第13回：地下アイドルのやりがい搾取問題〜小出祐介&南波一海「小出は明日、昨日の南波と連載する」〜3週連続で曲を聴かずに、アイドル演劇から地下アイドルのやりがい搾取問題について深く話し合うことに……

南波：
ホントにそう。地下アイドルや地方アイドルが昨今の話題じゃないですか。

小出：
その話は絶対に出ると思ってた。地下アイドルのやりがい搾取問題。

南波：
対談の収録と記事が出るまでにタイムラグがあるのが少し気がかりではあるんですけどね。自分は吉田豪さんみたいに知らない人からの告発とかはさすがにないんですけど、知り合いからいろいろ聞いたりはしていて。今回の件で親が心配して卒業させたり、グループの新メンバー加入が決まっていたけどやっぱり辞退しますみたいなこともあって、比較的大丈夫なところでも余波が出てますね。

山村：
僕、水戸ご当地アイドル（仮）と愛の葉ガールズに取材したことあるんですよ。

南波：
どっちも問題になったグループじゃないですか。

小出：
取材のときはどういうことを言うんですか？

山村：
やっぱり地域貢献がしたい、この街を盛り上げたいっていう話になりますよね。愛の葉は分厚いパンフレットもあって、農業体験をして地域活性化のアピールをしていて。

小出：
その用意周到さと美辞麗句が並ぶ感じからブラックな匂いがしますね。

山村：
インタビューしたのが初期だったんですけど、やっていた子たちも農家の子とかがいたりして。そこで作った野菜をイベントで売ったりもしていて。

小出：
SATOYAMAじゃん。

南波：
そのリアル農家版みたいな。

山村：
当初はちゃんとスタートしたものが、途中で変わっていっちゃったのかなという気はしますね。お金になると思ったとか。

南波：
ギャラ問題とパワハラ問題って関連はあるだろうけれど、また別個の問題ですよね。パワハラの件で言うと、そのくらいの年齢の子って親とか学校の先生だってやりとりに難儀したりするじゃないですか。それをノウハウがまったくない素人みたいな人がコントロールしようとして、強引に押さえつける方向に向かうのかなと。不満を漏らすな、それを外にも言うんじゃないみたいなことって、実際にあちこちであると思うんですよ。

小出：
圧迫するほうに向かうのは最悪だよ。

南波：
スポーツ系の部活とかでもかなり厳しくなってきている時代だというのに。

小出：
ラグビーのタックル問題とかも、まさにそれですよね。