Buono!が伝説と呼ばれる理由　今さら訊けない“最高で最強のロックアイドル”入門

ついに“ロックの聖地”に立つ

Buono!にとって、日本武道館でライブを行なうことは非常に大きい意味がある。1stアルバム『Café Buono!』に、“小さなステージでも あたしたちにはブドーカン”という、日本武道館でのライブを夢見る楽曲「ロックの神様」があり、Buono!のアンセムになっていたからだ。＜ゆび祭り＞で日本武道館のステージに立つ際、この曲を演る案もあったそうだが“イベントではなく自力で立つ日まで”という本人たちの意向でセットリストには組み込まなかった。しかし、2014年9月、無期限の活動停止を発表した直後のBerryz工房の日本武道館公演＜Berryz工房デビュー10周年記念スッペシャルコンサート2014 Thank you ベリキュー! in 日本武道館＞にて、「ロックの神様」は歌われた。いや、歌ってしまった。このことが、Buono!も終わるという意味に思えたのである。

「ロックの神様」「Buono!ライブ2009 ～ハイブリッド☆パンチ～」より

2016年8月25日、夏焼雅の24回目の誕生日についにBuono!は武道館に立った。“4年ぶりですよ……。なんでこんなに放っておいた？”と嗣永桃子の開口一番の言葉はヲタ含めた皆の総意だった。だが、4年ぶりだったからこそ実現できた武道館公演だったのかもしれない。＜ゆび祭り＞以降の高まった評価とライブのない飢餓感が、4年前のキャパでは考えられない規模となったのだ。この日、私はオフィシャルではないライブレポートを別の媒体で書いているのだが、若い女性率の高い客層に驚き、女性客数人にライブに来ようと思ったきっかけを尋ねてみた。すると、なんと『しゅごキャラ』でBuono!を知り、初めて観に来たという。子どもの頃に『しゅごキャラ!』を見ていた世代が、こうしてライブに足を運ぶ年齢になったということもファン層の拡大となっているようだった。

この日、今後のBuono!については一切言及されなかった。もうそれでいい。派生ユニットなのだから。「ロックの神様」のアンサーソング「ロックの聖地」で高らかに歌う“いつかまたやろうぜ！　この3人で！！”というスタンスで良いのだ。いつかまた観ることができれば、誰もがそう思った。

ロックの聖地 / Buono! (Live at 日本武道館 2016/8/25)

それから、1年経たずに開催されたのが、今回公開となる＜Buono!ライブ 2017 〜Pienezza!〜＞だ。嗣永桃子の芸能界引退という、思わぬ展開からのラストライブ。伝説のグループによる伝説のライブである。

Buono!は10年という活動に幕を下ろしたが、彼女たちは最後の最後まで“解散”、“活動停止”といった言葉を用いなかった。現に冒頭でも取り上げている夏焼のコメントでも“Buono!の夏焼雅”と口にしており、“元”ではないのである。

いつ終了してもおかしくない不安定な活動の中で、何度も這い上がって最後まで“最高 MUSIC! 最強 Buono!”を高らかに掲げたBuono!の伝説は今もなお続いているのだ。

Buono!公式YouTubeチャンネルにて期間限定配信
配信期間：2020年5月22日（金）18:00よりプレミア公開

夏焼雅、鈴木愛理インスタライブ
5月22日（金）17:00より配信

鈴木愛理アフタートーク生配信
5月22日（金）プレミア配信終了後（21:30頃より）鈴木愛理 公式YouTubeにて配信