藤川千愛がBUCK-TICKを!? CARRY LOOSE、あゆくま、ぜん君。…ロックテイストアイドルの現在地|「偶像音楽 斯斯然然」第18回

藤川千愛がBUCK-TICKを!? CARRY LOOSE、あゆくま、ぜん君。…ロックテイストアイドルの現在地|「偶像音楽 斯斯然然」第18回

藤川千愛がBUCK-TICKを!? CARRY LOOSE、あゆくま、ぜん君。…ロックテイストアイドルの現在地|「偶像音楽 斯斯然然」第18回

これは、ロック畑で育ってきた人間がロック視点でアイドルの音楽を好き勝手に語る、ロック好きによるロック好きのためのアイドル深読みコラム連載である(隔週土曜日更新)。

来年1月にリリースされるBUCK-TICK第3弾トリビュートアルバム『PARADE III 〜RESPECTIVE TRACKS OF BUCK-TICK〜』。Der Zibetなどの重鎮をはじめ、DIR EN GREY、八十八ヶ所巡礼といった異端バンドが名を連ねる中、一際目に入ってきたのが、“minus(-) featuring 藤川千愛”。minus(-)は、BUCK-TICKの盟友であるSOFT BALLETの藤井麻輝と故・森岡賢によるユニットであるから、参加自体は頷けるのだが、迎え入れたゲストヴォーカルが元まねきケチャの藤川千愛というのだから驚いた。BUCK-TICKとまねきケチャといえば、現在放送中のTVアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』のエンディングテーマをそれぞれ担当した共通項もあるわけだが。

まねきケチャ「鏡の中から」アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』主題歌

オフィシャルサイトによれば、“今回のトリビュート参加にあたっては、2019年5月にデビューしたソロシンガー、藤川千愛の声に惚れ込んだ藤井が、フィーチャリング・ヴォーカルとして彼女を迎え入れ、実現した”(「PARADE III 〜RESPECTIVE TRACKS OF BUCK-TICK〜」Special Siteより)とのことである。グループ時代から歌唱力はシーントップクラスの呼び声も高かった藤川。ソロ活動開始後はその美声に磨きを掛け、楽曲ごとに寄り添っていく表情、歌と言葉が織りなす表現は絶品。

藤川千愛のアルバム『ライカ』全12曲を3分で聴いてみる

TVアニメ『盾の勇者の成り上がり』のエンディングテーマや、同郷・岡山県井原市の先輩、千鳥のノブから歌詞提供を受けるなど、話題も事欠かない彼女が鬼才・藤井麻輝からの直々の御指名を受けるとは非常に興味深いところだ。

こうしたJ-ROCK/V-ROCK周りのトリビュートといえば、2018年にリリースされたhideトリビュートアルバム『hide TRIBUTE IMPULSE』に、BiSHのアイナ・ジ・エンドがMOROHAのUKとのスペシャルユニット、SEXFRiENDとして参加したことも話題になった。アイナが“ちょいと出ました ムニョムニョ野郎が”「BACTERIA」なんて歌ったら絶対カッコいいに決まってるだろ、と思っていたら、想像を超える破壊力だったことも記憶に新しい。そして今回、藤川が歌うのは近年のBUCK-TICK楽曲の中で、最も美麗で崇高な楽曲との呼び声も高い「形而上 流星」(2014年)。この楽曲を藤井がどう仕上げてくるのか、久々の女性ヴォーカルということも相まって、なんだか伝説のユニット“睡蓮”のゴシックEBM路線を期待してしまうところでもある。

藤川は、下動画のback numberカヴァーといい、男目線の“俺”がなぜか似合う数少ない女性シンガーである。彼女が歌い上げる“きっと死ぬほど美しい”「形而上 流星」のフレーズは、きっと死ぬほど美しいんだろうな。

【女性が歌う】back number / HAPPY BIRTHDAY (Covered by コバソロ & 藤川千愛)

BUCK-TICK「形而上 流星」

さて、今年も残すところあと1ヵ月ということで、今回はあらためて今年リリースされた楽曲などを振り返り印象的なものを、という内容を考えていたのだが、BUCK-TICKの流れもあり、ロック系のアイドルに絞って取り上げていきたい。せっかくなので、これまでこの連載で触れていないグループに厳選してみた。

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