Buono!が伝説と呼ばれる理由　今さら訊けない“最高で最強のロックアイドル”入門

＜ゆび祭り＞の奇跡

2012年はBuono!にとって大きな意味を持った年。2月にフランスはパリのムーラン・ルージュで単独公演を行ない、6月に日本武道館で開催された指原莉乃プロデュース＜第一回ゆび祭り〜アイドル臨時総会〜＞に出演し、大きな話題となったのである。さまざまなグループが出演した＜ゆび祭り＞の中、実力と経験に裏付けられたスキルで伸びやかに悠々と歌い踊る貫禄のステージは、観客はもちろんのこと、ほかアイドルや関係者にも衝撃を与えた。特に鈴木愛理が1曲目「初恋サイダー」の歌い出しで会場の空気を一変させたことは、今でもアイドルファンの間で語り草になっている。あの時の愛理はリハーサルまで喉が絶不調だったというのだから、まさに奇跡を起こしたのである。あの時は会場内と、チケットが取れずに会場外にいた私を含めたハロヲタ全員が勝負ではないのに“勝った！”という高揚感に見舞われたのである。

ドラマ『数学♥女子学園』のエンディングテーマであったが、リリース当初ではなく、＜ゆび祭り＞によって一躍有名になった「初恋サイダー」（2012年）

ここで完全に“世間に見つかった”Buono!はここから快進撃っ！と思いきや、このあと2016年までの4年間、ハロー！プロジェクト関連イベントの出演以外の表立った活動は一切していない。“え？　チャンスなのに何してたの？”と思うかもしれないが、当時のヲタも皆そう思っていたんだ。これも派生ユニットの定めか……当時の複雑な情勢を思い出すと、……おや、誰か来たようだ。

2015年、Berryz工房は無期限活動停止するが、Buono!の今後については触れられなかった。Berryz工房最後の4日間の前半2日間に行なわれた＜Berryz工房祭り＞に出演したが、それで終わりだと皆が思っていた。明言はされなかったが、ライブ中の愛理の涙がいろんな意味に映ったものだ。しかしながら、この年の大晦日＜Hello！Project COUNTDOWN PARTY 2015 ～ GOOD BYE & HELLO ! ～＞に出演、そこで翌2016年に日本武道館公演を行なうことが発表されたのだ。

とうとう、事務所が本気を出したぞっ！