【連載：わたしのアニソン物語】上月せれな「より音楽を大切にしなきゃって思ったきっかけ」わたしのアニソン物語　第1話

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和田光司「Butter-Fly」
ライブでたくさん助けてもらっている曲

――「Butter-Fly」は、アニソン史に残る名曲ですね。

上月：
カラオケランキングでも何回も上位に入っていますよね。この曲がリリースされたのは、1999年4月だったと思うので、私が生まれる前。その時の曲が、今でもずっと歌われ続けているってすごいことですよね。

――この曲との出会いは？

上月：
アニメ『デジモンアドベンチャー』も知っていましたし、この曲も知ってたんですけど、最初はデジモンの歌だとは知らなくて。デビューして1、2年ぐらいの時に勧めてもらって自分で歌うってなった時にすごい調べて、デジモンの歌だって知ったんです。和田さんが歌う「Butter-Fly」は“ゴキゲンな蝶になって”から始まるんですけど、私が歌っているバージョンは“無限大な夢のあとの”から始まって。ただ、和田さんのバラード調から始まるアレンジがすごい好きなので、私のバージョンもバラード調から始まって“On My Love”って歌ったあとにガガガって盛り上がっていく感じで作ってもらいました。

――ライブでは、毎回ファンの反応もよいのでは？

上月：
デジモン世代の方も多いので、ライブで歌うと一体感が生まれます……ホントたくさん助けてもらっている曲ですね。デジモンの最後の別れのシーンって、わかります？　主人公たちは電車の宇宙船に乗って帰るんだけど、デジモンたちはそのまま残っていて。で、デジモンが電車を追いかけていって、途中で転んじゃう……あそこが感動的で、いつ観ても“わー”ってなってしまうんです。話がズレちゃいましたね（笑）。今も対バンイベントとかで、この曲を歌うと人がバァーって集まってきてくれますし、私のオリジナル曲じゃないのに、“せれちゅ＝Butter-Fly”って思ってくださっている方もたくさんいて。アイドルちゃんの中にも、私が歌っているからって生誕祭でこの曲を歌ってくれる子もいるんですよ。これからもずっと歌われ続ける曲なんだろうなって思います。

――曲自体に大きな力があるんでしょうね。

上月：
そうですね。いろんな方がカバーされているじゃないですか。もちろん和田さんがすごいんですけど、カバーされている方それぞれがカラーを出せる曲ですよね。

――上月さん自身は、どういうカラーを着けたいと思っていますか？

上月：
私はアイドルとして活動しているので、アイドル色が強いんじゃないかなと。アニソンの中に、アイドル界独特の盛り上がり方を入れられているって思っています。アイドルの世界って、いつからか誰かがやり始めた盛り上げ方が定番になることが多いじゃないですか。「Butter-Fly」を歌っている時に、“イエッタイガー”っていうコールが起きるのって、すごくないですか？　私の現場の盛り上がり方がどんどん広まっていって、今アニソンのクラブイベントとかで「Butter-Fly」が流れると、“イエッタイガー”が起こるっていう。そういう盛り上げ文化って、和田さんの頃にはないじゃないですか。今はそういう楽しみ方ができて、独特の文化があって、それが広まっているっていうのはすごいことだなって思いますし、アイドル界のいいところなんじゃないでしょうか。