してプレッシャーをかけてたり、すごく気負っていて、最初はメンバーともあまりしゃべれなかったんですけど、1年経って、プライベートのことまで話すようになったり、打ち解けたからこそ、“ああ、自分1人で気負わなくていいんだ”って思うようになりましたね。今は“6人で大きくなっていこうよ!”って、“考え方”自体が変わったのが1番大きいですね。
──この1年の間に、結束がより強まるようなきっかけはありましたか?
辻:
大きなきっかけが1つあったというより、やっぱり、1年を通して一緒にいる時間が増えていくことで、ゆっくりゆっくり時間をかけて結束が深まっていったんじゃないかなと思います。
──確かに、その方が結束は強まりますよね。続いて、高田さんはどうですか?
高田もも:
グループ的には、例えば“仲がよい”とか、いいところは変わってないと思うし、もちろん歌とかパフォーマンス面で成長しているところはたくさんありますけど、やっぱり“変わらない”っていうのがいいところなんじゃないかなと思ってます。
石綿なこ:
私個人としては、豊洲PITの映像を観てみると、やっぱり全然違うなと思って、“今はパフォーマンスにおいて成長できてるな”……って、自分で言うのもアレなんですけど(笑)。少しずつちゃんとアイドルができるようになってきたなって思いました。過去にも芸能のお仕事はさせていただいてたんですけど、アイドルは豊洲PITが初めてだったので、1年前の私はアイドルに全然なってなかったなって。それが1年経ってみて、表情だったり見せ方だったり、踊り方1つでも、こうすればいいんだなってことが徐々にわかってきました。グループ全体では、オーディションの時、私“東京ドームに立ちたい”って言ったんですけど、現実は厳しくて、私たちもまだまだ未熟なので、東京ドームなんて夢のまた夢のまた夢……みたいな感じではあるんですけど、“何言ってんだ?”って思われるかもしれないですけど、私の中では“東京ドームに立ちたい”という夢は1年前から変わってないですね。
──“1年前はアイドルに全然なってなかった”ということですが、逆に、アイドルにはどういうことが必要だと考えていますか?
石綿:
私はそもそも少人数のグループに入ると思っていなかったので、アイドルは歌をしっかり歌えなくてもいい、ニコニコしてファンのみなさんに元気が与えられればいいと思ってたんです。でも、今この6人のグループにいる私はまったく違っていて、6人それぞれがきちんと歌えなきゃいけないし、そこの考え方が変わりました。
──歌やパフォーマンスのスキルを、どんどん磨いていかなくてはいけないという気持ちが強まった?
石綿:
どの分野でも苦手なことって自分の中にあまりなかったんですけど、気づいたら、私、歌が1番苦手だったんです。だから頑張ります(笑)。
──でも、石綿さんはずっとピアノをやっていたから音感には自信があるんじゃないですか?
石綿:
耳は肥えていても、声楽の発声の仕方とまた違うんですよ。私は第二副科でクラシックの合唱を取っていたんですけど、クラシックの歌い方とJポップの歌い方は全然違うから難しいですよね。