めろん畑、爆裂女子、ZOMBIE POWDER…アイドルだってなめてんじゃねーぞ！ アイドル、V系、パンク、メタルを紡ぐダイエースプレーの香り｜「偶像音楽 斯斯然然」第16回

バンドマンが楽曲のみならず、アイドルの運営自体に関わっていることは意外と多く、ヴィジュアル系のバンドマンも然りだ。有名なのはそれこそ、COLORのヴォーカルであり、フリーウィルの総帥、ダイナマイト・トミー氏である。グロテスクなメイクをキメ込んだDIR EN GREYと、キラッキラの美少女アイドル2o Love to Sweet Bulletがトップに並んでる事務所のウェブサイトは、両シーンを見てきた私のような人間にはいろんな思いが込み上げてくる。

2o Love to Sweet Bullet「Véga」

2o Love to Sweet Bulletは、マイケル・ジャクソンやエミネムを手掛けたエンジニア、ヒップホップ界の“Big Bass”こと、ブライアン・ガードナーが音源のマスタリングを手掛けたり、DIR EN GREYの映像作品の中でも多くの衝撃的問題作を生み出してきた鬼才・近藤廣行（VISUALTRAP）がMVを撮ったりと、制作周りのクオリティがめちゃくちゃ高い。今年5月に行われた＜ギュウ農フェス 春のSP 2019＞では、新木場STUDIO COASTを世界で1番知り尽くしているDIR EN GREYのPAチームがオクタゴンスピーカーの爆音を轟かせる中、CO2を客席に撒き散らすメンバーの姿が。トミー氏とYOSHIKI組長が誇るお家芸、ヴィジュアル系界の暴れん坊将軍、いや、カリスマだからこそ許された“CO2噴射”をアイドルに引き継がせるとは恐るべし。いいぞ、もっとやれ！

2o Love to Sweet Bullet「そこで叫んで私に教えてほしい」

近藤監督作 2o Love to Sweet Bullet「そこで叫んで私に教えてほしい」（2017年）

DIR EN GREY「OBSCURE」

※閲覧注意！　近藤監督代表作 DIR EN GREY「OBSCURE」（2003年）

最近、メンバーの脱退などがあった2o Love to Sweet Bulletは、新体制で再始動したばかり。次は何を仕掛けてくるのか目が離せないグループである。