最新アイドル勢力図と松隈ケンタ楽曲の秘密に迫る！ 『関ジャム 完全燃SHOW』放送レポート

BEYOOOOONDS、フィロのス、sora tob sakanaの特異性

アイドルとしての技術力を着実に磨ける研修生システムを導入しているハロプロの注目グループとして、BEYOOOOONDSを紹介。ヒャダインは、同グループの「眼鏡の男の子」については“高速6/8拍子のEDMに乗せて眼鏡の男の子への恋物語を怒涛のごとく展開。ストーリーの最後のオチも味わい深く最高。冒頭しばらく小芝居ありと、エンタメ型アイドルソングの傑作”、「ニッポンノD・N・A！」については“ハロプロっぽいということで人気の出た「U.S.A.」（DA PUMP）のアンサーソング的な楽曲。懐かしさを覚える90年代TKサウンド感。さらに歌詞の言葉遊びが面白い。特に「スマホ図書館」ってすごくよい表現。風刺を扱うのも上手”とポイントをコメント。BEYOOOOONDSの魅力を“磨かれた技術”“楽曲の幅広さ”“遊び心”の3点にあると言及し、その楽曲を手がける作詞・作曲家の星部ショウが生み出す曲の振れ幅の広さと言葉遣いの巧みさを絶賛した。

続けて、ヒャダインは、2020年のアイドル界を支える存在となる楽曲派の究極グループとして、フィロソフィーのダンス、sora tob sakana、Maison book girlをピックアップ。

フィロソフィーのダンスについては、“楽曲が完全にインコグニートやジャミロクワイなどの90sアシッドジャズ。カッコいい音楽なのに難しすぎないから、リスナーを置いてけぼりにしない。歌もウマくて本当にアイドル？って思う”と紹介。高い音楽性を持ちながらも、歌って踊っていることや可愛いらしいルックスによってアイドルとしての必然性を持ち合わせていると解説した。

現代音楽とアイドルの融合として紹介されたsora tob sakana。ピエール中野は、変拍子とキメの多さから、“よくこのリズムの中で歌えるな”とスキルの高さを称賛。この発言を受けながら、ヒャダインは、彼女たちのピュアでイノセントな歌声が、現代音楽が持つ難しさを中和し、間口を広げていると力説。高い音楽性でファン層が拡大しているとまとめた。

最後に、新ディープな新興勢力として、清楚系エレガントアイドルとして『26時のマスカレイド』、ルックス高スペックアイドルとして『まねきケチャ』　、病みかわアイドルとして『悲撃のヒロイン症候群』、お祭り系アイドルとして『FES☆TIVE』、原宿系美少女アイドルとして『ふわふわ』、日本一のワケ有りアイドルとして『ZOC』、新世代の男装ユニットとして『EUPHORIA』、年間200本のライブアイドルとして『鶯籠』、和風エンターテインメントとして『小野小町』、関西出身アイドルユニットとして『あゆみくりかまき』を一気に紹介。

現在のアイドルシーンを音楽面から分析した今回の『関ジャム 完全燃SHOW』。注目度を高めているグループをピックアップするとともに、松隈ケンタの作曲技法を掘り下げることで、アイドルシーンの中での松隈の特異性がより明確になったのが印象的であった（一方、アイドルシーンの中に、松隈フォロワーのようなクリエイターが現れてきていることも事実のため、彼自身がこの先もアイドルシーンの中でカウンター的な存在であり続けられるのか？という見方もできるだろう）。


もちろん、今回の放送は、現在のアイドルシーンの音楽的傾向をすべて押さえられていたわけではないが、アイドルの魅力を音楽面から再考する1つのきっかけになったのは間違いない。