ネオジャポ、raymay、デビアン、そしてラキア　規制解除イベント＜特区2020＞が教えてくれたライブの価値｜「偶像音楽 斯斯然然」第27回

とどまることを知らない　raymay

続いては、観るたびに勢いが増しているraymay。可愛いフリしてハードコア、音楽というおもちゃを手に入れて容赦なく暴れる女の子たち、というイメージがどんどん強力になっていってる。個人的には、りんの前グループの印象が強かったために、3人＋1人という構図で見てしまいがちだったのだが、そんなことはいつの間にかどこ吹く風。

raymay「悟道」

ポップなんだけど、キャッチーというわけでもないという、聴きやすい、ノリやすいと思わせておきながら、聴けば聴くほどめちゃくちゃ複雑であるという楽曲群。このところ、WILL-O’やアンスリュームなど、“おっ”と思う楽曲は、RYO-Pとkatzという2人のクリエイターの制作であることが多いのだが、raymayもまたこの2人の楽曲が肝になっている。「ファンキィパーティ」（RYO-P作曲）の不規則なハネ方だったり、「悟道」（katz作曲）の足癖の悪い（褒め言葉）ツーバスであったり……こんなの問答無用に盛り上がるしかないだろ！と言わしめる巧妙なリズムの組み方が刺激的である。

【LIVE】raymay「ファンキィパーティ（2019/10/5 TSUTAYA O-WEST one man）」

このグループは図太いサウンドの中に仕組まれたリズムでオーディエンスの鼓動もろとも突き動していくのが本当にウマい。「reset summer」（katz作曲）なんて、もうスタジオ音源では満足できないくらい、ライブで急成長している曲だ。扇動していく4人と呼応するフロアが作り出す大波は休む暇などなく、とどまることを知らない破竹の勢いを表していたライブだった。