作詞家・ちぎら登場！アンスリューム師弟対談 作曲家・katzインタビュー［後編］「オリジナルメンバーで完結した上での、現在進行形の超新体制」『偶像音楽 シン黒子列伝』第4回後編：katz

アンスリュームの賑やかでカオスな楽曲プロデュースでお馴染みのコンポーザー、katz。前編では歌メロを活かすためにチューニングを下げていった結果、9弦ギターに行き着いたという、特異な極悪ダウンチューニングのサウンドプロダクトとキャッチーメロの妙についてのこだわりを語ってもらった。後半は作詞家として稀有な才能を発揮しているちぎらを迎え、katzとの信頼関係で生まれるという、アンスリュームのとてつもなく深い詞の世界を紐解いていくとともに、旧体制からの変化、6人となった超新体制にかける想いなど、今後についてもとことん訊いていく。

katzはチェキがヘタ（ちぎら）

——後半は作詞家・ちぎら先生を交えて、アンスリュームの“にゅーかおす”な詞の世界に迫りたいと思うのですが、その前にkatzさんからファンのみなさまにご報告があるそうですが。

katz：
はい、katzはこのたび、2022年10月を以って、アンスリュームのサウンドプロデューサーを離れました。

——これはマイナスではなく、前向きな話であると、せいじ（アンスリュームプロデューサー）さんから伺っております。

katz：
はい、これまでアンス運営のミーティングには僕も参加していたんですけど、セットリストやワンマンの構成などの話題で、自分はあくまで作家としての脳みそしか使っていないことを感じていました。そういうことはもっと得意な人がやったらいいんじゃないかと。僕も自分が行き切れないところに行くのはよくないなと思ったし、それは運営としても同じだった。だったらそこのキャパを素直に作家の方に使った方がいいだろうというのがお互いの見解、という決断です。

——あくまでkatzさんは作家気質だということですよね。せいじさんからは“katzはその時の感情で曲を作る天才タイプで、計画的にプロデュースをできるタイプではなかった。アンスの制作体制自体は変わらず、今後もkatzには曲を頼む”ということでした。あくまで関係性は変わらないと。

katz：
そうですね。そんなに変わらないです。現場には行かなくなってしまいますけど。今まで音出しとかマニピュレーターとして行ってたんですが、それはほかのスタッフに引き継いでいます。あとは“サウンドプロデューサー”という肩書きがあるか／ないかくらいで、メンバーから見ても何も変わらないのかなって思います。作家としては、アンスっぽいごちゃごちゃした曲はやっぱりアンスにしか書けないから、今後もそういう曲はアンスに書いていくし。そこまで変化はないですね。むしろお互い身動きが取りやすくなる。アンスもどんどんデカくなって、これからが勝負だと思うので、もっと柔軟にいろんな人に曲を書いてもらっていけばいいと思うし。

——ちぎらさん的にはどうでしょう？

ちぎら：
曲を作る人なのに、いろんなことさせられてたので、かわいそうだなって……。

katz：
わはははは（笑）

——（笑）。katzさん、物販やったり、チェキ撮ったり、いろいろやってましたよね。

ちぎら：
そう、ずっと思ってたんですよ！　だからよかったなぁと。

——サウンドプロデューサーの仕事ではないですからね（笑）。

katz：
たまにやるのは楽しいけどね！

ちぎら：
本当に〜？

katz：
部屋でPCに向かって、っていうルーティンをくり返す中で、たまに外行って、ヲタクとかも“今日katzいるじゃん”って話しかけてくれる。人見知りだし、引きこもり気質だけど、人と話すことは嫌いじゃないので。ただ、肩書きとかの面では現場に行くのはあまりよろしくないというのもわかっていたところで。

ちぎら：
でも、チェキはヘタ！

katz：
ヘタだな（笑）。

ちぎら：
前よりはマシになったけど。

——そうなんですか（笑）。ヲタクから文句が出るとか？

katz：
ヲタクから出たら地獄ですけど。ヲタク許容、メンバーNGみたいな（笑）。

——でも、メンバーからNG出るんだ（笑）。

katz：
それもマネージャー経由で。陰で言われるのが1番つらいわ……。