福島雪菜［インタビュー］自らの殻を破るコラボ公演への情熱「地に足を着けながら、思い切り楽しんで演じます」福島雪菜（劇団4ドル50セント）舞台＜学芸会レーベル/アセリ教育＞出演インタビュー

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去年は役者として生きていく覚悟を決められた年でした

――昨年は、舞台＜フラガール＞や映画『恐怖人形』など、4ドル50セント以外の作品にも出演していましたが、その経験が今回の舞台に生きてくる部分もあるのではないですか？

福島：
劇団4ドル50セントはみんな同じ時期に入ったので、年齢の違いはありますけど、先輩後輩という関係がない“みんな仲良し”みたいな感じなんです。でも、そこから外に出て初めて“先輩”がいる環境でお仕事をしてみたら、“役者だけでご飯を食べていっている人って、カッコいいな”って改めて思って。そこで、私も、おばあちゃんになっても、結婚しても何があっても役者っていうものを続けていけたらいいなっていう風に思えるようになりました。特に＜フラガール＞は私にとってのターニングポイントになる作品にできたらと、本当に一生懸命やらせていただいたので、自分の中でギアが1つ上がったというか、もっともっと貪欲に役者として勉強したいっていう、今までとはまったく違う自分になれた作品でした。だから、去年は役者として生きていきたいっていう覚悟を決められた、そんな年でもありました。

――＜フラガール＞は、キャストも強力でしたよね。

福島：
特に山崎（銀之丞）さんは、オーラがあって、演技のレスポンスも早くてすごかったですね。私は演出家さんから指示があると、それを聞いて、自分の中に飲み込んで、考えて、“あ！　わかりました！”って感じなんです。しかも、やってみたら違っていたり、次の日にできるようになるっていう、ちょっと不器用というかまだ未熟なところがあるんですけど、山崎さんはいろんな引き出しをお持ちなので、すぐにパッパってできるんですよ。そういうところも尊敬できるし、プライベートでもすぐ名前を覚えてくださって、“じゃ、飲み行こうよ！”とか誘ってくれたり、すごい頻繁に差し入れをくださったりとか、役者としての立ち振る舞いのすべてが尊敬できました。去年はそういう方にたくさん出会えて、かなり影響を受けたと思います。

――＜フラガール＞では、お客さんの反応はどうでしたか？

福島：
本番中に、すすり泣きがけっこう聞こえてきました。そこで私たちが伝えたいことがお客さんに届いたのが実感できたので、もっともっと伝えていきたいなって思いました。そうしたら、今回の作品じゃないですか！　中屋敷さんに稽古初日に“すいません、劇団4ドル50セントはコメディ集団だと思っていたんです”って言われて、みんな“そうだっけ？”ってポカーンってなったんですよ。そしたら、“でも、先日YouTubeで4ドル50セントの過去の舞台を観たんですけど、違いました。ごめんなさい”って言われて（笑）。

――勘違いされた中でのコラボ公演になったんですね（笑）。

福島：
ええ（笑）。今回は2作品ともコメディで、『柿喰う客』さん独特の“圧倒的フィクション”の中で、お客さんをちょっと失笑させるみたいな感じの作品なんです。だから、正直反応がわからないっていうか。私とかは、シーンってなったらどうしようとか考えちゃうんですけど、『柿』さんのメンバーって、中屋敷さん曰く逃げ足が速いらしいんですよ。

――逃げ足が速い？

福島：
舞台で滑っても、演じ切るそうなんです。あと、滑ることも楽しむスタンスらしくて、私もそうなれるように頑張ろうとはしてるんですけど、あと１週間ちょっとでそこまで気持ちが強くなれるのかっていうところは正直あります（笑）。

――今回は演技力だけではなく、メンタルも鍛えられそうですね。

福島：
そうですね。やっぱり経験が大事だなって思います。

――福島さんはグラビアもしていますが、グラビアの仕事が役者に与える影響をどう考えていますか？

福島：
グラビアでは、カメラマンさんからイメージを言われたりして、そこで演技をする部分がありますよね。だから、演じるという部分では活かされているのかなって思います。

――グラビアは写真だけで世界観を表現しなくてはいけないので、演技といっても舞台や映像作品とは違ったものになりますよね。

福島：
“カメラを好きな人だと思って”って言われることもあるんですけど、“いや、彼氏って言われても、ただのカメラなのにな〜”って思うこともありますね（笑）。でも、そういうことも含めて、演技の経験になっています。