BABYMETAL、PassCode、LADYBABY …Pop’n’Roll編集長と語る「ギターがカッコいいアイドルソング 2019」前編|「偶像音楽 斯斯然然」第20回

BABYMETAL、PassCode、LADYBABY …Pop’n’Roll編集長と語る「ギターがカッコいいアイドルソング 2019」前編|「偶像音楽 斯斯然然」第20回

BABYMETAL、PassCode、LADYBABY …Pop’n’Roll編集長と語る「ギターがカッコいいアイドルソング 2019」前編|「偶像音楽 斯斯然然」第20回

これは、ロック畑で育ってきた人間がロック視点でアイドルの音楽を好き勝手に語る、ロック好きによるロック好きのためのアイドル深読みコラム連載である。

この連載も今回で20回目。そして、今年も残すところあとわずかということで、印象的だったアイドル楽曲を振り返ろうと思いつつ。“ロックファン目線でアイドル楽曲を語る”という連載テーマに立ち返り、考えたるは“ギターがカッコいいアイドルソング 2019”。

ただ、私が好き勝手に選ぶよりも、他者を招いて対談形式であれやこれや語り合えたら楽しいなと思い立ち、選んだ相手は我らが鈴木健也Pop’n’Roll編集長。実はこのお方、ギター弾きをはじめバンドマンからDTMerまで、楽器好きなら誰しもがお世話になったことがあるであろう、あのリットーミュージックの名物編集者だった経歴を持つ。しかも、速弾きギターのバイブル書、変態テクニカルエクササイズでお馴染みの『地獄のメカニカル・トレーニング・フレーズ』シリーズの企画編集を担当していたという筋金入りのメタルギター愛好家である。

そこで今回は、X『BLUE BLOOD』とCOMPLEX『COMPLEX』という日本のロック史上における2大名盤が同じ1989年4月にリリースされ、“HIDE派(=速弾き派)”と“布袋派(=カッティング派)”に分かれたあの頃のギターキッズ抗争を想起させるかのごとく、“布袋派”だった私、冬将軍と、“HIDE派”だった鈴木編集長による、同い歳ギターヲタク2人によるアイドルソング対談を前後編、2回に渡ってお届けしたい。

お互い、大人の事情は一切抜きに個人として、今年気になったアイドルソングの中で“ギター&バンドサウンドでビビっとキタ!”ものを持ち寄ってあれやこれや語ってみた(生粋のギターヲタクの行き過ぎた会話になっている部分がありますが、温かい目で読んでいただければ幸いです)。

冬将軍:
もともとは、鈴木さんがリットー時代にLUNA SEA主宰の<LUNATIC FEST. 2015>のオフィシャルブック(『LUNATIC FEST. OFFICIAL DOCUMENT BOOK』)を作る際に声を掛けてもらったのが最初で。

鈴木編集長(以下、鈴木):
そうですね。イチ読者として『Real Sound』さんでの冬将軍さんの記事が面白くて、<LUNATIC FEST.>のオフィシャルブックを作る際にオファーさせていただきました。

冬将軍:
自分、ヴィジュアル系の事務所で制作をやってきたので、いろいろと……(自主規制省略)……まぁ、酸いも甘いも噛み分けてきたこともあり、鈴木さんとは<LUNATIC FEST.>をはじめ、ヴィジュアル系絡みの仕事をさせてもらったりしてきましたが。こうしてアイドル仕事でご一緒できるとは思ってもみませんでした。

鈴木:
確かに(笑)。あの幕張メッセでの狂おしい夜には想像つかないことですね。ただ、アイドル音楽がお互いに興味深いってことなんでしょうね。

冬将軍:
鈴木さんの立場上、あまり好みを言いいづらいところがあるかもしれませんが、今回はギター好きのイチ個人として、変なしがらみ抜きに語っていけたらと思っております。

鈴木セレクト:BABYMETAL「DA DA DANCE (feat. Tak Matsumoto)」

冬将軍:
ファンの中でも物議を醸したユーロビート調の曲。初めて聴いた時のインパクトはすごかった。

鈴木:
僕、B’zも好きなんですよ。松本(孝弘)さんはギターヒーローの1人と言っても過言ではない。だから選んだっていうのが大きいんですけど、サウンド的にはなんか“EOS(※80〜90年代に一世を風靡したヤマハのシンセサイザー)”って感じがして。“フゥーッ!”っていうプリセットありましたよね。

冬将軍:
あー(笑)。そういう意味で小室(哲哉)さんオマージュのところがあると思いますよ。だから松本さんなんじゃないかっていう分析を他媒体で書いたりもしたんですけど。BABYMETALのプロデューサー・KOBA-METAL氏もエイベックス〜TK流れのMAXをイメージしたって、雑誌『ヘドバン』のインタビューで語ってました。

鈴木:
なるほど。BABYMETALとエイベックス〜TKの結びつきは興味深い話ですね。

冬将軍:
BABYMETALのファン層は往年のメタルファンも多いですが、鈴木さんはBABYMETALをどう見てます?

鈴木:
1st(『BABYMETAL』)あたりは、けっこうメタルでしたよね、それこそXのオマージュとか。(鬼バンドが)ESP、MI(※Musicians Institute、アメリカの音楽大学。日本ではESPグループの音楽学校)系の人たちがやってたから、わかりやすかったですよね。今、メタルをやるとしたらオーセンティックなものをやるか、ジェント系にいくか……が多いと思うんですよ。ヴィジュアル系バンドも最近はジェントが多いじゃないですか。BABYMETALも実際あのメンツだし、ジェントに行ってもおかしくはないと思っていて。それが、今のメインカルチャー、R&BやEDMとかあっちの方を取って行ったのは面白いと思います。

鈴木セレクト:IRONBUNNY「Lightning Speed Live」

冬将軍:
そして、HR/HMおやじ大歓喜のIRONBUNNY。

鈴木:
これもダグ・アルドリッチが大好きだから。Bad Moon Risingはもちろんですが、ダグが参加していたWhitesnakeもよく聴いてましたよ。

冬将軍:
ウォーレン・デ・マルティーニ(ex.RATT)やジョージ・リンチ(ex.DOKKEN)が参加してる曲もありますよね。

鈴木:
そうですね、中でも僕はダグが好きです。曲は比較的王道なHR/HMですよね。

冬将軍:
BABYMETALのファン層と合致してるところもありますし。そもそも、このサイボーグギタリスト“Ediee Ironbunny”は誰なんだろうって。

鈴木:
気になりますね。

冬将軍:
COMBAT GUITARS使ってるんですよ。ESPだったり大手メーカーだとスポンサー的なビジネス臭を感じるんだけど、COMBATだからそういうものを感じない。本人が気に入って使用してるんだろうけど。

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