第10回:病みとの向き合い|二丁目の魁カミングアウト ミキティー本物の「本物のアイドル論」

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第10回:病みとの向き合い|二丁目の魁カミングアウト ミキティー本物の「本物のアイドル論」

アイドル界のさまざまなトピックを、唯一無二のゲイアイドルだからこその視点で斬り込む連載コラム(隔週土曜日公開)。今回のテーマは、アイドルの病み。アイドルを一生続けるために、ミキティー本物が導き出したモチベーションの作り方とは?

一生続けたいから、キラキラしてない部分も愛してもらいたい

私も最初は、アイドルってキラキラして夢だけ与え続けるものだと思っていました。でも、アイドルとしてこの先ずっと生きていくって決めてからは、それだとダメだなって思ったんです。ファンのみんなは本当に私たちのことを好きでいてくれるから、私たちの弱い部分、人間らしい部分も見てもらって、そこも愛してもらわないと一生やり続けることなんてできないなって。

短期型のアイドルだったら、キラキラした部分だけを見せながら活動するのでもいいけど、私は一生アイドルをやっていきたいし、一生やっていくには、キラキラしているところだけを見せ続けるのは難しい。私もいろんなことで悩んだり苦しくなることもあります。もちろん、そこで病んでますアピールはしないけど、それでもずっと見てくれているファンは気づいてくれるんです。ライブでの表情ひとつでも、今日元気ないのかなってバレてしまう。特に私は、歌詞も書くし曲も作るし振り付けも作るから、それこそわかりやすいみたいで。やっぱり、病んでいた時期に作った歌詞って暗いんですよね(笑)。でも、その曲で救われたって言ってくれる人もいっぱいいました。

すべての感情を歌詞にして、歌で伝える

私は今、自分に素直に活動するようにしています。消えたいなって思う日があったら、そういう歌詞も書きます。でも、私は歌手だからそれをSNSで発信はしません。すべて歌詞で残して、歌として伝えるって決めているんです。

自分たちの悔しい気持ち、悲しい気持ちはパフォーマンスの力に変えて、マイナスな気持ちを歌や曲を通すことによってプラスにして届けていきたいと思っているんです。歌やダンスに変えることで、それを聴いてくれた人たちが“アイドルも、アイドルじゃない人も一緒なんだな。アイドルが頑張っているなら自分も頑張ろう”って気持ちになれる歌を私は書きたい。だから私は、自分自身に嘘をつかないで、想いをさらけ出すようにしています。

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