CANDY GO! GO![ライブレポート]Elue marineとのバンドスタイルで解き放った光輝く感情
CANDY GO! GO![ライブレポート]Elue marineとのバンドスタイルで解き放った光輝く感情
取材&文:長澤智典
<NEXT-Girl's ONE in RUIDO K2>渋谷RUIDO K2(2020年3月21日)
その時が訪れた。CANDY GO! GO!×Elue marine=CANDY GO! GO! Band Style Verとしての初ライブが、ついに幕を開けた。
ここ数年来、CANDY GO! GO!はワンマン公演と主催イベントでは必ずバンドを従えた形でライブを行ない続けてきた。CANDY GO! GO!として、それが本来あるべきスタイル。とはいえ、アイドル/ガールズバンドシーンとの架け橋となる活動を行なう関係上、アイドル系のイベントはオケスタイルで出演することが今も中心になっている。バンドメンバーもお馴染みとはいえパーマネントではないように、定期的にバンドスタイルを取るのも難しい環境にあったのも事実。だからこそCANDY GO! GO!は自分たち専属のバンドを。しかも、彼女たちが主戦場の1つとしているガールズバンドシーンの中で、もっと精力的に活動を行なえるようにとガールズバンド、Elue marine(エルマリン)を作り上げた。
そのお披露目ライブとして用意したのが、3月21日に渋谷RUIDO K2を舞台にした主催イベント<NEXT-Girl's ONE in RUIDO K2>だった。この日は、夜公演で生誕祭を行なう夏井さら以外のメンバーが先にソロステージを行ない、ゲスト出演した橋村姫のライブを挟み、イベントのトリを担う形でCANDY GO! GO!×Elue marineのライブへとバトンは受け継がれた。
幕が開くと、そこに姿を現したのがElue marineのメンバーたち。記念すべきCANDY GO! GO!×Elue marineとしてのライブの1曲目を飾ったのが、「神様のイジ悪」。舞台に立っていたのは、なぎさりん、磯野未来、永瀬りか、杉本莉愛の4人。エッジ鋭い音で挑発するElue marineの演奏に乗せ、舞台上の4人も挑戦的な姿勢を持って、凛々しく歌声をぶつけ出す。いつものようにフロアには絶叫飛び交う光景が広がっている。タイトなバンド演奏の上で、心地好く音の波に乗りながら、4人は歌声を雄々しく響かせていた。ソロでは、ギターのHiToMiが前に出て演奏。まだまだ未完成なバンドのように、この日のライブでは、CANDY GO! GO!のメンバーたちが勇ましいステージングを描きながらElue marineの4人を引っ張っていた。Elue marineの実力以上の力を導き出していく様こそ、キャリア10年を誇るCANDY GO! GO!の持つ逞しさだ(10年所属しているメンバーはいない)。
続く「Born to fate」では、なぎさりん、永瀬りか、夏井さら、宇野みずきの4人がステージへ。愛しさも胸に秘めながら、なぎさりんと宇野みずきが、そして永瀬りかが切々と歌声を届けていく。Elue marineの4人も哀切さを心へ抱きながらも、エッジ鋭い音を突きつけていく。その音は、触れた人たちの胸にもしっかり突き刺さっていた。CANDY GO! GO!のメンバーたちの凛々しステージングに視線が惹かれる。Elue marineのメンバーたちも、舞台にどっしりと身構え、CANDY GO! GO!の心の動きへしっかり音と気持ちを同期させようとしていた。
“説明しようCANDY GO! GO!は今年10周年を迎え、こまれではバックに♂(オス)を付けてきましたが、今年からは♀(メス)も付けることにしました。これからCANDY GO! GO!の新しい形を見せていこうと思っているので、新しいスタートをよろしくお願いします”
なぎさりんの言葉に続き、Elue marineのメンバーらの挨拶が続く。それが、以下の発言。
てやんでぃ!:
“てやんでぇ節を噛ましてやる!!
マホ:
これからもカッコいいベースを弾いていく。
HiToMi:
メンバーさんにHiToMiウルフと呼ばれてるんで。みなさんウルフと呼んでください。
しあちゃん:
普段そっちでタイガーファイヤー言う立場ですけど、今日はあなたたちとは違うので。もともとは仲間だったんで、仲良くしてください。
真面目そうで、だいぶ頭の螺子が緩そうな子たちのように、これからどんな本性が明かされるのか楽しみだ。
ライブは後半戦へ。「Fake News」のステージを彩ったのが、なぎさりん、菜月アイル、磯野未来、杉本莉愛の4人。愛らしいなぎさりんの歌声を、Elue marineの4人は激しく煽る演奏で逆に盛り立てる。ギターのクリーントーンがフロアへ心地好く響き渡る。その音を心のエナジーに、メンバーたちがダイナミックなステージングを描き出す。間奏では、しあちゃんが前に出てソロを披露。その姿をしゃがみながら煽るCANDY GO! GO!のメンバーたち。まだまだCANDY GO! GO!に引っ張られる形でのElue marineの演奏とはいえ、笑顔で歌を口ずさみながらプレイをする余裕も見せていたように、互いのシンクロ率が高まるほど、一体化した迫力が増しそうだ。
最後は、CANDY GO! GO!のライブを熱狂で支えてきた「Cinderella Call」だ。菜月アイルが、なぎさりんが、夏井さらが、宇野みずきが心を開放した歌声を、晴れた表情で響かせる。4人の解き放つ光輝く感情を、Elue marineの4人が力強い演奏で押し上げていく。男性バンドとは異なる、タイトにしなる演奏を描き出すElue marineのメンバーたち。女性バンドらしいしなやかさが今のElue marineの魅力だ。間奏では、CANDY GO! GO!とElue marineのメンバーが入り乱れる風景も登場。触れた人たちの心に爽やかさと高揚を与える楽曲が、いつも以上に開放感を持って響いてきたのも、CANDY GO! GO!×Elue marineというガールズパワーが生み出した成果なのかもしれない。
このスタイルは、まだまだ始まったばかり。どんな風に成長していくのかをこれからの楽しみにしたい。何より、まだ総勢11人のCANDY GO! GO!×Elue marineの姿は見せていないように、早く完全体となったCANDY GO! GO!×Elue marineの姿を味わいたい。次にこの姿を見せるのは、5月16日の主催公演。それまでにこのチームが、どれだけ進化成長していくのか、その成長の様も、また報告しよう。
最後に、Elue marineのメンバーたちのコメントをお届けしたい。
しあちゃん:
練習期間が短いという前提もあったせいか、細かいところまで煮詰め切れなくて悔しいのが正直な感想です。なぎささんも、MCで“今日が最悪のライブだと思ってください。ここから成長していくので”と言ってたように、本当にここからだと思ってます。ただ、ヲタクのみなさんがめっちゃ優しくてライブでノッてくれていたことがすごく嬉しかったので、プレッシャーよりも楽しさが勝ちましたし、めっちゃいいライブになりました。今回は、良い意味でも悪い意味でも、お客さんに“今はこのレベルなんだ”と知ってもらえたので、そこからの成長を温かく見てもらえたらなと思います。
HiToMi:
私個人のことで言うと、活動歴がすごく短いし、大人数のお客さんの前で演奏した経験ってほとんどなくて。なので、私は緊張とプレッシャーが勝ってしまい、あまり良い演奏ができなかったと思ってるんですけど。次からは、もう寝ても弾けるくらいに場馴れして、本来の力を出せるように精進していきたいです。
マホ :
なんでも1回目が1番緊張しますよね。今日はギリギリのレベルだったかも知れないけど、無事に終えられて本当に安心もしたし。純粋に楽しかった。何より、応援してくれるお客さんたちの期待にもっともっと応えていきたいなという想いが強くなりました。
てやんでぃ!:
私、演奏中いつも顔がすっごい強張ってるんですよ。だから笑う練習も事前にしていたんですけど、今日のライブは、自然に笑顔で叩けました。とくに「Fake News」で、みんながワーッと手を挙げるシーンは、リハーサルの時でも私1人真顔で必死に叩いてたんですけど、今日はニコニコできました。いつもできなかったことを、今日はしっかりできたのが良かったなというのと、今日ずっとクリックを聴きながら演奏をしていたんですけど、みんなドラムの演奏にぴったりで、もうそれが嬉しくて。今日はどの曲もジャストで演奏できたことも、ドラマーとして嬉しかったことでした。
NEXT-Girl's ONE in RUIDO K2
2020年3月21日(土)
渋谷RUIDO K2
「神様のイジ悪」
「Born to fate」
「Fake News」
「Cinderella Call」
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