兒玉遥［インタビュー］2度目の舞台への志、そして見据える先へ「兒玉遥が演じるなら絶対に見るって思ってもらえるのが理想」兒玉遥＜改竄・熱海殺人事件＞出演インタビュー

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感情の切り替えが早い役なので強弱をつけて演じたい

――3月に上演される＜改竄・熱海殺人事件＞では、元ハードル選手で婦人警官の役なんですよね？

兒玉：
そうなんです。ハードル選手だった女性が恋をしたんだけど、その相手が警察官だったので、自分も警官になった……そんな風に想像して、台本を読んでいます。警察って男性社会というイメージがあるんですけど、そんな中で戦っていける強い女性だと思うので、＜私に会いに来て＞の時よりも、さらに強いイメージで演じられればと思っています。でもまだ稽古が始まっていないので、どうなるのかわかりませんけど（笑）。

――今回、役作りの上で参考にしている俳優さんはいますか？

兒玉：
参考にしている人はいるんですけど、誰なのかは想像してほしいです（笑）。今話しちゃったら、その人のイメージが強くなっちゃうじゃないですか。すごくリスペクトしている女優さんがいるんですけど、言わないようにしているんです（笑）。

――では、そこを感じ取ってもらうことも見どころかもしれないですね。演出は中屋敷法仁さんで、彼が演出している＜学芸会レーベル＞と＜アセリ教育＞を観に行かれたそうですね。

兒玉：
めっちゃ楽しかったです。脚本も中屋敷さんで、頭の中ってどうなっているんだろうって思いました（笑）。すごいストーリーなんですよ。1人ひとりの台詞も面白いし。これが＜改竄・熱海殺人事件＞になった時に、どんな演出になるんだろうってわくわく楽しみになりました。

――＜学芸会レーベル＞も＜アセリ教育＞も、台詞のスピード感がある舞台ですよね。

兒玉：
速いところが多かったですよね。＜改竄・熱海殺人事件＞もそういうところがむちゃむちゃあるんです。長い台詞をバァーッと言わなくちゃならないんですよ。説明的な台詞もあって、そういうところは感情よりも、状況説明をしっかりしなくちゃって思っています。

――台詞を覚えるのは得意ですか？

兒玉：
＜私に会いに来て＞は、台詞量はありましたけど、まだ頑張ったら覚えられる量だったんです。でも、今回は未知の世界。自分でも、できるのかできないのか、わかりません（笑）。今はやるしかない！って思って、毎日、台本と向き合っています。

――自分なりの台詞の覚え方ってあります？

兒玉：
まずは1度全部読んで、その後は声を録音して、聴きながら覚えます。そうすると、感覚をつかみやすいですし、雰囲気で思い出せるんですよ。家で黙々とやっていますけど（笑）。

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――今回の役は“強い女性”というイメージだと言ってましたが、特にキャラクターとして見てもらいたい部分はありますか？

兒玉：
キャラクターとしては“振れ幅”かな。1人の女性ではあるんですけど、いろいろな人格が見られる人物というか……今まで明るくて元気だったのに、ここから急に真面目モード!?みたいな切り替えが早い役なんです。そこはしっかり強弱をつけて演じたいと思います。

――強弱をつけるためには、どういうことに気を配るんですか？

兒玉：
台本の読み合わせの時に、ポイントを探すというか。例えば“ここは普通の少女に戻るシーンだな”っていう感じで、切り替わるポイントを自分の中でしっかり整理して、今はどういう“水野”を演じているのかを理解しながらやるといいのかなって思っています。人数も少ない舞台なので、いろいろな面が出せた方が飽きないというか面白いかなと思うので、そういうところを工夫したいですね。

――多和田任益さん演じる部長刑事の木村と水野は恋人なんですか？

兒玉：
愛人です（笑）。水野が一方的にずっと木村のことを好きなんです。でも、振り向いてもらえないという。

――兒玉さん自身はそういう女性にシンパシーを感じる？

兒玉：
どうかな……でも、真っ直ぐな女性なので応援したくはなりますね。振り向いてもらえないとわかっているんだけど、その人の側にいたいという真っ直ぐな気持ちは、すごく美しいなと思いますね。素直で一生懸命な女性なんですよ。だから、私も抵抗なく演じられると思っています。

――“素直で真っ直ぐ”というのは、自分の性格に近い？

兒玉：
自分ではそうだと思っているんですけどね（笑）。

――周囲からはどう見られているんですか？

兒玉：
え～、どういう人って言われるかな。友達によって違うかな。この人からはこういう風に見られているのかって思うことがありますから。心の中にいる自分と、こうやって見られているんだろうなって想像する自分、他人から見えている自分って、きっとギャップがあるはずなので、難しいですね。

――ご自身では、自分はどういう人だと思っています？

兒玉：
え～、めっちゃ難しい（笑）。そうですね、好奇心旺盛かな。で、素直だけど伝えるのは上手じゃない。あとは、楽しいことが好き（笑）。