【連載】沖口優奈×株式会社ガイエ 配給宣伝事業部部長（前編）「チームは仲間と信頼してぶつかり合い、お互いの気持ちを言い合う方がよくなる」マジカル・パンチライン 沖口優奈「ここの責任者、出してください❤️」第8回：株式会社ガイエ 配給宣伝事業部部長（前編）

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僕らは裏方で、縁の下の力持ちみたいなもの（大場）

沖口：
そういう形で映画業界に携わるようになって、現在の株式会社ガイエで仕事するようになったのは昨年9月からだそうですね。

大場：
そうですね。転職しました。もともと、僕はガイエと仕事をしていたんです。この会社は、デジタルを中心に、映画のマーケティングやPRを行なっている会社なんです。自分は、アナログから始まっているので、デジタルのことはよくわからなくて、いろいろと仕事を通じて相談していたんですね。その時に“こんなことができるんだ！”って驚くことや面白いことがたくさんあって。それで昨年に、自分の進退を考えるタイミングがあって、“これからは新しいことにチャレンジしながら、映画の仕事に携わりたい”と思ったんです。そんな時に、ガイエのCOO（最高執行責任者）から“ウチでやるという選択肢はない？”って聞かれたんですよ。“僕は、今、映画祭をやりたいと思っていて、ほかにも……”っていろいろと自分がやりたいアイディアを話したら、“いいね、ウチでも映画祭をやりたいね”という話になったんです。すごくフランクに話をしている中で、話がまとまっていったというか。

沖口：
では、そうやってフランクに話をしている中で、配給宣伝事業部を立ち上げることも決まったんですか？

大場：
そうですね。“どうせウチに来るなら、新しい部署を立ち上げよう”って言ってもらったんです。“じゃあ、人も集めて”って言われたので、『七人の侍』みたいに、“お前、これ得意だろ？　一緒にどうだ？”という感じで人も集めました（笑）。

沖口：
雑談というか、フランクな会話の中から、会社を動かすようなことが決まるんですね。

大場：
今“フランク”って言い方をしましたけど、もちろん、そこには信頼関係があったからだと思いますよ。お互いの実力も一緒に仕事をしてきた中でわかっているし、この人と仕事をしたら面白いだろうなっていう信頼もあるからこそ、成立したものだとは思います。

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沖口：
配給宣伝事業部というのは、実際どんな仕事をされているんですか？

大場：
1つは映画の宣伝をすべて引き受けるということですね。どのように宣伝していくか、どうやって売っていくかをイチから組み立てていきます。例えば、洋画を買い付けてきて公開するのであれば、どういう人に向けて、どういうアピールをすればヒットするのかを考えて提案し、さらには実行するわけです。邦画であれば、撮影現場に行って写真を撮らせてもらったり、監督やキャストにPR用のコメントをもらったりして、それを使ってポスターやチラシ、予告編を作って、キャッチコピーを考えて。こうやって話をすると何だかすごいことをやっているように思うかもしれないですけど、まあ、基本的には雑用ですね（笑）。

沖口：
そんな、雑用ってことはないと思います。私たちが、その映画に興味を持つきっかけを作ってくださっているということですよね。

大場：
いやでもね、映画の宣伝に携わる人ならば、誰もが言われることなんですけど、映画がヒットすれば映画がよかったから、監督や俳優の演技がよかったからって言われるんです。逆にコケると宣伝が悪いって言われるんですよ（苦笑）。大ヒットしても、僕らが持ち上げられることはまずありません。そういう意味で、僕らは裏方で、縁の下の力持ちみたいなものなんですよ。

沖口：
この記事を読んだ人が、ちょっとでも宣伝の大切さに気づいてくれたらいいですね。

大場：
そうですね。“このキャッチコピー、いいよね”“予告編、よくできているよね”みたいに興味を持ってもらえたらありがたいですね。特に予告編は、宣伝担当者が、その映画のよさを伝えたいと思って、一生懸命に作っているので、そこをほめてもらえると嬉しいです。

沖口：
私、けっこうキャッチコピーで映画を選びますよ。“最後にどんでん返しが!?”みたいなことが書いてあると、つい観ちゃいます（笑）。

大場：
わかります！　僕自身もそういうこと、ありますから。それで観に行って“なんだ、こういうことか……”なんて思うこともありますけど（笑）。