LADYBABY[ライブレポート]どこまでも獰猛で、どこまでも美しい、希望に満ちた終幕

LADYBABY[ライブレポート]どこまでも獰猛で、どこまでも美しい、希望に満ちた終幕

LADYBABY[ライブレポート]どこまでも獰猛で、どこまでも美しい、希望に満ちた終幕LADYBABY<Reburn>恵比寿LIQUIDROOM(2020年1月13日)ライブレポート

オーディエンスに全力で届けた絆と混沌

LADYBABY<Reburn>恵比寿LIQUIDROOM(2020年1月13日)
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LADYBABY<Reburn>恵比寿LIQUIDROOM(2020年1月13日)

今回のセットリストにはメンバーそれぞれの見せ場が設けられていた。池田のラップで始まった「破天ニ雷鳴」、唐沢の「Pinky! Pinky!」、そして有馬のThe CHAOSセッションからの「禊island」。金子は独りで「Generation Hard Knocks」をしめやかに、勇しく歌い上げる。“嗚呼 生きていたいよ/もっと 生きていたいよ”と、強い歌声を響かせながらも遠目からは涙を浮かべているようにも見えた。10代から20代、少女から大人へと、金子の成長とともにあったLADYBABY、傍らにはこの曲が居たように思う。曇りのないスッとした声から艶っぽさ、時に斜に構えたダークな響きで聴く者を惑わせていく蠱惑的な彼女のヴォーカリストとしての真髄が見えた一幕だった。2番になるとステージに3人が現れ、今度は4人で“嗚呼 負けないように/今日に 負けないように”と自分に言い聞かせながらしっかりと歌う。そのまま4人は絆を確かめ合うように「endless and Hello」へ。活動休止の発表後に届けられた新曲だ。“「ハロー」が「バイバイ」を言わせる/破壊なくして創造もない/そして 生まれかわる”という詞(ことば)が、4人のみならず、会場に居る全員の胸に深く刻み込まれた。

LADYBABY<Reburn>恵比寿LIQUIDROOM(2020年1月13日)
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LADYBABY<Reburn>恵比寿LIQUIDROOM(2020年1月13日)

“私をLADYBABYの池田菜々として生かしてくれて本当にありがとうございました”

メンバーそれぞれの言葉で今の気持ちを伝えていく。“性格も向いてる方向もバラバラな4人が1つの音楽によって集まったLADYBABYは、LADYBABYのままでそれぞれの道に進んでいく”と強く口にした有馬。唐沢は“楽屋でのインタビューでは、寂しいとか悲しいとか前を向いてると言ったんですけど、やっぱり寂しい……”と思わず涙ぐんだ。そうした感傷的な雰囲気を金子は、“昔はただなんとなーく「ニッポン饅頭」を歌っていた”と突然告白し、フロアを埋め尽くした全員が総ツッコミしたくなるほど和ませる。でも、そんなLADYBABYの音楽を好きでいてくれて、その魅力を教えてくれた有馬が居て、アイドルってこんなにも素敵なものなのだということを改めて教えてくれた唐沢が居て、池田がそばで支えてくれていて……メンバー1人ひとりに言葉を向けていった。自分の感情を曝け出せる場所がこの4人でやってきたLADYBABYだった、と。The CHAOSには生音でステージを作ることのありがたさを教えてもらったといい、長年関わってきてくれた関係者、そして今日ここに集まってくれたファンに向けて感謝の言葉を述べた。

“セボンセシボントレビアーン!!”LADYBABYの甘い猫撫で声とThe CHAOSが打ち鳴らすD♭の地響きのコントラストで始まった「セシボン・キブン」は扇子を高らかに、本編ラストの「アゲアゲマネー ~おちんぎん大作戦~」では大量の偽札“アゲアゲマネー”がフロアを舞う。横隔膜が暴走する有馬のグロウルと“拳! 全員!”の煽りに応えるように、フロアからは精一杯の厳つい声で“ガチ恋口上”が発動。メタルバンドとアイドルのライブが入り乱れたこのカオスティックな様相こそ、LADYBABYのライブの醍醐味である。

LADYBABY<Reburn>恵比寿LIQUIDROOM(2020年1月13日)
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LADYBABY<Reburn>恵比寿LIQUIDROOM(2020年1月13日)

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