ベビレの「必ず夜明けが来ることを信じて」と夏焼雅のBuono!時間が見せた希望

アイドルとしての矜恃をロックに落とし込んだ

そして、“アイドルとバンド”といえば、忘れてはならないのがBuono!だ。夏焼雅が先日、Instgaramの#おうち時間の一環として、#ボーノ時間というハッシュタグをつけたストーリーをアップしたことが話題となった。

その動画の一部は現在でも通常の投稿で確認することができる。内容は「初恋サイダー」「MY BOY」といった代表曲のライブ映像を観ながら一緒に盛り上がろう、といった趣旨のものであるのだが、なぜか夏焼はBuono!における自分のカラーの赤ではなく、嗣永桃子のメンバーカラーであるピンクのグッズに身を包みながら歌い騒いでいる。これについて、訊かれてもいないのに本人は“#これ🍑Tではありませんw😙”と言っているのだが、はたしてこれは現在のグループであるPINK CRES.を意識したものなのか、それとも？……それは受け取り側の妄想次第だ。

ベビレがバンドと結託した暑苦しいほどの熱量で“エモ”さを突き上げていくのなら、専属バンド“Dolce（ドルチェ）”と拮抗し、互いが高め合いながら1つの空間を作り上げていたのがBuono!だ。アイドルがロックを歌うというスタイルではなく、アイドルとしての矜恃をロックに落とし込んだ、という趣である。当時のハロー！プロジェクトでは珍しい外部制作体制と、本格的なバンドセットのライブで一世を風靡した。“アイドルとバンド”、“アイドルとロック”のパイオニア的存在だ。

ロックの神様 / 「Buono!ライブ2009 ～ハイブリッド☆パンチ～」日本青年館

ちなみに、今なお数多くのアイドルにカバーされている名曲「初恋サイダー」。各現場ではこの楽曲に、それこそ“家虎”などのミックスが入れられているが、本家ハロー！プロジェクトではそうしたMIXの類はやらないことが暗黙の諒解であったりする。

初恋サイダー / Buono! (Live at 日本武道館 2016/8/25)

そして、夏焼はこの#ボーノ時間と同様、別日にはBerryz工房をフィーチャーした、#ベリーズ時間もアップしている。

ベイビーレイズJAPANも、Buono!も、現在は活動していないグループなれど、インターネットを通じて身近に感じることができる。当時を知っている人が思い出すことはもちろん、これから知る人たちのきっかけにもなることだろう。後世に語り継ぎたい伝説のグループだ。

そして、思いっ切り“イエッタイガー！”と叫んだり、踊る阿呆になったりすることができる日が早く来ることを願う。

Berryz工房「cha cha SING」フラッシュモブ (屋内編Full ver)