【連載】沖口優奈×作家・爪切男（後編）「ネガティブ思考とポジティブ思考があるから物事の本質が見えてくる」マジカル・パンチライン 沖口優奈「ここの責任者、出してください❤️」第12回：作家・爪切男（後編）

最初はまず歩のように前に1歩動くこと（爪）

沖口：
この本を読んでいると、お仕事もアスカさんとのエピソードとかもすべてポジティブという印象があって。爪さんはポジティブな方向になるようにっていう思考をお持ちだと思うんですけど、今までで心が折れそうになったことってありますか？

爪：
いや〜、仕事とかではないですけどね。朝イチで嫌なことがあったら心が折れそうになるかもしれない。この前、喫茶店のテラス席に座ったんですよ。それでホットカフェオレ飲んでたら、挙動不審なお爺さんが寄ってきて、僕のホットカフェオレにいきなり指を入れてきて（笑）。

沖口：
ホントにすごい！　いろんなエピソードをお持ちですよね（笑）。

爪：
その時は案外ちょっとへこんだかな！（笑）　朝イチからそんなことされたら、今日はさすがにダメな日かもしれないって思うじゃないですか（笑）。でも、長いスパンで落ち込んだことはあんまりない。お世話になった社長が死んじゃった時はしんどかったかも。僕にとっては、もう2度と会えなくなることが1番つらいことですね。アスカは生きてるので。たとえ連絡が取れなくなったとしても、どこかでちゃんと生きてくれてるって思えば楽ですね。

沖口：
会えなくなるのは1番つらいですよね。

爪：
ペットとかもそうですけど、死なれるときついです。

沖口：
爪さんはポジティブな思考をお持ちの方だと思うのですが、私みたいなネガティブな人はどうすればポジティブになれますかね？　アドバイスをいただきたいです。

爪：
難しいな！　でも、いろんな人に言っているんですけど、ネガティブは直らないですね（笑）。ただ、ネガティブはネガティブであり続けることで、必ず役に立ってると思います。ネガティブも、ポジティブも、普通の人もいないといけない。実は、普通な人が1番狂ってると思ってて。芸能界のような狂った世界にいて、普通であり続けることが一番狂ってます。

――沖口さんは普通担当なんですよ（笑）。

爪：
じゃ、普通でいた方がいいですよ（笑）。

沖口：
私、1番狂ってるかも（笑）。

爪：
普通、アイドルっていろんな感情に染まってしまうと思うんですよ。沖口さんは染まらないんでしょ？　それはある意味、変わらないってことだから、相当すごいことです。ネガティブな人がいるから、ポジティブな人が光るし、ネガティブ思考とポジティブ思考があるから物事の本質が見えてくるわけですよね。

沖口：
これからの心の支えになりそうです（笑）。ネガティブになって落ち込んだ時も、これも未来に向けた大事な気持ちなんだって思います！

爪：
将棋も歩がないと始まらないし面白くない。派手な動きをする飛車や角に目が行きがちだけど、前に1歩しか進めない歩の動きが大事だったりする。物語を書くにも何かを始めるのも最初はまず歩のように前に1歩動くことですね。すいません、僕、プロレスラーのマイクアピールみたいに、適当に名言っぽいことを言おうとする悪い癖があって。今の歩のくだりも知り合いにからかわれちゃうのでカットでお願いしたいんですけど（笑）。

沖口さん：
（爆笑）。

爪：
だから、普通も必要なんです。ひどい例えになっちゃうんですけど、僕の知り合いによくそういうお店に行く人がいて、そいつが最終的に“普通の女がいい”って言ってました（笑）。

沖口：
あはは（笑）。いろいろ経験した人の言葉ですね！

爪：
東南アジアまで行ってニューハーフを抱いたりして、ありとあらゆるプレイを経験した上で“普通がいい”って言ってたので（笑）。

沖口：
普通担当として、これからも頑張ります（笑）。

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